父親にとっては僕が大学医学部に合格したのがなによりも嬉しい事だったのだろう。
父親は学歴が無く無免許でレントゲン技師をしていた。母親が開業医だったので昭和の昔は医師の指示で無資格でレントゲンを撮ってもそんなに目くじらを立てて非難されないいい時代だった。
しかし父親はこどもたちが医師になる事に執念を燃やしていたらしく、僕が天文学者になりたいから理学部に行くというと、激怒して、ガラスの灰皿を投げつけたのを覚えている。僕は医学部進学課程だが、希望があれば他学部へも進学出来る大学を選んだが、大学合格するのが一苦労で、入学後は遊び回ってしまい、結局医学部にしか進学できなかった。
今では医学部に進学して曲がりなりにも医師をやっていて良かったと思う。
一時はカウンセラーになりたいと思っていたが、今は産業医の仕事でカウンセリングみたいな事もやっているから、やりたい事は出来ている。
なんだかんだで人生は上手く回っている。
亡くなった両親に見守られている気がする。
こどもの日に会いに来てくれてありがとうパパさん。