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結城友奈は勇者である感想。日常系や明るい雰囲気と思わせておいての少女達の悲惨な運命。本当の評価は続編次第

2014年秋アニメの感想の続きです。
オリジナルアニメということもあって、2014年秋一番の問題作なのでは。
物語上の問題はありましたが、見応えはありました。

◎「結城友奈は勇者である」(全12話)

讃州中学勇者部の5人が歌うOP曲の「ホシトハナ」の歌詞のように、残酷な物語(→歌詞サーチへのリンク。)
「ああ 真実ほど 人を魅了するものはないけど
 ああ 真実ほど 人に残酷なものもないのだろう」

古来から日本の神様(自然も同じですが。)というのは、人間を助けもすれば、人間に罰を与えたり供物を求めたりする存在です。バチが当たるとか、人柱とか、少女を神様に供物としてお供えするために殺すとか。特別な能力に目覚めた少女達の、外敵との戦いと、満開(全力を出すこと。)した結果として自らの身体機能の一つが神様への供物になるという(散華(さんげ))、外敵に対するために大赦が作った勇者システムという悲惨な物語。

悲惨な物語の割には、絵の雰囲気が明るいことや、キャラが比較的萌キャラなことや、ときどきコメディが入ることやらで、私としては思ったほど深刻な気持ちにはならず。それはそれで制作者が狙ったことでしょうから、その狙いで良いと思います。

ただ、最終話で一応のハッピーエンドになったことはかまいませんが、筋の通らないハッピーエンドだったので、物語全体としてはまずまずと評さざるを得ないのが残念でした(何らかの映像作品で補完されることを期待。バッドエンドやハッピーエンドが好きとか嫌いとかではなく、コメディやギャグでないなら筋に無理が多い物語は良くないということ。)。
日常と軽いコメディとシリアスの混ぜ具合や物語の展開は飽きない作りだっただけに、最終話が残念でした。

ピンク色の結城友奈(ゆうきゆうな)(cv照井春佳)、青色の東郷美森(とうごうみもり。鷲尾須美(わしおすみ)として園子と共に勇者として戦っていたときの記憶がない。)(cv三森すずこ)、黄色の犬吠埼風(いぬぼうざきふう)(cv内山夕実)、黄緑色の犬吠埼樹(いぬぼうざきいつき)(cv黒沢ともよ)、赤色の三好夏凜(みよしかりん)(cv長妻樹里)の勇者部の5人と、元勇者で寝たきりの乃木園子(のぎそのこ)(cv花澤香菜)など。


日常も。





○ 能力があるとして、神樹様を守るために大赦に選ばれた女子中学生が勇者として世界を守るために、「新世紀エヴァンゲリオン」の使徒のような「魔法少女まどか☆マギカ」の魔女のような、どこからかやってくる敵である変な形のバーテックスと、
「灼眼のシャナ」の封絶(ふうぜつ)(結界)のように一般人は止まっている、神様である神樹(しんじゅ)様が作った結界である「樹海」(じゅかい)で戦う5人の魔法少女のような「勇者」である中学生の、シリアス系ですけれど、少しコミカルでもあり、少し日常系でもある悲惨な物語。


こんな感じの、良く分からない場所での戦い。



他の地域にも勇者はいて、どこにバーテックスが現れても対応できるようになっているとの説明があり、であれば、一度現れたらずっとそこに現れるわけですから、直ぐにそこに集中して配置すれば良いのにしていないのは何故なのか。

実は他地域に勇者はいなかった、というか友奈達のいる四国以外は滅んでいるからということのようですね。。。

3話で赤色の夏凜が登場。これで5色そろいました。3話は友情の日常系。



◎ ここで、先に問題の最終12話について書きます。
いくつか考えられますが、どれとも判断が付きかねますが、何らかの映像作品で補完されることを期待します。

大切な友達である友奈が苦しむのを見たくないからとして神樹様を倒して世界を終わらせようとする東郷(10話ラストから12話始め)。
バーテックスを倒しても少ししたら再生するわけで、いくら倒してもキリがないのに満開の連続で友奈は戦えなくなって傷付いていくだけですから、そういう考えも成り立ちます。





