東京都知事選で、細川護熙候補に投票を集中しましょう!
(1)細川候補勝利へ決断
この度の東京都知事選挙でどのような態度をとるかは、東京都に住む良心的な多くの労働者人民にとって、実に悩ましいテーマでした。
と言いますのは、先の2012年12月の都知事選で立候補した宇都宮健児氏が再び出馬すると表明したものの、宇都宮氏では自民党・公明党の推す舛添要一氏に勝てないと、ほとんどの人が感じていたからです。前回は、選挙戦術で共産党が引き回しをおこない、脱原発の公約を後景に退けるなど、不満を残した選挙戦でした。今回も、他の人たちが有力候補として検討中であるのに、宇都宮氏がいち早く出馬表明をし、共産党がただちに支持を打ち出すなど、共同候補づくりのルールや統一戦線づくりに反するやりかたがあったからです。その他、選挙戦前から不協和音が起こっていました。
宇都宮氏しかいないのか、負けるとわかっている選挙戦をやらねばならないのかというムードが広がっていました。それでも、1月上旬時点から、宇都宮氏で行こうと勝手連が動き出しました。
ところが、細川護熙氏が小泉純一郎の支援を受けて、「脱原発」を第一に掲げて立候補するという事態となり、都知事選が「脱原発か原発推進か」を争う都民投票ともいうべき選挙戦へと様相を一変させました。マスコミ報道でもご存知のような、脱原発候補の一本化の努力を軸に、さまざまな経過がありました。そして、告示前日の1月22日、細川氏の記者会見での公約発表となりました。
この間、真剣な論議の中で、1月中旬の時点から、少なからぬ人々が「細川候補に投票を集中する」という決断をして動いてきました。22日の細川会見で、その決断がまちがっていないと最終的に確信したところです。
ここに、細川候補勝利=脱原発知事実現へ、あらゆる力を集中されるよう、訴えます。
東京都在住の方はもちろん、それ以外の地域に住んでいる方も、知り合いに働きかけ、ブログなどネットを通じて、細川勝利への流れを強く、太くするために力を尽くされるよう、訴えます。
(2)安倍政権に痛打を与える千載一遇のチャンス
3・11福島原発事故の言語を絶する惨害を経験し、その衝撃の中で、福島の人々をはじめとするほとんどの労働者人民が反原発、脱原発、原発ゼロ、再稼働反対、原発輸出反対なのです。ますます拡大する福島原発事故によって、チェルノブイリ原発事故をも上回る放射能汚染が広まり、原発への恐れと怨嗟の声が強まっているのです。
にもかかわらず、安倍政権がそれを抑えつけ、逆行する路線を進めていることに対して、そのあまりの傍若無人ぶりに不信感が強まるとともに、口惜しさと無力感も漂っていました。
どのような手段をとってでも、安倍政権の原発強行路線を阻止しなければなりません。「3・11を忘れた」かのような態度をとるなどということは、とうてい許されることではありません。自公が議会で3分の2以上をとっているなどということを理由に、安倍政権の原発推進の暴挙を手をこまねいて見ているなどということはあってはなりません。
日本と世界の歴史の流れを、大きく反原発、脱原発へと推し進めることは、残酷な被害を受け、これからも犠牲を受ける私たち労働人民の切なる願いです。誰もが、できるだけ早い機会をとらえて、安倍政権に痛打を浴びせたいと欲しています。そうでなければ、原発の恐るべき脅威になおさらされ続けるのか、子や孫をもその悲惨にさらすのか、という不安におののかざるをえません。明日、大地震が起これば、日本の原発はどうなるのか。空恐ろしいことです。
この願いと恐れは、あえて言えば、どのようなテーマにも優先する、いやあらゆる諸問題をも包摂した課題なのではないでしょうか。
原発問題が帝国主義において、現代史において、ひいては人類を始め生きとし生けるものすべてにおいて、過去、現在、未来を決定づける最大級の問題であることを、3・11は衝撃的に暴き出しました。そのことに無自覚だったことを痛切に反省しました。そこから、反原発のたたかいを何にもまして押し上げなければならないはずです。
何よりも、原発問題は国論を二分する対決軸なのです。原発ゼロか原発推進かを真正面から対決軸にした時、やりたい放題に振る舞っているかに見える安倍政権を打ち砕くことができるのです。
この時、私たちは、細川氏出馬の都知事選こそがその千載一遇のチャンスであると、直感しました。そして、勝手連的な形で細川候補勝利=脱原発知事実現のために奮闘すべき時であると確信しました。この点で、良心的な人々による真剣な論議は、非常に先進的なものであり、学ばされました。
(3)原発再稼働断じて阻止! 3・11を忘れるな!
