Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

2013夏帰省 後半-10 485系に乗って その2 くびき野3号 ~Comparing fastness and fare.

2013年10月18日 | 鉄道 ‐ 旅行(2013年)
前回までのルート:
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 新潟→直江津



 今回は、「北越2号」(T12編成)で直江津に着いたところから始まります。



 信越本線と北陸本線が交わる直江津駅は、上越市の玄関口ともいえる駅です。特急は夜行となる「トワイライトエクスプレス」も含めて全て停車します。2つ隣の犀潟から分岐する北越急行の普通列車も、ほとんどが直江津まで乗り入れます。



 特急は信越本線(新潟方面)からそのまま北陸本線(金沢方面)へと直通しますが、普通列車は基本的に系統が分かれています。そのため、3面6線のホームにはいろいろな車両がやってきます。



 まずは信越本線の115系リニューアル編成。長野方面・新潟方面の両方に使われますが、長野方面は長野車両センターの115系(長野色)が主に使われ、新潟の115系は県境手前の二本木までとなっています。また、長野の115系の一部は直江津をスルーして柿崎まで乗り入れます。同じ会社と言うこともあって、直江津を通り抜ける列車も存在します。



 続いてはこの、見るだけで血が引いてしまうほど真っ青な475系。413系とともに、北陸本線で使われています。元急行型のこの車両、JRになってからは白地に青帯の北陸色をまとっていたはずですが、どうしてこうなった。JR西日本はコスト削減の一環で、国鉄型車両を一色で塗りつぶす無慈悲なことを各地で行っています。いずれ北陸本線の国鉄型車両は全てこの寒気のする地域色に塗り替えられる予定です。廃車じゃないだけましなのか……
 北陸本線はJR西日本となるので、普通列車は信越本線との乗り入れをしていません。直江津がJR東日本管轄なためか、多くの普通列車は行き止まり式ホームの1番線に追いやられます。この列車は運よく2番線に入りました。



 6番線には、モスグリーンの帯を巻く189系がやってきました。「妙高」号です。



 「妙高」は長野~直江津の普通列車(1本だけ快速)にの一部につけられた列車名です。普通の普通(列車)と違うのは、車両が115系ではなく、元「あさま」の189系を使用していること。特急車両を使用しているので、中身はもちろんリクライニングシート。ヘッドマークまで用意される優遇ぶりです。







 面白いことに、やってきたN103編成は両端がクハ188でした。サハ481からの改造先頭車ですが、189系自体が希少価値となり、残る車両も波動輸送用に回されている現在、定期運用を持っているのは幸運ともいえるでしょう。



 クハ188-602のスカート付近。189系はEF63形と強調運転をしていたため、横川側のクハ(500・600・700番台)はジャンパ栓などがむき出しになっていました。



 みなさんお待たせいたしました。ここから485系祭りを再開したいと思います。

 時刻は午前10時。次の485系・「くびき野3号」の到着を待ち受けます。
 そして――



 10時2分。「くびき野3号」は上沼垂色の485系T17編成で到着しました。
 直江津駅では8分の停車。この間に写真を撮っておきましょう。



 先頭は新潟でも貴重な300番台クハ・クハ481-332です。1975年製のこの車両は、1000番台を中心とした新潟ではおそらく最古参の部類です(1000番台は1976年に製造開始)。
 ボンネット型の0番台、ボンネットを廃して貫通扉をつけた200番台に続き、300番台は200番台の流れを継ぎつつ貫通扉をなくしました。この顔は1500番台、1000番台に受け継がれ、結果的にクハ481の最終形態を形作りました。




 2/3両目に入る モハ485/484-1010。こちらのユニットも、新潟にいる1000番台モハユニットの中では最古参です。ちなみに、長野車両センターの485系ジョイフルとレイン「彩」に元1005ユニットがおり、現役車両ではこのモハユニットが最古参となります。




 4/5両目に入るモハ485/484-1083。最終製造に近い部類の車両です。



 そして最後尾のクロハ481-1023。



 元はクハ481-1002で、たぶん1000番台クハの最古参。T17編成にはどうしてこんなに最古参車両ばかりが集うのでしょうか。



 編成全体。T17編成は、T16編成とともに「くびき野」専用の車両となっており、特急運用には入りません。



 ホームの反対側からの撮影を終え、「くびき野」の待つ4番線に向かいます。



 順光で捕らえたクハ481-332。新潟とは異なり、架線柱の影は映っていません。



 クハ481-332の前面。元「ひたち」用車両だったクハ481-332は、ヘッドマーク上部の特急ヘッドマークがありません。反対側の先頭・クロハ481-1023にはしっかりと付いています。



 4号車(前から3両目)のモハ484-1010。新潟の485系の中でも原型に近い車両です。



 5号車のモハ485-1010妻面の表示も忘れずにチェック。



 681系8000番台の「はくたか5号」を先に通します。



 「はくたか」発車から2分後、今度は「はくたか4号」が到着します。これで「くびき野」の出発を妨げるものはなくなりました(4番線から信越本線(新潟方面)下り本線へは、上り本線をまたぐ必要がある)。



 快速「くびき野」の方向幕。特急さながらの扱いです。



 基本的にモハユニットに乗りたがる私ですが、「くびき野」ではクハ481-332を選択。終点までの2時間をこの車両で過ごすことにしました。

[信越本線 3373M 快速 くびき野3号 新井9:37→新潟12:05]