12話、友奈達が東郷を抑え、バーテックスにも勝ちますが、何故か体の機能が回復した5人。

しかし、友奈だけは違う様子。明言はされませんでしたが、うどんの味が分かっていないかのような描写、劇でふらつく描写からして、友奈だけ一部が回復していない様子

イロイロと、何故なのか?。

・ 7話で風が「確かお供え物って、時間が経てば、自分で食べてしまってもいいのよね。」と冗談めかして言っていたことを踏まえて(単にお腹が空いて、旅館の神棚のお供え物を食べたいと思って言っただけですが。)、供物だから神樹様は返してくれたということなら、大赦は最初から勇者に教えているはず。その方が、身体機能を失っても、勇者は絶望したり恐れたりせずに戦い続けることが出来るはずですから。

6話で、大赦は風に「変調は一時的なものと思われます。」とメール返信していましたが、本当かどうかは何とも言えません。
それが本当なら、上と同じ理由でもっときちんと説明すれば良いのに。

10話を踏まえ、バーテックスを送り込んだ神と大赦&神樹様が裏でつながっていてマッチポンプなのか、あるいは、両者間で交渉が成立していて人間への試練として前者の敵の神が猶予を与えてくれているとすると(人間が良い世界を作れそうだと前者の神が思えば、四国を滅ぼさず、バーテックスも来なくなる。)、言わないことの説明は付きますし、身体機能の回復を説明することもある程度可能です。

神樹様が自らの結界に少し弱い部分(四国の瀬戸内海側)を作っているから、バーテックスは太平洋側ではなくそこからしか攻めてこないとアプリに書いてあったと、友奈の質問に東郷が答えていましたが(7話後半)、それも神と大赦&神樹様が裏でつながっているか交渉をしている可能性の理由となります。
つまり、神樹様が弱いところを作ってそこからバーテックスに攻めさせようとしているなんて敵の神には分かるはずですから、弱くないところを攻めた方が落としやすい場合もありますが、神はそれをしていないというのは不自然です。

なお、それを聞いた友奈の「でも安心したかも。神樹様に、はっきり意志があるってことだもん。私達のことだって、何とかしてくださるよ。」という言葉は、神樹様が供物を取るか取らないか、返すか返さないかを自由に判断できるということの伏線なのかも知れません。

・ 他人の身体機能を奪って勇者に与えたとも考えられ、それなら結構筋が通ります。神樹様は神ですからそのくらいは出来るはずですし、神樹様が消費しない供物を供えさせるというのも変ですから。

その場合、友奈達はそれを知った時点で拒むはずです。そして、バーテックスと勇者システムの問題は何も解決せず、延々と繰り返されるだけです。

・ 包帯だらけで寝たきりの園子も同時に治ったのはタイミングとして少し変ですが、友奈達よりも満開が多くて供物になった身体機能が多かったから回復に時間がかかったということである程度説明できそうです。

なお、友奈は満開だらけで他の4人より大活躍したから後遺症もひどくて後遺症が残ったとするのなら、友奈よりひどい状態と見受けられる園子も後遺症が残っているはずです。海辺に立って包帯が風で飛んでいったものの、病人の浴衣姿のままですし、後ろ姿しか映さなかったことから、その可能性も考えられます。

・ 身体機能を返せるのは一時的で、少ししたら再度取り上げるとも考えられます(食べ物の供物は神様の食べ物だから、神樹様もいつかは食べるとも考えられる。)。
だから返せることを大赦は明言しなかったと。


最終12話ラスト、壁新聞の写真で勇者部5人が「明日の勇者へ」と書いた紙を持っていましたし、直後に「終わり」とかではなく「結城友奈の章」と最後に出たことから、制作者は新たな勇者が活躍する物語を作りたいのでしょう。

何よりもバーテックスは何度でも再生して何度でも来るはずで、何も解決していないので。
何もかも皆懐かしい、じゃなくて、何もかも続編次第です。




◎ で、話を戻して、物語を順に追っていきます。

○ 5話までで全てのバーテックス(計12体)を倒したのはあっけ無さ過ぎでしたが、それで終わるはずもなく、5話での戦いで満開になった友奈達には何らかの障害が(6話)。

特に、歌手を目指していた樹が声を失ったのは、次回予告とわずかの過去回想以外では「ん」とかモゴモゴした声も含めて最終話まで全く声を出さなかった樹、つまり声優の黒沢ともよ さんが可哀そうだな、と。

日常を交えて楽しげな雰囲気を見せつつも、全体としては徐々に不穏な雰囲気が強くなっていて。


○ 8話。バーテックスを倒すために満開になると、体の機能の一部が神樹様への供物として、勇者本人が知らない内に自動的に捧げられるという、かなり鬼畜な仕組み

それを友奈と東郷に告げた、元勇者で今は寝たきりの園子の声が花澤香菜さんというのは良かったのですが、どのアニメでも、ゲストキャラは何でもかんでも花澤さん、という印象もあって(印象なので、実際はそれほど出てはいないのかも知れない。)、トップ10に入るくらいにかなり好きな声優だけに声が聞けるのは嬉しいのですが、大人気声優だけに花澤さんを起用する制作者側が少しばかり安易な気も。


○ 9話。鬼畜な仕組みが嘘だと思いたい風が真実を認めざるを得なくなって、発狂気味に大赦を倒しに行くと。それを止めるために友奈が満開になると。「風先輩を止められるなら、これぐらい。だって私は、勇者だから。」と満開になってもキッパリと微笑んで言う友奈というのは妙に物分かりが良い「良い子」なのが気になりますが(まどかマギカのピンク色の鹿目まどか と違って、深く考えていないだけな気がするという悪い意味で。まどか と違って決断までの過程が描かれていないからそういう印象を持つのでしょうけれど。)、樹も風に「勇者部に入って本当に良かったよ」と書いて微笑んで、更に号泣の風。

ここは良いシーンではありますが、強い怒りや号泣の描写が視聴者の感情を動かすかというと、イエスでもありノーでもあるわけで。物語全体の流れや雰囲気によっても異なりますし、視聴者個々人の様々な状況によっても異なりますし、同じ人でも見る時期によって異なりますし、あるいは少し前に見たアニメとの関連においても異なりますし。

私としては、おー、凄く怒っている、どうやって矛を収めるのだろう、くらいなもので、逆に、友奈の強い決意や樹の静かな優しい気持ちにジーンときました。
直後のシーンでの風の後悔の号泣というのは、後先考えないで行動して他の勇者にかえって迷惑をかけた自業自得にしか思えませんでした。


○ 10話。園子が東郷に教えて東郷が確認したところ、友奈らのいる四国以外は滅んでいたんですね・・・神がバーテックスをよこして各地を滅ぼし、一部の神が四国で神樹様としてまとまってそれに抵抗しているのですね。。。

それでは他地域から勇者が助けに来るなんて、期待できませんね。

3話で夏凜が遅れて登場したのは、勇者4人にも視聴者にもミスリードさせるためでしょう。


○ 11話、友奈と東郷の関係は、少しだけ「魔法少女まどか☆マギカ」の鹿目まどか と暁美ほむら を彷彿とさせますが、圧倒的な孤独の ほむら と、友達がいて日々を楽しく過ごしてきた東郷(孤独を知らないと思われる。)には明らかな違いがあって、2人の悲しみや怒りには明らかな違いがあって、そのどちらに共感できるかというのは人それぞれであって。

まどかマギカが無ければ11話で2人が互いを思いやる気持ちのすれ違いから戦うシーンも感動的なシーンと思えたでしょうけれど、どうしても比べてしまうので(特に、2人がそういう気持ちになるまでの描写がまどかマギカに比べて不足しているので。)、普通に良いシーンだなという程度に。


○ まどかマギカとは違った良さはあったものの、どうしても比べてしまう設定なので、好みの問題もあるとはいえ、このアニメとしては少し損をしている感じ。

後は、最終12話が今後どう補完されるのか、で評価が大きく変わり得ると思います。
このアニメの本当の評価は続編次第です。



【shin】
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