元楽天イーグルス監督の梨田さんが闘病生活のインタビューを受けていました
梨田さんらしい人柄が出て率直に医者や看護師への感謝の気持ちが表れていたと思います
医療従事者へのバッシングを憤慨することも話されていましたがもっともだと思います
誰しも感染し得る状況ですからお互いの気持ちの思いやりを大切にしたいですね
日刊スポーツからの記事ですがとっても大切なことが書いてあると思いましたので、そのまま転載します
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新型コロナウイルス感染から回復した元近鉄、日本ハム、楽天監督の梨田昌孝氏(66=日刊スポーツ評論家)が26日、本紙のインタビューに応じ、50日間に及んだ闘病生活を振り返った。生命にかかわる危機を告白。奇跡の生還を果たし、プロ野球開幕に向けて社会復帰に強い意欲を示した。【取材・構成=寺尾博和編集委員】
-厳しい闘病生活でした
梨田氏 みなさんにご心配をお掛けしました。大変苦しい日々でしたが、幸いにも帰ってくることができました。今後のためにも回復に至るまでの道程をお伝えしておきたいと思った次第です。
-退院から約1週間ですが体調はいかがですか
梨田氏 よくここまできたなと思ってるんです。日常に戻った感じです。4月20日頃からリハビリを始めましたが、食事制限もなく、肉も、刺し身もなんでも食べていいと言われてます。今は食欲もあるんです。
-50日間もの入院で体重も減少したとか
梨田氏 ちょうど15キロ落ちました。入院前は99キロになった時点で体重計に乗るのをやめていました。3桁になるのがいやだったからです(苦笑)。おそらく102、103キロぐらいにはなっていたでしょうね。
-リハビリの進捗(しんちょく)状況は?
梨田氏 リハビリの先生から指導を受け、例えば立ったままかかとの上げ下げでふくらはぎを鍛える。あおむけになって腰を上げたり、反ったり。イスに座ったり、立ったり。腕立て伏せも、家の中ですが8000歩ぐらい歩いてます。
-入院までの経緯を聞かせてください
梨田氏 3月25日の夕方を前に体にだるさを感じました。体温は36度台後半、そのうち37度を超えた状態が27日ぐらいまで続いた。風邪だと思いました。体も大きいし、コロナとは無縁という感覚でいました。
-当初厚労省による受診の指針は「37・5度」が4日続けばという内容でした
梨田氏 だから我慢していたんでしょうね。最初は37度にいってなかったからね。でも28日ぐらいから38度以上に上がって、(呼吸困難に陥った)30日には結構きつかったみたいで、急激に悪化した。この時点からはあまり覚えてない。あとで女房に聞くと家で転んでたらしいです。
-「重度の肺炎」で救急車で別の病院に緊急入院しました
梨田氏 後でうつぶせで人工呼吸器をつけてる写真を見せてもらいました。肺の映像では3分の2は真っ白でした。病院の先生にうかがったのは、搬送されたときは驚くぐらい深刻な症状で、生命の危険度の高い状態だったようです。97、98、99%は危なかったらしい。あの世とこの世を行ったり来たりした感じですね。
-生死をさまよった感覚ですか
梨田氏 ずっと薬で痛みを抑えながら眠らされていたのですが、幻覚というか、悪夢というか、いい夢は一切見なかった。生かされている感覚? わかりません。ただほとんど悪夢でしたが、それを見るんで、なんか生きてるって感じは多少あるんですよね。
-徐々に容体が良くなって人工呼吸器の装着を外しました。意識が戻ったのはどの時点ですか
梨田氏 どの時点かはわかりません。人工呼吸器が結構深く入っていた気がするんですが、すごい気持ち悪さがあった。管を口から抜かれたときは「オエーッ」としましたが、ふわーっと、なんとなく生きてるんだと感じた瞬間でした。それもうろ覚えですけどね。
-その後はどのような様子でしたか
梨田氏 生きてる感覚はあったが、なかなか水を飲ませてもらえない。高熱で水が飲みたくてしょうがないんですが、一気に飲むと、むせたりして食道、肺に入るのが危険みたい。のどが渇いてうなされ、何百回も「水を飲ませてください」とお願いする夢をみました。せきがでて、たん、つばがでても絶対飲み込んではダメ、全部外に出してくださいと言われました。
-ICUをでて一般病棟に移ったのは入院から18日経過した4月17日です。
梨田氏 すごくうれしかったです。でも、なんて言うんでしょうか…。入院してる間に、志村けんさん、岡江久美子さん、岡本行夫さんら著名人、大相撲の勝武士さんが亡くなったことを知りました。そういうのがあって「おれはこれでいいのかな…」と複雑な思いはありました。
-一命を取り留めたといっても、すぐに前向きにはなれなかった?
