Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

2013夏帰省 後半‐13 最後の最後で ~Better choice to save extra charge.

2013年10月21日 | 鉄道 ‐ 旅行(2013年)
前回までのルート:
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 (新潟→直江津→)新潟→秋田



 普通列車の大館行きで秋田を出発します。

[奥羽本線 1685M 秋田18:37→大館20:20]
《秋田 18:37発》

 18時37分発の列車は701系の3両編成。帰宅時間帯と言うことも有り、秋田では満員状態で発車しました。
 前回にも書いたとおり、青森まで3時間半も701系に揺られるのは少々酷です。大館まででも約2時間はかかります。帰宅客で込み合うこの列車からは一刻も早く降りたいところです。

 というわけで、途中で降ります。



《鷹ノ巣 20:02着》

 選んだ下車駅は鷹ノ巣。秋田から86.2km、青森から99.6kmと、ほぼ中間地点にある駅です。



 この駅では「あけぼの」とすれ違います。



 カニ24のテールマーク。



 今や数少ない定期夜行列車となった「あけぼの」ですが、これを撮るために降りたわけではありません。

 その理由はあとで語るとして、鷹ノ巣駅を見ていくことにしましょう。



 鷹ノ巣駅からは秋田内陸縦貫鉄道が延びています。鷹ノ巣から角館まで94.2kmを文字通り縦断しています。元は国鉄の阿仁合線(鷹巣~比立内)・角館線(松葉~角館)を引き継いだ上で比立内~松葉を開業させ、1989年に現在の姿になりました。しかし、人口希薄地帯を走るため、現在に至るまで厳しい経営が続いています。
 20時4分発のこの列車は、比立内行きの最終列車。あとは20時50分発の最終阿仁合行きを残すのみです。
 ちなみに、秋田内陸ry)の駅名は「鷹巣」(JRは「鷹ノ巣」)です。



 鷹ノ巣は和太鼓の産地。駅には和太鼓が2台置かれています。





 直前の大雨で花輪線が運休になったお知らせと、その注意書き。



 鷹ノ巣駅の開業は1900年。阿仁合線は1934年に開業しています。



 こちらが鷹ノ巣駅舎。平屋ののっぺりとした駅舎です。



 駅前は20時にもかかわらず闇の中。

 待合室でしばらく過ごした後、改札内に入ります。



 鷹ノ巣~阿仁合の観光MAP。市町村合併で全て北秋田市となりました。



 秋田内陸縦貫鉄道の『鷹巣』駅はログハウス風。次の列車もワンマンのため、駅舎はもう閉鎖されています。



 内陸線ホーム脇にある内陸線のポスター。最近は社長を公募し、観光鉄道として再起を図っています。北秋田を走る鉄道に、未来があらんことを……



 跨線橋をわたり、青森方面のホームへ。



 次に乗る列車は20時38分発の「つがる7号」。かつての「いなほ7号」、さらにさかのぼれば「白鳥」のダイヤを受け継ぐ列車です。「つがる」は八戸~弘前を結ぶ特急の名前でしたが、東北新幹線新青森開業でそれまでの「かもしか」(秋田~青森3往復)「いなほ」(新潟~青森1往復)が「つがる」(秋田~青森4往復)に変更されました。この時に青森発着の「いなほ」は秋田どまりに変更されています。



 青森まで行く列車はこれが最終なのですが、ホームには私一人しかいません。



 20時38分、「つがる7号」が到着しました。



 車両はE751系。E653系を交流専用・耐寒仕様にしたような車両です。「かもしか」「いなほ」は485系だったため、車両面でも一新されました。

[奥羽本線 2047M 特急 つがる7号 秋田19:24→青森22:08]

