c)軍産複合利権集団――かの関東軍をほうふつとさせる /ビルマ-ミャンマー軍の独特の歴史的性格は二つには、軍産複合利権集団だということである。 /現在までに、軍部は二つの持ち株会社――MEHL(ミャンマー・エコノミック・ホールディングス)とMEC(ミャンマー・エコノミック・コーポレーション)――を所有している。その2社の系列下には約130社の企業がある。業態的には、銀行、天然ガスや鉄鋼や石炭などの鉱業、衣料品製造、ビール、たばこなどにおよぶ。軍の確保する利益は、民間企業全体の利益総額をはるかに上回る。 /そのMEHLの実体をみると、個人株主約38万1638人の全員が現役ないし退役軍人である。そのうち機関株主は1803体であるが、軍の師団、大隊、小隊ならびに戦争退役軍人協会である。 /すなわち、軍は一方では、諸民族およびロヒンギャへのせん滅戦争と労働者農民・学生・市民への国家テロを強行し、軍内部を常時、戦争的緊張にたたきこみ、軍律による恐怖政治と排他的ビルマ民族主義イデオロギーによってがちがちに支配してきている。同時に他方では、経済的・生活的な利権集団として組織化されており、軍産複合利権集団となっている。それは、巨大な利権配分システムをもつ、いわば一個の閉鎖的な社会的自己完結体として存在し、運営されている。 . . . 本文を読む