エゴイスト
10/27のワールドプレミアに行って来ました。
コンペティション参加映画につき、英語の字幕入りでした。
日ごろ洋画の字幕を読んでいるせいか、日本語を耳にしながら英語の字幕を追っているという、何とも変な不思議体験をしました。
映画はあるゲイ男性の出会いと離別の物語です。
エゴイストのタイトルからは想像のつかない、他者への愛情が見てとれる物語だったように思います。
前半は主人公であるファッション誌の編集者と、相手となる若いパーソナルトレーナーの普段の何の嘘偽りのない関係が描かれてますが、これがちょっと衝撃的かもしれない。テレビドラマの「きのう何食べた?」や「おっさんずラブ」などでは出てくる事のなかった本当の絡みの描写があるからです。
また相手の若い子がパーソナルトレーナーをしながら、実は裏では夜の街で男を相手に金を稼いでいる。その様子も普通に出て来て、素直にゲイのリアル世界を描こうとしている。そんな作り手側の意図が感じられました。
これが後半になると、物語は違う関係性を想定した物語へ変わって行きます。
主人公がある事を発端に相手の若い子の母親と関係が深くなって行くのですが、その関係を通して、少しずつ自分自身の内面を省みて行きます。自身の生い立ちから子供のころの事。その時は理解出来ていなかった様々な事柄に向き合えるようになって行くのです。
そして、それからの主人公のとる行為はある種自己満足的なものにも映るが、その辺のところがタイトルのエゴイストにつながるのだなと思いました。
好きになる事。好きになって、その先にある事。
この映画は普通に人を好きになる映画だと思います。