前回までのルート:
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 (新潟→直江津→)新潟→秋田
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/7a/fdf0e7bf196316c4c1784d8ec1219fd3.jpg)
普通列車の大館行きで秋田を出発します。
[奥羽本線 1685M 秋田18:37→大館20:20]
《秋田 18:37発》
18時37分発の列車は701系の3両編成。帰宅時間帯と言うことも有り、秋田では満員状態で発車しました。
前回にも書いたとおり、青森まで3時間半も701系に揺られるのは少々酷です。大館まででも約2時間はかかります。帰宅客で込み合うこの列車からは一刻も早く降りたいところです。
というわけで、途中で降ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/9d/9862760a24e91171aba741f0dfe46bae.jpg)
《鷹ノ巣 20:02着》
選んだ下車駅は鷹ノ巣。秋田から86.2km、青森から99.6kmと、ほぼ中間地点にある駅です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/b4/fac508583bc03047844052823bbc5df7.jpg)
この駅では「あけぼの」とすれ違います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/75/97f71dbdcb4bdbe4205506f018ebc2ea.jpg)
カニ24のテールマーク。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/b1/e69ceddb77548bafcf18562680e7f0a3.jpg)
今や数少ない定期夜行列車となった「あけぼの」ですが、これを撮るために降りたわけではありません。
その理由はあとで語るとして、鷹ノ巣駅を見ていくことにしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ea/8d0b33d6ddcc5119aaf5afa8446b6b0e.jpg)
鷹ノ巣駅からは秋田内陸縦貫鉄道が延びています。鷹ノ巣から角館まで94.2kmを文字通り縦断しています。元は国鉄の阿仁合線(鷹巣~比立内)・角館線(松葉~角館)を引き継いだ上で比立内~松葉を開業させ、1989年に現在の姿になりました。しかし、人口希薄地帯を走るため、現在に至るまで厳しい経営が続いています。
20時4分発のこの列車は、比立内行きの最終列車。あとは20時50分発の最終阿仁合行きを残すのみです。
ちなみに、秋田内陸ry)の駅名は「鷹巣」(JRは「鷹ノ巣」)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/41/1488026603e373f944a34172183eeac4.jpg)
鷹ノ巣は和太鼓の産地。駅には和太鼓が2台置かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/13/0a8aaf750b821d178b71840212782a72.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/2d/0b1046779b7aa6612d91433d003b2843.jpg)
直前の大雨で花輪線が運休になったお知らせと、その注意書き。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/73/d3081f1f88057bc1d5d1f679aa2aaada.jpg)
鷹ノ巣駅の開業は1900年。阿仁合線は1934年に開業しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/33/8779d65f089123e03187501db6704d7b.jpg)
こちらが鷹ノ巣駅舎。平屋ののっぺりとした駅舎です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/d0/3e40abdadadb5469c706cc9b169b579c.jpg)
駅前は20時にもかかわらず闇の中。
待合室でしばらく過ごした後、改札内に入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/6e/a3157e2e48d0d14d2378a3118883e0cb.jpg)
鷹ノ巣~阿仁合の観光MAP。市町村合併で全て北秋田市となりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/25/7afb85252ce2e5592743ec1b6fc89da2.jpg)
秋田内陸縦貫鉄道の『鷹巣』駅はログハウス風。次の列車もワンマンのため、駅舎はもう閉鎖されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/ab/4b300b9049e54fd9ec213b27ba53cf65.jpg)
内陸線ホーム脇にある内陸線のポスター。最近は社長を公募し、観光鉄道として再起を図っています。北秋田を走る鉄道に、未来があらんことを……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/ef/b683b7deb27041c8e56ac99dd0fa9790.jpg)
