フランス人が村上春樹氏の作品をアニメ化する。どんな風に仕上がるのかと、大変楽しみに観てきました。
未鑑賞で先入観を持ちたくない方は、この先は読まないほうがいいかもしれません。
日本語字幕でみたのですが、次回は日本語吹替で観るつもりです。というのも、人物の画風が、(私には)どうにも西洋からみた典型的なアジア人(日本人ではない)として見えてしまい、その上英語を話すので、アニメ映画のムーランを思い出してしまいました。
しかし、作品自体は好きです。だからこそ、あらためて日本語吹替で観たい。アニメ化なんて失敗じゃないのか、という心配は不要でした。しっかり、無意識の井戸の底まで降りて行けました。
片桐さんが、もう、どうしようもなく可哀想な日本人のおじさんにみえてしまい、最近話題になった頂き女子が言う、オジまで想起してしまいそうな描きぶりでして、最初は『うわ、こんな風に日本人って観られてるのか』とショックでした。出てくる人達が全然笑わないんですよ。表情が無くて、精気がなくて、生きてるのに死んでるような。
胃痛で死にそうなのは雇われ支配人で、元気なのは毎晩シェフが作るディナーを食べるオーナー。なんだか社会の縮図をみるような、、、。
通勤電車で魂が抜けたように見える会社員の群れを思い出しました、私も含めて。
最後、片桐さんは逃げなかった。恐怖から逃げなかったアンサングヒーローであり、カエルくんは、日本風にいうなら、神様の化身だったのかもしれません。
大熊商事に行ったのはかえるくんじゃなくて、本当は片桐さんだったのかも知れないですね。
最後に片桐さんが手にしていたアンナ・カレーニナを私も読みたいと思います
。
今日も、皆様がそれぞれの場所で、最高に幸せでありますように。
悩み苦しみが無くなって、願いごとがたくさん叶いますように。