保守政治家である細川氏が、脱原発のために一身を投げ出す覚悟をしたことは、22日の記者会見で明らかであり、大いに歓迎すべきことです。いや、誤解を恐れず言えば、安楽に過ごすこともできるのに、あえて火中の栗を拾う決断をした細川氏には、素直に敬意を払ってしかるべきでしょう。
階級闘争の多様で重層的な局面では、労働者人民が保守陣営、支配階級側の亀裂に掉さして、その一方の側を支援するということがありうることは、古今東西の歴史をひもとくまでもありません。
もちろん、細川氏支援には賭けの要素もあります。背後にいる小泉やその息子の進次郎など自民党内の動きがあります。しかし、それも含めて、細川氏を勝たせることができるかどうかは、反原発を願う労働者人民の存在とその力なのです。翻って、細川氏の決断を生み出したのも、3・11福島原発事故の恐ろしさであり、反原発運動に続々と人々が立ちあがってきた新しい歴史の流れです。
理屈をこねる必要もないかとは思いますが、3・11の深刻さが階級構造をダイナミックに変動させています。そこに柔軟かつ果敢に身を置いて、状況を一変させる動きをどのようにするかは、左翼たる者、共産主義者たる者の戦略的な縦深度と政治的な熟達度を試すものです。私たちは、これまで、時にそのようなダイナミックな方針で事態を動かしたこともありましたが、狭い殻に閉じこもり、面としての政治を制圧できないことの方が多かったと言わなければなりません。そのことの検証や総括はひとまず措くとして、今次都知事選こそ、そのような大きな政治的磁場となったのです。
何よりも、安倍政権の暴走に多くの労働者人民が危機感を抱いています。安倍政権に一矢を報いることができなければ、このまま戦争と暗黒の世界に叩き落されるかもしれないという絶体絶命の危機感なのです。何としても勝ちたい――これが共通の思いではないでしょうか。
原発再稼働断じて阻止、3・11を忘れるな、すべての原発を即時廃炉にせよ――これはほんとうに切迫した課題なのです。選挙という形で、そこに向かって進むことが可能な政治空間が生み出されたことはまちがいないのです。
(4)脱原発都知事を実現しよう
細川候補は明らかに出遅れました。しかし、選挙戦の趨勢はこれから決まります。
ご存知のように、さようなら原発1000万人署名運動を率先して進めてきた諸人士を中心にして、「脱原発都知事の実現を目指す会」によって「細川勝手連」が結成されています。首都圏の反原発運動の陣形はほぼここに合流しています。
細川勝利の可能性は十分にあります。
脱原発都知事を実現することをバネとして、安倍政権によるあらゆる戦争政治、反動政治、排外主義と差別の強権政治をひっくり返す大逆転をつくり出そうではありませんか。
今、労働者人民は、勝利の結果、勝利の経験を必要としています。それが自らを勇気づけ、潜在的な力を湧き立たせるものとなります。
名護市長選挙での稲嶺進氏の大差での再選に続き、首都東京で反原発の鮮烈な勝利をともにつくりだそうではありませんか。
福島県南相馬市での脱原発市長・桜井勝延氏の勝利を受けて、それに応える首都東京での反原発の大きな勝利を実現しようではありませんか。
(5)都民・労働者人民を冒涜する革共同
最後に、革共同中央派が政治局員の鈴木達夫を立候補させていることは、ご存知のところです。彼らは、鈴木を押したてた都知事選を「現代革命の勝利を切り開く大挑戦」などと空文句を言いたて、鈴木は「首都東京のど真ん中で真っ向から路線闘争に臨む」などと世迷い言をつぶやいています。
一つには、革共同中央派は、ただただ「われわれはわれわれ自身のためにたたかっているのだ」という自分たちの自己満足のためにだけ、都知事選を利用しているにすぎないのです。