跨線橋をわたり、青森方面のホームへ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/cf/0260611c22f1479c81375d6d09895744.jpg)
次に乗る列車は20時38分発の「つがる7号」。かつての「いなほ7号」、さらにさかのぼれば「白鳥」のダイヤを受け継ぐ列車です。「つがる」は八戸~弘前を結ぶ特急の名前でしたが、東北新幹線新青森開業でそれまでの「かもしか」(秋田~青森3往復)「いなほ」(新潟~青森1往復)が「つがる」(秋田~青森4往復)に変更されました。この時に青森発着の「いなほ」は秋田どまりに変更されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/68/b15fd31958e4c84c6ac3221a82bc65a7.jpg)
青森まで行く列車はこれが最終なのですが、ホームには私一人しかいません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/dd/2ac0f3ebfd81eada46a99f5fb4681905.jpg)
20時38分、「つがる7号」が到着しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/4f/6c17bfa4cf6fbaadd7bd7eeb1b37dc10.jpg)
車両はE751系。E653系を交流専用・耐寒仕様にしたような車両です。「かもしか」「いなほ」は485系だったため、車両面でも一新されました。
[奥羽本線 2047M 特急 つがる7号 秋田19:24→青森22:08]
《鷹ノ巣 20:38発》
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/72/84bebaed852eecd307fc7384e08b9d1a.jpg)
自由席に腰掛けます。途中駅からの乗降でも十分に席を選ぶ余裕はありました。
鷹ノ巣で降りた理由は、実はこの「つがる」にありました。
ロングシート地獄701系だけの旅が嫌だった静サツは、当初「つがる7号」に全区間乗るつもりでした。が、秋田~青森の自由席特急料金は、『101km以上200km以下』が適用されて1680円もします。
しかし、鷹ノ巣から青森は99.5kmと、ギリギリで『51km以上100km以下』が適用されるため、自由席特急券は900円と約半額になります。「いなほ」の指定席(新潟→秋田で2400円)で大分お金を使っていたので、ここで節約を図ることにしたのです。
「あれ? それなら全区間普通列車にのればさらに浮くでしょ?」と思ったあなた。実は、ここにもう一つの数字のからくりがあります――『乗継割引』です。
乗継割引というと、新幹線と特急の乗継がよく知られていますが、在来線同士でも割引になる区間があります。その一つが、『奥羽本線方面の特急と津軽海峡線方面の特急・急行を乗りつぐ場合』です。正確には、新青森より秋田側の駅と(津軽新城以遠)、青森より函館側の駅(油川以遠)の列車を新青森・青森で乗り継ぐ場合に割引が適用されます。割引となるのは、青森以北に向かう列車の料金です。
青森からは、「はまなす」の自由席で変える予定を立てていました。青森~札幌の急行料金は『201km以上』なので1260円。しかし、鷹ノ巣から「つがる」を使い青森で乗り継ぐと、「はまなす」の料金は半額で630円。特急料金を足しても1530円ですから、事実上たった270円(=1530-1260)で「つがる」に乗ることができるのです。鷹ノ巣から青森までは鈍行で約2時間、特急でも1時間20分はかかります。270円で2時間のロングシートから開放されるなら安いものです。経済性と快適さの真ん中を追い求めた結果でした。
なんでそこまで701系を避けるかって? 去年の8月と1月にさんざん701系に乗って嫌だったからだよ!!(1月の701系の話は『年末帰省2012』シリーズを見てね!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ee/5c9e131bfe139c8dcb7799c9415842b5.jpg)
《青森 22:08着》
そんなこんなで、青森駅に到着。1月のように遅延が出ることもありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/19/29ecf7697f33125c7c652b4e36ba1e63.jpg)
「はまなす」の入線前に着いたようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/ff/1c4f1a5647819df0c235235ea9f442a9.jpg)
22時19分。3番線に「はまなす」が入線しました……が、夏休みの増車体制で、今回も機関車がホームギリギリのところに停車することに……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/a2/550a2bfa5faa7bdd2f1f3d48db296123.jpg)
「はまなす」名物・「増21号車」。詳しくは『年末帰省2012』の第10回(こちらからジャンプします)を参照。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/78/c62de964bb0b97f7a397159d656f8242.jpg)
いよいよ青函トンネルの工事が本格化してきましたが、「はまなす」については何もアナウンスがありません。新函館開業後はどうなってしまうのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/b0/83014959428579014430f284e85eca2e.jpg)