《直江津 10:10発》

 「くびき野」の前身は、長野~新潟を結んでいた特急「みのり」です。

 長野と新潟を結ぶ列車は、1961年の準急「よねやま」(後に急行)に始まります。翌年には名古屋~新潟を長野経由で結ぶ急行「赤倉」が誕生。その後は名称変更を繰り返しながらも、運行区間は「赤倉」が松本~新潟に短縮にされた以外は変わることなく、JR化後は「赤倉」に統一され、「ムーンライト」仕様の165系(座席は元グリーン車)で運行されるようになりました。

 1997年、上越市の高田と新潟を結ぶ「みのり」が登場。高田は直江津から長野方面に2つ目の駅で、上越市の中心地でもあります。長野新幹線が開業すると、「赤倉」を吸収して3往復となりました。同時に、長野~直江津では「信越リレー妙高」(現在の「妙高」の前身)が運転を開始します。それまで上野~直江津を信越本線経由で結んでいた「あさま」「白山」(終点は金沢)の代替として運転されましたが、上越新幹線経由や高速バスが優勢となり、「みのり」は高田~長岡・新潟の2往復に短縮されます。

 しかし、前回も書いたとおり、上越市~新潟は新潟交通の高速バスも運転していたため、「みのり」は6両から4両モノクラスになっても振るわないままでした。そのため、2002年に快速「くびき野」へと格下げ。車両はそのままに、値段が大幅に安くします。また、運転区間も妙高市の新井駅(当時は新井市)まで延長されました。
 快速となった「くびき野」は好調で、2006年には4両モノクラスから半室グリーン車を含む現在の6両編成へと増強。1号車のクロハ481が普通室・グリーン室とともに指定席となりました。現在は隣の2号車も指定席となっています。



 朝夕を中心に走る「くびき野」は通勤需要が高く、2号車が指定席となった理由もラッシュ時の混雑が理由です。しかし、昼前時を走る「くびき野」は混雑とは無縁でした。その前に「おはよう信越」(「きたぐに」の代替快速・直江津6:15発)、「くびき野1号」(直江津7:17発)、「北越1号」(直江津8:35発)と3本も出ているせいでしょう。
 直江津~新潟間では「くびき野」は「北越」を補完する働きもしています。「くびき野3号」の場合、「北越1号」と「北越3号」の4時間の空白の、丁度真ん中を埋めています。



 座席は「北越2号」と同じ簡易リクライニングシートR51改。T17編成は座面以外が原型のままなので、なおさら国鉄時代のようです。
 「くびき野」は、特急「北越」と同じ車両を用いていながら、所要時間がほぼ同じ・値段が半額(新潟~直江津では運賃2210円、自由席特急券1780円)。相対的に、「北越」の価値は薄れていきます。座席にしても、改造をほとんど受けていないT16・T17編成が専属ですが、T12編成のように「北越」にも簡易リクライニングシート車両は残っているので、新潟~直江津に絞ると特急料金分だけの価値があるかは怪しいところです。



 行きとは逆に山側の座席を選択しました。





 犀潟で別れていく北越急行の線路。上り本線を高架で越え、上越線の六日町までをショートカットします。



 柏崎からは、おなじみの山岳区間。この旅行でも通るのは5回目です。



 長鳥駅を容赦なく通過。



 山岳地帯の終端は信濃川をわたるこの地点。トラス橋で幅広の川を越します。



 右手から上越線下り線の高架が迫ると、まもなく宮内です。

《宮内 11:03着》



 特急と快速を分かつ停車駅・宮内。信越本線と上越線の分岐駅で、上越線は路線上ここまでとなっています。といっても、全列車が長岡まで直通しますが……



 切符の関係上、越後湯沢方面に乗り換える人はここで降りなければなりませんが、次の上越線の電車は1時間後です。停車時間20秒ほどであっけなく発車しました。

《宮内 11:03発》




《長岡 11:08着》

 上越新幹線の高架化下にある長岡駅2番線に到着。ここで乗客の半分ほどが入れ替わります。空席の目立っていた車内も長岡で70パーセント以上が埋まりました。快速という手ごろ感が乗客を集めているのでしょう。



 長岡駅では時間調整のため4分停車します。



 ホームにいた乗客はみな「くびき野」に吸い込まれました。



 T17編成はドアのステップが埋められ、入口の高さ=床面の高さとなっています。

 11時12分。「くびき野」の後半戦が始まります。

《長岡 11:12発》



 特急に負けない足取りで――特急方車両を使用しているので負けるはずもないのですが――新潟平野を駆け抜ける485系。見附・東三条・加茂・新津とほぼ10分ごとに停車していきます。



 最後の停車駅・新津を発車。



 クハ481-332の車内。背もたれのテーブルも原型そのままの色。変わっているのはシートの布地ぐらいです。



 485系や115系が留置されている上沼垂信号場を過ぎれば、ゴールはすぐそこです。



《新潟 12:05着》

 12時5分。「くびき野3号」は新潟駅に到着しました。行きよりも時間がかかっているのは、特急が120km/h運転なのに対して快速は100km/hに制限されているからです。それでも、特急と遜色ないレベルで走っています。新潟~直江津を普通列車だけで行こうとすれば3時間はかかるので、1時間半~2時間で着く「くびき野」は魅力的です。「北越」と「くびき野」のどちらに乗るかは、速さや料金よりも乗る時間帯で決まりそうです。

 というわけで、続きは次回へ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