「路線闘争に臨む」とはよくぞ言ったりです。これは、労働者人民に政治選択、党派選択を求めるというのではなく、労働者人民に向かって「論争する」、つまり、革共同の路線に反対する者は敵であり、許さないぞ、という政治的恫喝なのです。
これは、革共同中央派が現実の階級闘争の第一級の課題――ここでは反原発の実現――といかにかけ離れ、福島をはじめとする労働者人民の切実な願いに徹頭徹尾対立する集団でしかないかを、これ以上ない形で示すものです。唾棄すべきものです。
ここには、革命的議会主義のかけらもありません。革命党は何のために議会選挙に打って出るのか、何のために議員となるのかが、何もないのです。狭い閉鎖空間にいる存在でしかないことを、自己暴露しているではないですか。
二つには、革共同中央派は、愚かにも、山本太郎氏全面支持で大失態を演じてしまいました。彼らは、山本氏を「100万労働者の階級のリーダー」「ここに革命の現実性がある」などと神棚に祭り上げ、まるで自分たちの「革命的議員」であるかのように錯覚し、そのあげく、山本氏の天皇への手紙事件を支持し、山本氏が二重橋で天皇に頭を下げて詫びるという事態で、スッテンコロリと転んでしまいました。
そのとんでもない大失態の責任を誰もとらないがゆえに、党内で政治局への不信がつのり、疑心暗鬼と党内亀裂がどんどん拡大しているのです。切羽詰まった彼ら政治局は、「これが革命的議会主義だ」と自己満足させるために、政治局員を出馬させたのです。つまり、党内矛盾を抑え込むという党内事情で、都知事選に出ることにしたのです。
こんなものは、革命的議会主義かどうかという次元の問題ではなく、都民とすべての労働者人民を冒涜するものでなくて何でしょうか。怒りに堪えません。
三つには、杉並区では6月29日投票の区長選挙ならびに区議補選(3議席)がありますが、革共同中央派は、区議補選に北島邦彦を出します。マンネリの落選候補とわかっていても、杉並における反原発の広範な陣形、地域住民運動の根強い存在をただただ妨害するためにだけ、区議補選に出るのです。
革共同中央派は、鈴木の選挙事務所を高円寺に開き、選挙本部の事務局長に北島を据え、街頭演説やチラシ配布をほとんど杉並でやる方針なのです。北島選挙のための鈴木選挙――これが彼らの直接の狙いです。これは、もう破廉恥以外の何ものでもありません。
現下の階級闘争の分岐点がどこにあるのかもわからず、わかろうとせず、自分らの狭い集団の中のしようもない責任のなすりつけ合いしか考えていない連中は、ほんとうにカルト集団に成り下がっているのです。
天田、辻川、田中、清水ら革共同中央派は、まるで豆腐の角に頭をぶつけて死のうとしている道化師のようです。勝手におやりなさい。
ものすごい危機感と必死の勝利への執念を燃やしてたたかう労働者人民がつくり出すダイナミックな運動は、革共同などどこ吹く風と、脱原発都知事の実現へ邁進するでしょう。その一角に、私たちもしっかりと位置し、ともに勝利をかちとろうではありませんか。
私たちとしては、細川脱原発都知事を実現する多様で大きな運動の展開と勝利を通して、次の時代のたたかいの核をしっかりと醸成する目的意識をもってたたかうということだと思います。
2014年1月23日
隅 喬史(すみ・たかし)
(1)細川候補勝利へ決断
この度の東京都知事選挙でどのような態度をとるかは、東京都に住む良心的な多くの労働者人民にとって、実に悩ましいテーマでした。
と言いますのは、先の2012年12月の都知事選で立候補した宇都宮健児氏が再び出馬すると表明したものの、宇都宮氏では自民党・公明党の推す舛添要一氏に勝てないと、ほとんどの人が感じていたからです。前回は、選挙戦術で共産党が引き回しをおこない、脱原発の公約を後景に退けるなど、不満を残した選挙戦でした。今回も、他の人たちが有力候補として検討中であるのに、宇都宮氏がいち早く出馬表明をし、共産党がただちに支持を打ち出すなど、共同候補づくりのルールや統一戦線づくりに反するやりかたがあったからです。その他、選挙戦前から不協和音が起こっていました。