「北陸」なき今、「はまなす」は14系客車を使う最後の列車となってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/bd/383fcd914c4caaaa6712ba296fa12920.jpg)
先頭のED79もトンネル開業時(1989年)から数えて24年。新型機のEH500に置き換えられ運用を減らしているED79も、これからどうなるかはわかりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/f2/7c4b1d35fd88fc4266afbdf56200e22a.jpg)
本日の本務機(担当機関車のこと)はED79 9。ED75 779から改造された車両です。昭和50年製とのことなので、実に38年もの間走り続けていることになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/2b/66bb3bf6219e12fd034928d9729507cd.jpg)
座席の確保は、ドアの開いてすぐに終えてあります。
自由席の4席を占拠して、前側の座席を回転させれば、安眠スペースの出来上がり。席の数を減らす高位なので推奨されない行為ではありますが、この日の乗車率程度では占拠しても誰も文句は言いません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/54/35924348e8fbf5fafd7f42eeefa06f44.jpg)
新潟から札幌までに使った切符類を傍らに、静サツは疲れた体を椅子に横たえ、そのまま眠りに入ったのでした。
切符は左から、えちごツーデーパス(乗車券:新潟~府屋)、府屋→札幌(学割乗車券)、「いなほ7号」(新潟→秋田)の指定席特急券、鷹ノ巣→青森の自由席特急券、青森→札幌の自由席急行券(乗継割引)となっております。
――2013年8月27日(火)――
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/58/c6629c53d234f5dc0c6c4f31d81b6c8d.jpg)
こうして、8月27日朝6時7分。静サツは札幌の地に帰りついたのでした。
帰省記はここで終わりです。当初は全後半合わせて20回前後かなと思って書き始めていたのですが、ふたを開けてみれば前半19回、後半13回、計32回にわたる長大編になり、書いていた静サツも驚いております。当シリーズにお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
この後は、いつもの通り、まとめ+おまけページを作成する予定です。
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 (新潟→直江津→)新潟→秋田
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/7a/fdf0e7bf196316c4c1784d8ec1219fd3.jpg)
普通列車の大館行きで秋田を出発します。
[奥羽本線 1685M 秋田18:37→大館20:20]
《秋田 18:37発》
18時37分発の列車は701系の3両編成。帰宅時間帯と言うことも有り、秋田では満員状態で発車しました。
前回にも書いたとおり、青森まで3時間半も701系に揺られるのは少々酷です。大館まででも約2時間はかかります。帰宅客で込み合うこの列車からは一刻も早く降りたいところです。
というわけで、途中で降ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/9d/9862760a24e91171aba741f0dfe46bae.jpg)
《鷹ノ巣 20:02着》
選んだ下車駅は鷹ノ巣。秋田から86.2km、青森から99.6kmと、ほぼ中間地点にある駅です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/b4/fac508583bc03047844052823bbc5df7.jpg)
この駅では「あけぼの」とすれ違います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/75/97f71dbdcb4bdbe4205506f018ebc2ea.jpg)
カニ24のテールマーク。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/b1/e69ceddb77548bafcf18562680e7f0a3.jpg)
今や数少ない定期夜行列車となった「あけぼの」ですが、これを撮るために降りたわけではありません。
その理由はあとで語るとして、鷹ノ巣駅を見ていくことにしましょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/ea/8d0b33d6ddcc5119aaf5afa8446b6b0e.jpg)
鷹ノ巣駅からは秋田内陸縦貫鉄道が延びています。鷹ノ巣から角館まで94.2kmを文字通り縦断しています。元は国鉄の阿仁合線(鷹巣~比立内)・角館線(松葉~角館)を引き継いだ上で比立内~松葉を開業させ、1989年に現在の姿になりました。しかし、人口希薄地帯を走るため、現在に至るまで厳しい経営が続いています。
20時4分発のこの列車は、比立内行きの最終列車。あとは20時50分発の最終阿仁合行きを残すのみです。