梨田氏 そうですね。ただそこは先生方が「これだけ重症で助かったのは、梨田さんがこれから果たさなきゃいけない役割があるからじゃないですか」と励ましてくれた。ここまで回復したのは奇跡だったようです。詳しいことはわからないが、基礎体力があったこと、生命力、それと運…。これは冗談でしょうが「梨田さんの人柄ですね」といわれ、初めて少しだけ笑うことができました。
-医師とも会話ができるまでになった時期ですね
梨田氏 ドクター、看護師さんも怖いと思うんです。でも腰が引けたり、いやがったりせず、ちゃんと向き合ってくれた。ドクターから「梨田さんが元気になったら、ぼくたちにとっても励みになりますから」といわれ、「よーしっ、頑張ろう」という気持ちになったものです。
-一般病棟でリハビリが始まりました
梨田氏 でもまだ自力で歩けないし、点滴もいっぱいしていた。フニャっとなってベッドに座ることもできない。腰に力、背骨に力が入らない。もちろん家族は面会もできません。部屋にいらっしゃる医師、看護師さんもみんなマスク、防護服、フェースシールドをつけてるのをみて、自分はまだまだなんだなと感じました。コロナってこんなにしんどいのかと、つらかったです。
-治療薬「アビガン」は使用しなかったようですね
梨田氏 あれは初期症状の患者に使うようで、先生からも「使ってません」と説明を受けました。人工呼吸器をつけた重症者は、まず飲める力がない。錠剤をくだいて点滴にしたりというのはできるらしい。エクモ(体外式膜型人工肺)も装着していません。
-回復に向かっている実感はあったのですか
梨田氏 人工呼吸器を外した後、のどが炎症していて、1週間は声が出なかった。いずれまたNHKで解説の仕事をさせていただくために必死に声をだす練習をしました。マスクは食事を取るとき以外はつけっぱなしで、1日21、22時間はしてたのもつらく感じた。マスクは胸の後ろからゴムで固定され、これがすれて痛くて眠れなかった。
-PCR検査で陰性結果が2度続くことが退院の条件と知られています
梨田氏 そこまでいくのが大変でね。最初ドクターから「1度陰性になっても、次は陽性の確率が高い」と言われてたがその通りでした。18回も検査した患者もいたらしいです。わたしも鼻の奥の奥まで入れられ、コロナのカスなのか、徹底的に行われました。
-陰性結果が2度続いたのが5月6日です
梨田氏 トータルで8回検査を受けたが、それだけで2週間以上かかったことになる。陰性の後で陽性がでたときはため息がでます。陰性、陽性、陰性、陽性、陽性、陽性、陰性、陰性…。やっとです。それと同時に不整脈がでたのは、まずいなと思いました。
-今までなかったことですか
梨田氏 ええ、今までなかった症状でした。心房細動で機能低下したようです。一般的には血管に血栓が詰まって病気になるケースもあるみたいです。昨年12月に検診を受けてるので、そんな急に不整脈がでるはずがなかった。コロナの影響と思います。しかし、脳の検査も済ませ、今では不整脈も治って正常です。
-では病院内の医療従事者の様子をうかがいます
梨田氏 本当に大変ですよ。マスクも、防護服も不足し、みなさんでゴミ袋を切ったり、自分たちでフェースシールドを作っていました。特に患者と接する機会が多い看護師さんには頭が下がりました。孤独でつらいだろうと思っていました。でも前向きに、明るく、親身になってお世話してくれる姿に「なんとか回復しなければ」と勇気づけられました。
-医師、看護師も闘ってるわけですね
梨田氏 こちらの社会復帰を考えてくれてるから、やさしいけど、厳しくもあった。例えばリハビリに入ったときは、自力でペットボトルのフタを開けることができなかった。錠剤の薬をだすときも、後ろのつまみをうまく押せない。力が入らないからで、看護師さんは「自分でやってくださいね」という。でもうまくいかないのよ、これが…。情けなかったです。
-一方で感染者、医療従事者への差別、偏見が社会問題になっています
梨田氏 絶対にしてはいけないことです。人は一人では生きられない。みんなが助け合って、弱いところを支えていくのが日本人の良さです。わたしはおふくろから「自分がされて、いやなことは絶対人にするな」と教えられて育ちました。シングルマザーの看護師さんで、子供が幼稚園、小学校でいじめられたりする話を聞くと、すごく寂しい。心身ともに疲れて家に帰って子供の顔をみてほっとしたらいいが、子供が泣いていたらどういう気持ちになるか。次の日の仕事にも影響がでます。日本はこれでいいのか…。胸に手をあてて考えてほしいです。
-新型コロナウイルス感染は第2、第3波が予想されています
梨田氏 早くワクチンができればいいが、なかなか難しいみたいです。本当にそれが効くのか、効かなかったときにどこかに障がいが残ったりなどと言われてます。
-さてプロ野球の開幕が6月19日に決まりました。
梨田氏 おかげさまで健康を取り戻すまでに回復しました。体調はまったく問題がありません。わたしも開幕に向けて徐々に前に進んでいきたいと思っています。(おわり)
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医療関係者へのバッシングあってはならないことです
自分が同じ立場だったらどう考えるか言わなくともわかると思います
今シーズンもNHKの解説者として活躍されることでしょうから楽しみにしたいです
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