この話前に書いたかもしれない。
3月頃知り合って(お客様として)、買い物があってもなくてもお寄りくださる方、
「おー、生きてるか~~~」と売場に入ってきます。
初めてお会いしたのは、自分が購入した絵画の中に「スターチス」の花が
描かれている。このスターチスと同じ紫色のスターチスを探しているのだが
どこにも無い。ま、そのスターチスの紫と薄紫を取り寄せ、お選びいただいた
のですが、その対応にお喜びいただけたようです。
一見事業に大成功された方か飲食店(割烹のような)の親方か凄くコワイ人
のどれかに絞って考えていましたが、どれも外れでした。
ファッションは殆どブランドものでバッグも夜若い娘がいる店に遊びに行く様な
出で立ちで、ブローチやアクセサリーにも関心があり、必ずソニアさんの
アクセサリーのケースを覗き、説明を聞いています。
会うごとに私への質問も増えてきて、私と同い年と言うことがわかりました。
中学は高中。高校は市高。ここまでは分かりました。
そして先日、「俺が何の仕事やってたかゆったっけか~?」と入ってきました。
「俺はね40年ばか汚ねえもんばっかみてきただよ、毎日毎日玉葱の腐ったような臭いの
中にいただよ、あんたっちみたいに毎日毎日綺麗な物に囲まれて、綺麗なお姉さんに囲まれて
いる人たちが羨ましくてね、せめて人生の最後は綺麗なものに囲まれたいと
絵を買ってきたり花を買ってきたり、着るものや車でおしゃれを楽しんだりしているだよ。」
とのことでした。仕事は準公務員のようなM 重工関連会社でした。退職金やら何やらに
恵まれ、悠々自適のようです。
その方が店内のカラスウリを見つけ、「あ、カラスウリじゃん、オラん方じゃ体育で
走る時、この実をとってきて割って汁をふくらはぎに塗っただよ。」
「塗るとどうなるの?」
「え、知らねえ?
塗るとスースーするじゃん、今のスプレーだよ。知らねえ?
みんなやってるだと思ったっけや。みんなこれ塗ると足ン早くなると思ってただよ。」
「オラ城中じゃん、街の子じゃん、高中たあ違うだよ、カラスウリなんか
どこにもありもしん。」
言葉はすっかり相手のペースでした。山歩きの人たちはご存知かな?
江戸時代の旅人も塗ったんだろうな、スースーするって。