第三セクター山形鉄道(山形県長井市)は山形県白鷹町と同県南陽市を結ぶフラワー長井線で初の食堂車の運行を始める。車内に音楽や落語、漫才を演じる小規模のステージ空間を設け、米沢牛や馬肉といった地域特産の食材を使った弁当や地酒、ワインなどをケータリング(出前)で提供する。市場ニーズを調査しながら週末と祝日に運行を繰り返し、将来は観光列車として定着を図る方針だ。
現有の1車両を食堂車に全面改造する。4人掛けのボックスシートを、20人用と24人用の対面型ロングシートにし、飲食ができるようにテーブルを配置する。
音響設備や照明は特別仕様とし、内装は木目調の壁と床に張り替えるなど落ち着いた雰囲気を演出する。
外装は沿線の熊野大社にあやかり、縁結びをイメージしたデザインと配色のラッピングを車体に施す。
1月から試験運行、春ごろから本格運行に切り替える。片道1時間の鉄路で、昼時に最大2往復運行したい考えだ。
フラワー長井線ではこれまで、車内でプロレス興業を行うなど単発のイベント企画列車の運行を重ねてきたが、継続的な形で観光列車を走らせるのは初めてとなる。
利用客減少で、経営主体の山形鉄道は赤字に陥っている。同社と沿線の長井市、南陽市、白鷹町、川西町は鉄道事業再構築実施計画を国に提出し、11月に認定された。食堂車導入は実施計画の一環。同社は2市2町のモチーフとなるそれぞれの花の柄をあしらったラッピング列車計4両を今年の夏から順次運行するなど、誘客に努めている。
山形鉄道の中井晃専務は「利用者が気軽に食事や演奏などを楽しめる車両空間を提供し、将来は旅行商品になるよう目指していきたい」と話している。
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