今日は七夕。
この時期になるといつも思い浮かぶのが柿本人麻呂の万葉集第1068番の
「天の海に 雲の波立ち 月の舟 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ」という歌。
先日、奈良県立美術館に藤城清治展を見に行きました。
藤城清治は御年92歳の影絵作家。
これまでは藤城清治の影絵というと妖精や小人などメルヘンチックなイメージが大きかったのですが、原爆投下後の広島・長崎はもちろん東北の大震災も影絵にしています。
人生90年以上の年輪は大きくカラフルでとても感動的でした。
その中に、奈良の景色や仏像をデッサンや影絵にしたものもありました。
万葉集のいくつかの歌を影絵に制作したものもあり、この柿本人麻呂の 「天を詠める」もありました。
この歌は七夕を読んだものではないけれど、毎年この時期、織姫と彦星が天の川に月の船を浮かべて星の林で二人の時間を楽しんでいる場面がとてもロマンチックに思えます。
1200年も前の人たちも天の川を見上げ二人が1年に1度会えるのを祝福していたのですね。
そして1200年後のアーチストが歌のイメージを形にする。
どちらも七夕にふさわしい芸術作品です。