1,悔しい夢
今でも7時46分の駅前行きバスに乗り遅れる夢を見る。そのバスが仮に遅れてきても、国道の渋滞に引っかかっても、駅前から出ている8時20分の学校前行きのバスに間に合うのだ。そして8時20分のバスに間に合えば、学校に遅刻しないで行ける。
高校三年間、ぼくはそのバスに間に合うように家を出ていた。ところがバスのヤツ、遅れる時は十分以上も待たせるくせに、早く着いた時はこちらを待ちもせずにさっさと出発してしまう。そのせいで何度乗り遅れ悔しい思いをしたことか。今でも見る夢はその悔しさの強さを示しているのだと思う。
2,次のバス
次のバスは55分だった。そちらは遠回りの駅前行きで、途中に国鉄(現JR)の踏み切りというおまけまでついている。一度踏み切りに引っかかると、車両の長い貨物車を含めて2,3本が通り抜けるのを待つことになる。それでも運がよければ8時20分に乗ることが出来るので、46分に乗れない時にはそのバスを利用した。しかし8時20分に間に合う確率は10パーセント程度だった。
3,戦績と言い訳
さて、それらのバスを使った戦績なのだが、高校三年間の勝率は約5割で、高校生活の半分が遅刻ということになる。一年の時はあまり遅刻しなかったのだが、二年、三年と年を重ねるごとに遅刻が増えていった。別にこちらにサボり癖が付いたわけではない。交通量が増えていったのだ。
4,後日談
後日談であるが、交通量が増えたせいでバスはまともに来なくなり、そのせいでさらに車を持つ人が増え、そのせいでバスの利用者が減り、そのせいでバスの本数も減った。ぼくが高校の頃1時間に4~6本あったバスは、1時間1~2本になり、そのうち1日数本になり、最終的にそのバス路線は廃止になった。
「モータリゼーション恐るべし」である。