ちなみに、秋田内陸ry)の駅名は「鷹巣」(JRは「鷹ノ巣」)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/41/1488026603e373f944a34172183eeac4.jpg)
鷹ノ巣は和太鼓の産地。駅には和太鼓が2台置かれています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/13/0a8aaf750b821d178b71840212782a72.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/2d/0b1046779b7aa6612d91433d003b2843.jpg)
直前の大雨で花輪線が運休になったお知らせと、その注意書き。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/73/d3081f1f88057bc1d5d1f679aa2aaada.jpg)
鷹ノ巣駅の開業は1900年。阿仁合線は1934年に開業しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/33/8779d65f089123e03187501db6704d7b.jpg)
こちらが鷹ノ巣駅舎。平屋ののっぺりとした駅舎です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/22/d0/3e40abdadadb5469c706cc9b169b579c.jpg)
駅前は20時にもかかわらず闇の中。
待合室でしばらく過ごした後、改札内に入ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/6e/a3157e2e48d0d14d2378a3118883e0cb.jpg)
鷹ノ巣~阿仁合の観光MAP。市町村合併で全て北秋田市となりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/25/7afb85252ce2e5592743ec1b6fc89da2.jpg)
秋田内陸縦貫鉄道の『鷹巣』駅はログハウス風。次の列車もワンマンのため、駅舎はもう閉鎖されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/ab/4b300b9049e54fd9ec213b27ba53cf65.jpg)
内陸線ホーム脇にある内陸線のポスター。最近は社長を公募し、観光鉄道として再起を図っています。北秋田を走る鉄道に、未来があらんことを……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/ef/b683b7deb27041c8e56ac99dd0fa9790.jpg)
跨線橋をわたり、青森方面のホームへ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/cf/0260611c22f1479c81375d6d09895744.jpg)
次に乗る列車は20時38分発の「つがる7号」。かつての「いなほ7号」、さらにさかのぼれば「白鳥」のダイヤを受け継ぐ列車です。「つがる」は八戸~弘前を結ぶ特急の名前でしたが、東北新幹線新青森開業でそれまでの「かもしか」(秋田~青森3往復)「いなほ」(新潟~青森1往復)が「つがる」(秋田~青森4往復)に変更されました。この時に青森発着の「いなほ」は秋田どまりに変更されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/68/b15fd31958e4c84c6ac3221a82bc65a7.jpg)
青森まで行く列車はこれが最終なのですが、ホームには私一人しかいません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/dd/2ac0f3ebfd81eada46a99f5fb4681905.jpg)
20時38分、「つがる7号」が到着しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/4f/6c17bfa4cf6fbaadd7bd7eeb1b37dc10.jpg)
車両はE751系。E653系を交流専用・耐寒仕様にしたような車両です。「かもしか」「いなほ」は485系だったため、車両面でも一新されました。
[奥羽本線 2047M 特急 つがる7号 秋田19:24→青森22:08]
《鷹ノ巣 20:38発》
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/72/84bebaed852eecd307fc7384e08b9d1a.jpg)
自由席に腰掛けます。途中駅からの乗降でも十分に席を選ぶ余裕はありました。
鷹ノ巣で降りた理由は、実はこの「つがる」にありました。
しかし、鷹ノ巣から青森は99.5kmと、ギリギリで『51km以上100km以下』が適用されるため、自由席特急券は900円と約半額になります。「いなほ」の指定席(新潟→秋田で2400円)で大分お金を使っていたので、ここで節約を図ることにしたのです。
「あれ? それなら全区間普通列車にのればさらに浮くでしょ?」と思ったあなた。実は、ここにもう一つの数字のからくりがあります――『乗継割引』です。
乗継割引というと、新幹線と特急の乗継がよく知られていますが、在来線同士でも割引になる区間があります。その一つが、『奥羽本線方面の特急と津軽海峡線方面の特急・急行を乗りつぐ場合』です。正確には、新青森より秋田側の駅と(津軽新城以遠)、青森より函館側の駅(油川以遠)の列車を新青森・青森で乗り継ぐ場合に割引が適用されます。割引となるのは、青森以北に向かう列車の料金です。