宇都宮氏しかいないのか、負けるとわかっている選挙戦をやらねばならないのかというムードが広がっていました。それでも、1月上旬時点から、宇都宮氏で行こうと勝手連が動き出しました。
ところが、細川護熙氏が小泉純一郎の支援を受けて、「脱原発」を第一に掲げて立候補するという事態となり、都知事選が「脱原発か原発推進か」を争う都民投票ともいうべき選挙戦へと様相を一変させました。マスコミ報道でもご存知のような、脱原発候補の一本化の努力を軸に、さまざまな経過がありました。そして、告示前日の1月22日、細川氏の記者会見での公約発表となりました。
この間、真剣な論議の中で、1月中旬の時点から、少なからぬ人々が「細川候補に投票を集中する」という決断をして動いてきました。22日の細川会見で、その決断がまちがっていないと最終的に確信したところです。
ここに、細川候補勝利=脱原発知事実現へ、あらゆる力を集中されるよう、訴えます。
東京都在住の方はもちろん、それ以外の地域に住んでいる方も、知り合いに働きかけ、ブログなどネットを通じて、細川勝利への流れを強く、太くするために力を尽くされるよう、訴えます。
(2)安倍政権に痛打を与える千載一遇のチャンス
3・11福島原発事故の言語を絶する惨害を経験し、その衝撃の中で、福島の人々をはじめとするほとんどの労働者人民が反原発、脱原発、原発ゼロ、再稼働反対、原発輸出反対なのです。ますます拡大する福島原発事故によって、チェルノブイリ原発事故をも上回る放射能汚染が広まり、原発への恐れと怨嗟の声が強まっているのです。
にもかかわらず、安倍政権がそれを抑えつけ、逆行する路線を進めていることに対して、そのあまりの傍若無人ぶりに不信感が強まるとともに、口惜しさと無力感も漂っていました。
どのような手段をとってでも、安倍政権の原発強行路線を阻止しなければなりません。「3・11を忘れた」かのような態度をとるなどということは、とうてい許されることではありません。自公が議会で3分の2以上をとっているなどということを理由に、安倍政権の原発推進の暴挙を手をこまねいて見ているなどということはあってはなりません。
日本と世界の歴史の流れを、大きく反原発、脱原発へと推し進めることは、残酷な被害を受け、これからも犠牲を受ける私たち労働人民の切なる願いです。誰もが、できるだけ早い機会をとらえて、安倍政権に痛打を浴びせたいと欲しています。そうでなければ、原発の恐るべき脅威になおさらされ続けるのか、子や孫をもその悲惨にさらすのか、という不安におののかざるをえません。明日、大地震が起これば、日本の原発はどうなるのか。空恐ろしいことです。
この願いと恐れは、あえて言えば、どのようなテーマにも優先する、いやあらゆる諸問題をも包摂した課題なのではないでしょうか。
原発問題が帝国主義において、現代史において、ひいては人類を始め生きとし生けるものすべてにおいて、過去、現在、未来を決定づける最大級の問題であることを、3・11は衝撃的に暴き出しました。そのことに無自覚だったことを痛切に反省しました。そこから、反原発のたたかいを何にもまして押し上げなければならないはずです。
何よりも、原発問題は国論を二分する対決軸なのです。原発ゼロか原発推進かを真正面から対決軸にした時、やりたい放題に振る舞っているかに見える安倍政権を打ち砕くことができるのです。
この時、私たちは、細川氏出馬の都知事選こそがその千載一遇のチャンスであると、直感しました。そして、勝手連的な形で細川候補勝利=脱原発知事実現のために奮闘すべき時であると確信しました。この点で、良心的な人々による真剣な論議は、非常に先進的なものであり、学ばされました。
(3)原発再稼働断じて阻止! 3・11を忘れるな!
保守政治家である細川氏が、脱原発のために一身を投げ出す覚悟をしたことは、22日の記者会見で明らかであり、大いに歓迎すべきことです。いや、誤解を恐れず言えば、安楽に過ごすこともできるのに、あえて火中の栗を拾う決断をした細川氏には、素直に敬意を払ってしかるべきでしょう。
階級闘争の多様で重層的な局面では、労働者人民が保守陣営、支配階級側の亀裂に掉さして、その一方の側を支援するということがありうることは、古今東西の歴史をひもとくまでもありません。
もちろん、細川氏支援には賭けの要素もあります。背後にいる小泉やその息子の進次郎など自民党内の動きがあります。しかし、それも含めて、細川氏を勝たせることができるかどうかは、反原発を願う労働者人民の存在とその力なのです。翻って、細川氏の決断を生み出したのも、3・11福島原発事故の恐ろしさであり、反原発運動に続々と人々が立ちあがってきた新しい歴史の流れです。
理屈をこねる必要もないかとは思いますが、3・11の深刻さが階級構造をダイナミックに変動させています。そこに柔軟かつ果敢に身を置いて、状況を一変させる動きをどのようにするかは、左翼たる者、共産主義者たる者の戦略的な縦深度と政治的な熟達度を試すものです。私たちは、これまで、時にそのようなダイナミックな方針で事態を動かしたこともありましたが、狭い殻に閉じこもり、面としての政治を制圧できないことの方が多かったと言わなければなりません。そのことの検証や総括はひとまず措くとして、今次都知事選こそ、そのような大きな政治的磁場となったのです。
何よりも、安倍政権の暴走に多くの労働者人民が危機感を抱いています。安倍政権に一矢を報いることができなければ、このまま戦争と暗黒の世界に叩き落されるかもしれないという絶体絶命の危機感なのです。何としても勝ちたい――これが共通の思いではないでしょうか。
原発再稼働断じて阻止、3・11を忘れるな、すべての原発を即時廃炉にせよ――これはほんとうに切迫した課題なのです。選挙という形で、そこに向かって進むことが可能な政治空間が生み出されたことはまちがいないのです。
(4)脱原発都知事を実現しよう
細川候補は明らかに出遅れました。しかし、選挙戦の趨勢はこれから決まります。
ご存知のように、さようなら原発1000万人署名運動を率先して進めてきた諸人士を中心にして、「脱原発都知事の実現を目指す会」によって「細川勝手連」が結成されています。首都圏の反原発運動の陣形はほぼここに合流しています。
細川勝利の可能性は十分にあります。
脱原発都知事を実現することをバネとして、安倍政権によるあらゆる戦争政治、反動政治、排外主義と差別の強権政治をひっくり返す大逆転をつくり出そうではありませんか。
今、労働者人民は、勝利の結果、勝利の経験を必要としています。それが自らを勇気づけ、潜在的な力を湧き立たせるものとなります。
名護市長選挙での稲嶺進氏の大差での再選に続き、首都東京で反原発の鮮烈な勝利をともにつくりだそうではありませんか。
福島県南相馬市での脱原発市長・桜井勝延氏の勝利を受けて、それに応える首都東京での反原発の大きな勝利を実現しようではありませんか。
(5)都民・労働者人民を冒涜する革共同
最後に、革共同中央派が政治局員の鈴木達夫を立候補させていることは、ご存知のところです。彼らは、鈴木を押したてた都知事選を「現代革命の勝利を切り開く大挑戦」などと空文句を言いたて、鈴木は「首都東京のど真ん中で真っ向から路線闘争に臨む」などと世迷い言をつぶやいています。
一つには、革共同中央派は、ただただ「われわれはわれわれ自身のためにたたかっているのだ」という自分たちの自己満足のためにだけ、都知事選を利用しているにすぎないのです。
「路線闘争に臨む」とはよくぞ言ったりです。これは、労働者人民に政治選択、党派選択を求めるというのではなく、労働者人民に向かって「論争する」、つまり、革共同の路線に反対する者は敵であり、許さないぞ、という政治的恫喝なのです。
これは、革共同中央派が現実の階級闘争の第一級の課題――ここでは反原発の実現――といかにかけ離れ、福島をはじめとする労働者人民の切実な願いに徹頭徹尾対立する集団でしかないかを、これ以上ない形で示すものです。唾棄すべきものです。
ここには、革命的議会主義のかけらもありません。革命党は何のために議会選挙に打って出るのか、何のために議員となるのかが、何もないのです。狭い閉鎖空間にいる存在でしかないことを、自己暴露しているではないですか。
二つには、革共同中央派は、愚かにも、山本太郎氏全面支持で大失態を演じてしまいました。彼らは、山本氏を「100万労働者の階級のリーダー」「ここに革命の現実性がある」などと神棚に祭り上げ、まるで自分たちの「革命的議員」であるかのように錯覚し、そのあげく、山本氏の天皇への手紙事件を支持し、山本氏が二重橋で天皇に頭を下げて詫びるという事態で、スッテンコロリと転んでしまいました。
そのとんでもない大失態の責任を誰もとらないがゆえに、党内で政治局への不信がつのり、疑心暗鬼と党内亀裂がどんどん拡大しているのです。切羽詰まった彼ら政治局は、「これが革命的議会主義だ」と自己満足させるために、政治局員を出馬させたのです。つまり、党内矛盾を抑え込むという党内事情で、都知事選に出ることにしたのです。
こんなものは、革命的議会主義かどうかという次元の問題ではなく、都民とすべての労働者人民を冒涜するものでなくて何でしょうか。怒りに堪えません。
三つには、杉並区では6月29日投票の区長選挙ならびに区議補選(3議席)がありますが、革共同中央派は、区議補選に北島邦彦を出します。マンネリの落選候補とわかっていても、杉並における反原発の広範な陣形、地域住民運動の根強い存在をただただ妨害するためにだけ、区議補選に出るのです。
革共同中央派は、鈴木の選挙事務所を高円寺に開き、選挙本部の事務局長に北島を据え、街頭演説やチラシ配布をほとんど杉並でやる方針なのです。北島選挙のための鈴木選挙――これが彼らの直接の狙いです。これは、もう破廉恥以外の何ものでもありません。
現下の階級闘争の分岐点がどこにあるのかもわからず、わかろうとせず、自分らの狭い集団の中のしようもない責任のなすりつけ合いしか考えていない連中は、ほんとうにカルト集団に成り下がっているのです。
天田、辻川、田中、清水ら革共同中央派は、まるで豆腐の角に頭をぶつけて死のうとしている道化師のようです。勝手におやりなさい。
ものすごい危機感と必死の勝利への執念を燃やしてたたかう労働者人民がつくり出すダイナミックな運動は、革共同などどこ吹く風と、脱原発都知事の実現へ邁進するでしょう。その一角に、私たちもしっかりと位置し、ともに勝利をかちとろうではありませんか。
私たちとしては、細川脱原発都知事を実現する多様で大きな運動の展開と勝利を通して、次の時代のたたかいの核をしっかりと醸成する目的意識をもってたたかうということだと思います。
2014年1月23日
隅 喬史(すみ・たかし)
もう昔の話になってしまったが、
細川敗北をどう総括したのか、ぜひお聞かせいただきたい。