《鷹ノ巣 20:38発》



 自由席に腰掛けます。途中駅からの乗降でも十分に席を選ぶ余裕はありました。

 鷹ノ巣で降りた理由は、実はこの「つがる」にありました。
 ロングシート地獄701系だけの旅が嫌だった静サツは、当初「つがる7号」に全区間乗るつもりでした。が、秋田~青森の自由席特急料金は、『101km以上200km以下』が適用されて1680円もします。
 しかし、鷹ノ巣から青森は99.5kmと、ギリギリで『51km以上100km以下』が適用されるため、自由席特急券は900円と約半額になります。「いなほ」の指定席(新潟→秋田で2400円)で大分お金を使っていたので、ここで節約を図ることにしたのです。
 「あれ? それなら全区間普通列車にのればさらに浮くでしょ?」と思ったあなた。実は、ここにもう一つの数字のからくりがあります――『乗継割引』です。
 乗継割引というと、新幹線と特急の乗継がよく知られていますが、在来線同士でも割引になる区間があります。その一つが、『奥羽本線方面の特急と津軽海峡線方面の特急・急行を乗りつぐ場合』です。正確には、新青森より秋田側の駅と(津軽新城以遠)、青森より函館側の駅(油川以遠)の列車を新青森・青森で乗り継ぐ場合に割引が適用されます。割引となるのは、青森以北に向かう列車の料金です。
 青森からは、「はまなす」の自由席で変える予定を立てていました。青森~札幌の急行料金は『201km以上』なので1260円。しかし、鷹ノ巣から「つがる」を使い青森で乗り継ぐと、「はまなす」の料金は半額で630円。特急料金を足しても1530円ですから、事実上たった270円(=1530-1260)で「つがる」に乗ることができるのです。鷹ノ巣から青森までは鈍行で約2時間、特急でも1時間20分はかかります。270円で2時間のロングシートから開放されるなら安いものです。経済性と快適さの真ん中を追い求めた結果でした。
 なんでそこまで701系を避けるかって? 去年の8月と1月にさんざん701系に乗って嫌だったからだよ!!(1月の701系の話は『年末帰省2012』シリーズを見てね!)



《青森 22:08着》

 そんなこんなで、青森駅に到着。1月のように遅延が出ることもありませんでした。



 「はまなす」の入線前に着いたようです。



 22時19分。3番線に「はまなす」が入線しました……が、夏休みの増車体制で、今回も機関車がホームギリギリのところに停車することに……



 「はまなす」名物・「増21号車」。詳しくは『年末帰省2012』の第10回(こちらからジャンプします)を参照。



 いよいよ青函トンネルの工事が本格化してきましたが、「はまなす」については何もアナウンスがありません。新函館開業後はどうなってしまうのでしょうか。



 「北陸」なき今、「はまなす」は14系客車を使う最後の列車となってしまいました。



 先頭のED79もトンネル開業時(1989年)から数えて24年。新型機のEH500に置き換えられ運用を減らしているED79も、これからどうなるかはわかりません。



 本日の本務機(担当機関車のこと)はED79 9。ED75 779から改造された車両です。昭和50年製とのことなので、実に38年もの間走り続けていることになります。



 座席の確保は、ドアの開いてすぐに終えてあります。
 自由席の4席を占拠して、前側の座席を回転させれば、安眠スペースの出来上がり。席の数を減らす高位なので推奨されない行為ではありますが、この日の乗車率程度では占拠しても誰も文句は言いません。



 新潟から札幌までに使った切符類を傍らに、静サツは疲れた体を椅子に横たえ、そのまま眠りに入ったのでした。
 切符は左から、えちごツーデーパス(乗車券:新潟~府屋)、府屋→札幌(学割乗車券)、「いなほ7号」(新潟→秋田)の指定席特急券、鷹ノ巣→青森の自由席特急券、青森→札幌の自由席急行券(乗継割引)となっております。



――2013年8月27日(火)――
 


 こうして、8月27日朝6時7分。静サツは札幌の地に帰りついたのでした。


 帰省記はここで終わりです。当初は全後半合わせて20回前後かなと思って書き始めていたのですが、ふたを開けてみれば前半19回、後半13回、計32回にわたる長大編になり、書いていた静サツも驚いております。当シリーズにお付き合いくださり、本当にありがとうございました。
 この後は、いつもの通り、まとめ+おまけページを作成する予定です。


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