◎アニメミライ2015の4作、いずれも30分枠。2015年3月に東京アニメアワードフェスティバルにて上映されたものが2015年4月にスカパー!のアニマックスで放送されていたので(3月から4月に地上波でも放送、4月に劇場公開。)。
「アニメミライ」というのは、文化庁の事業で、育成のために若手アニメーターが中心となって作ったアニメのこと。
全体として30分では描き切れていない部分が多いので点を少し低くしていますが、そこは仕方ないです。「アキの奏で」と「音楽少女」は人気声優の力に少し頼った感じがしますが、そこも仕方ないでしょう。
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◎「アキの奏で」
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総合評価3点(5点満点)。現代的な絵柄。
メイン2人のほか、古川慎さん、釘宮理恵さん、中原麻衣さんなど。
子供の時に和太鼓の魅了された宮川アキ(cv佐藤利奈)は太鼓を続け、バイトをしながらもプロの太鼓奏者として東京で活動中(活躍ではない。)。バイトもしているので、先が見えないことに不安を感じている。そこへ、故郷の祭で15年ぶりに高校(統合で無くなる。)で太鼓演奏をするのでコーチにと、太鼓の恩師の吉岡道夫(cv浜田賢二)から電話が。
アキ達がその祭で初演奏しようとしたら前夜の台風の影響で祭のヤグラが崩れて中止になって以来、太鼓は中止されてきていて、ちゃんとしたプロではないので、少し複雑な心境のアキ。
太鼓を始めてから父娘関係も上手くいっておらず、帰省してもほとんど話をしない2人だそうですし(ここは、父は何でそこまで許さないのか、という描写が少ないのが不満ですが、30分では仕方ないです。)。
中途半端に終わってしまった公の場での初演奏から時を経て演奏を行えたことにより、気持ちに区切りをつけるとともに、後輩に教える中で繋がる感覚も感じて前向きになるアキ。
物語としてはどうってことはないですが、語り過ぎず、黙し過ぎず、故郷(熊本県)や田舎の良さも悪いところも強調することなく、ニコリとできる後味は良かったです。
◎「ハッピーカムカム」
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総合評価2.5点。家族向けアニメのような絵柄。
町田ひろし(cv森屋正太郎)がメイドロボットを頼んだら、業者の口車に乗せられて母親っぽい家政婦ロボットのヨシコ(cv渡辺菜生子)をお試しで使うことに。大阪のおばちゃんみたいに、何かと世話焼きで説教ばかりで鬱陶しいのに、最初は嫌がっていたのに、徐々に情が移って、故障しても修理して引き続き使うことにに。
全体として少し型通りですが批判すべきことではなく、一方、ひろし の気持ちの動きの描写に無理はありませんが、ヨシコのような鬱陶しさは疲れるので、評価が少し低くなっています。
ほろりとくる人情もの。
◎「音楽少女」
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総合評価2.5点。淡い感じですが、現代的な絵柄。
歌が好きで作曲もしているけれど あがり症で人前では歌えない熊谷絵里(cv瀬戸麻沙美)と、歌が好きな千歳ハル(本名は、柚塚千晴)(cv沼倉愛美)。他に、友人の中山さくら(cv早見沙織)など。他に、内田真礼さん、中村繪里子さんなど。
寮が同室で、ハルがライブイベントに出場しようと絵里に猛烈アタック。自分勝手なハルが鬱陶しいです。
数か月で海外留学することをハルから聞いていなかったということで可愛さあまって憎さ百倍の絵里でしたが、会場には来ていたんですねえ、ステージからのハルの呼びかけに応じて土壇場で出場することに。
物語としてはどうってことはないですし、ハルが面倒くさいキャラで見ていて疲れたので評価が少し低くなっています。萌え萌えした感じが好きなら、もっと楽しめるのでは。
◎「クミとチューリップ」
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総合評価3点。
音楽や効果音のみでセリフがないというのも、いまどき珍しい気が。それもあってか、少し高めな点かも。
口は動いているので、昔の無声映画の気分です。
絵や動きは手塚プロらしいです。
公園で絵を描いているお爺さん、チューリップこまめに水をやるなど世話していましたが、倒れてしまい入院。
少女が、チューリップが育つ様子の映像を病室に持っていって、花が咲いたシーンでようやく少し笑顔に。でも息絶えて。
チューリップ全般の花言葉は、思いやり(他に、色によって異なる花言葉もある。)。
絵柄に反して、単純なハッピーエンドにはならなかったところも安易さはなく、良い感じでした。
【shin】