青森からは、「はまなす」の自由席で変える予定を立てていました。青森~札幌の急行料金は『201km以上』なので1260円。しかし、鷹ノ巣から「つがる」を使い青森で乗り継ぐと、「はまなす」の料金は半額で630円。特急料金を足しても1530円ですから、事実上たった270円(=1530-1260)で「つがる」に乗ることができるのです。鷹ノ巣から青森までは鈍行で約2時間、特急でも1時間20分はかかります。270円で2時間のロングシートから開放されるなら安いものです。経済性と快適さの真ん中を追い求めた結果でした。
なんでそこまで701系を避けるかって? 去年の8月と1月にさんざん701系に乗って嫌だったからだよ!!(1月の701系の話は『年末帰省2012』シリーズを見てね!)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/ee/5c9e131bfe139c8dcb7799c9415842b5.jpg)
《青森 22:08着》
そんなこんなで、青森駅に到着。1月のように遅延が出ることもありませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/19/29ecf7697f33125c7c652b4e36ba1e63.jpg)
「はまなす」の入線前に着いたようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/ff/1c4f1a5647819df0c235235ea9f442a9.jpg)
22時19分。3番線に「はまなす」が入線しました……が、夏休みの増車体制で、今回も機関車がホームギリギリのところに停車することに……
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/a2/550a2bfa5faa7bdd2f1f3d48db296123.jpg)
「はまなす」名物・「増21号車」。詳しくは『年末帰省2012』の第10回(こちらからジャンプします)を参照。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/78/c62de964bb0b97f7a397159d656f8242.jpg)
いよいよ青函トンネルの工事が本格化してきましたが、「はまなす」については何もアナウンスがありません。新函館開業後はどうなってしまうのでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/b0/83014959428579014430f284e85eca2e.jpg)
「北陸」なき今、「はまなす」は14系客車を使う最後の列車となってしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/bd/383fcd914c4caaaa6712ba296fa12920.jpg)
先頭のED79もトンネル開業時(1989年)から数えて24年。新型機のEH500に置き換えられ運用を減らしているED79も、これからどうなるかはわかりません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/f2/7c4b1d35fd88fc4266afbdf56200e22a.jpg)
本日の本務機(担当機関車のこと)はED79 9。ED75 779から改造された車両です。昭和50年製とのことなので、実に38年もの間走り続けていることになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/2b/66bb3bf6219e12fd034928d9729507cd.jpg)
座席の確保は、ドアの開いてすぐに終えてあります。
自由席の4席を占拠して、前側の座席を回転させれば、安眠スペースの出来上がり。席の数を減らす高位なので推奨されない行為ではありますが、この日の乗車率程度では占拠しても誰も文句は言いません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/54/35924348e8fbf5fafd7f42eeefa06f44.jpg)
新潟から札幌までに使った切符類を傍らに、静サツは疲れた体を椅子に横たえ、そのまま眠りに入ったのでした。
切符は左から、えちごツーデーパス(乗車券:新潟~府屋)、府屋→札幌(学割乗車券)、「いなほ7号」(新潟→秋田)の指定席特急券、鷹ノ巣→青森の自由席特急券、青森→札幌の自由席急行券(乗継割引)となっております。
――2013年8月27日(火)――
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/58/c6629c53d234f5dc0c6c4f31d81b6c8d.jpg)
こうして、8月27日朝6時7分。静サツは札幌の地に帰りついたのでした。
帰省記はここで終わりです。当初は全後半合わせて20回前後かなと思って書き始めていたのですが、ふたを開けてみれば前半19回、後半13回、計32回にわたる長大編になり、書いていた静サツも驚いております。当シリーズにお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
この後は、いつもの通り、まとめ+おまけページを作成する予定です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます