まず、1週間近く更新できなかったことを、この場を借りてお詫び申し上げます。
先週から今週までテストが立て込んでおり、思うように書くことが出来ませんでした。たぶん留年はしていないと思うので、これからハイペースで書いていきたいと思います。
……じゃないと、次の旅行(3月を予定)にかぶってしまいますからね!
前回のあらすじ
選ばれたのは、「あけぼの」でした。
[奥羽本線・羽越本線・上越線・高崎線 2022 寝台特急 あけぼの 青森18:23→上野6:58]
《青森 18:23発》
ハイケンスのセレナーデを耳にしながら、青森駅を後にします。
ものの数分で新青森に到着。新幹線から乗り換える猛者はいませんでした。
ちなみに、「あけぼの」は在来線特急の乗り継ぎ割引の対象外となっています。以前の記述だとできそうな感を出していましたが、JR東日本が公式に否定しました。そんなに嫌なら時刻表に書けばいいのに……
新青森を出ると次は弘前。30分近くあくため、ここで車内探訪に出かけます。
そんなにせかなくても……と思う人もいるでしょうが、「あけぼの」の停車駅は寝台特急とは思えないほどに多く、なかなか車内探訪をできる時間がないのです。
(停車駅(上り))
〈青森〉・新青森・弘前・大鰐温泉・碇ヶ関・大館・鷹ノ巣・二ツ井・東能代・森岳・八郎潟・秋田
・羽後本荘・仁賀保・象潟・遊佐・酒田・余目・鶴岡・あつみ温泉・村上・新発田・新津・高崎・大宮・上野
はい、急ぐ気がさらさらありません。
日付を超えるのはあつみ温泉と村上の間ですが、新青森~弘前(30分)、秋田~羽後本荘(37分)を除くと、ほぼ20分ごとに停車します。参考までに東海道線を走る「サンライズ瀬戸/出雲」は軒並み1時間おきですから、停車駅の多さがわかります。
さて、車内探訪に話を戻しましょう。
まずは先頭の「レディースゴロンとシート」オハネフ24-19ですが、さすがに男の身で入るのは気が引けたため、扉の前で引き返しました。
ちなみに、2号車連結面側にあるトイレは二つとも女性用となっています。女性用に徹底された空間です。
続いては2号車のオハネ24-51。ごく普通の寝台車です。
……とはいいきれない車両です。
というのも、オハネ24形は当初3段式寝台だったのですが、オハネ25形の登場にあわせ2段に改造された経緯があります。また、34人が定員のオハネ25と違いオハネ24は32人なのも特徴といえば特徴です。
3号車・オハネ24-19の説明は省略。
続く4号車の入口で「あけぼの」のマークを発見。
4号車もおおよそ内部は2号車と同じなので説明は割愛。
私の乗っていた5号車と6号車を飛ばして、次はいよいよA寝台車へ。
7号車・「シングルデラックス」オロネ24-552の内部は格が違っていました。
化粧板からしてB寝台と比べるまでもありません。1車両11人という贅沢は伊達ではないのです。
ついでに、全ての部屋に数字式のロックを完備しています。
通路もご覧のように上品さをかもし出しています。無機質なB寝台の通路とは違うのです。
最後尾の「ゴロンとシート」オハネフ24-125までたどり着きました。
中は一見B寝台の2~4号車と同じように見えますが……
リネン類が全くありません。ただソファーがあるだけです。
これこそが「ゴロンとシート」の特徴であり、安さの秘訣でもあります。ベッドとしては使えない代わりに、寝台料金なし(指定席特急券)で利用できるのです。
高速バスに対抗するための策として登場したゴロンとシートは人気を博し、「あけぼの」の人気の一つとなっています――今となっては過去形の方が正しいようですが。
さて、5・6号車「ソロ」を見ていきましょう。
通路に入ると、摩訶不思議な光景が待ち構えています。
な ん だ こ れ は
通路の両側にパズルのように扉が並んでいます。
2段式寝台で32人が定員のところに個室で28人を詰め込むために相当無理が生じています。扉に関していえば、下段の個室の入口は150cmほどしかありません。人が立つとさながらガリバーのような気分を味わえます。
下段個室の様子。右に張り出しているのは上段個室の階段です。通路が平面パズルなら、個室は立体パズルの様相を呈しています。
私が取った個室は上段です。通路から少し上がったところに扉があります。こちらは180cmほどあるためかがまずとも入れます。
「ソロ」の個室にはナンバーロックがついています。番号+#のロックは意外と便利で、乗車中何度もお世話になりました。
こちらが上段の様子。天井の丸みからも分かるとおりかなり圧迫されています。一応腰掛けることはできるとはいえ狭いです。
枕元にあるのはオーディオです。飛行機のように、チャンネルをあわせると音楽を聞くことが出来ます。
上段の窓。ベッドに腰掛けると低い位置にあるため外は思ったより見えづらいです。
足元の様子。上段「ソロ」のベッドは、初めはこのように折り畳まれています。B寝台のようにセットされていない理由は簡単で、セットするとドアをふさいでしまうからです(※ドアの開閉だけはできる)。ここにも立体パズルの弊害が現れています。
こちらがセットしたときの写真。左下が階段部分となっていて、ベッドがふさいでいることが分かります。
一番困ったのは荷物の置き場所です。ソファーの部分は全てベッドになってしまいますし、かといって階段部分には置けないので、スーツケースの場所に困ってしまいました。これならまだB寝台上段(枕元に荷物を置くスペースがある)の方がましです。折角寝台券の発売日(11/26)に買ったというのに……
結局、本来靴を置くスペースが荷物置き場になり、靴は階段に置く羽目になりました。
車内探訪を終えた頃、街の明かりが見えてきました。
《弘前 19:01着》
青森第2の都市、弘前に到着しました。
津軽じょんがらを発車合図に、「あけぼの」は再び進みます。
《弘前 19:02発》
弘前を出たあたりで本日の夕ご飯。青森駅の中にあった「新宿さぼてん」のロースカツ弁当です。
《大鰐温泉 19:13発》
人のいない弘南鉄道のホーム。
《鷹ノ巣 20:02発》
秋田内陸縦貫鉄道と接する鷹ノ巣駅では、比立内行きの最終列車に接続します。
《秋田 21:26着(約5分遅れ)》
青森から3時間、秋田に到着しました。遅れたのは単線区間を通ってきたのと、車内からも分かるほど雨が降っていたからでしょうか。
青森を出て久々のターミナル駅で2分停車。
《秋田 21:28発(約5分遅れ)》
「あけぼの」は次の羽後本荘まで指定席特急券で利用することが出来ます。「あけぼの」が奥羽本線上り最後の特急になるためで、この日も少なからず利用者がいました。言い換えれば、羽後本荘までが区間利用の南限ということです。
そして、ここからが寝台特急のハイライト。
明かりを消した車内から窓の外を眺めます。さんざんこき下ろしてきましたが、「ソロ」は寝る分には申し分ない部屋です。湾曲したガラスは、寝ている場所から星空を眺めるには丁度いい位置にあります。
窓の外の暗闇を眺めながら、私はもう幾ばくとない「あけぼの」の行く末を思いました。
「2014春ダイヤ改正雑感」(2013/12/21公開)でも書いたように、「あけぼの」は3月限りでの廃止が決定しています。最大の理由は車両の老朽化としています。
歴史で表立った活躍をしなかった「あけぼの」ですが、東北の日本海側の都市と東京を結ぶ役目を40年近くに渡って粛々と果たしていました。ここまで生き残っていたことが奇跡であり、賞賛されるべきことだと思います。
廃止まであと1ヶ月。「あけぼの」の最後の輝きを見届けるとしましょう。
2013/12/27 6:10 鴻巣駅付近
ハイケンスのセレナーデで起きました。
といっても、まだ外は陽が昇っていません。窓も雨でぬれていて、駅名版を読めませんでした。
《大宮 6:29着》
東武野田線の8000系で大宮に着いたことを確認しました。
6時台なのでまだ人は多くありません。
浦和を通過したあたりから空が白みてきました。列車名の「あけぼの」は、この時間帯(正確にはこれより少し前)をさす言葉です。
ビル群が見えてくると、終点の上野はもうすぐです。
《上野 6:58着》
上野には定刻で到着しました。
青森から13時間の旅は、ここで終了となります。
長岡で交代したEF64には、撮影をする人がアリのごとくたかっています。最終日に近くなったらさらに増えることでしょう。
可能な限り人間をフレーム外にしてから撮影。
牽引機はEF64-1031でした。
ブルーの機関車がブルーの客車を従えています。
上野に到着した「あけぼの」は尾久にある尾久車両センターに向けて回送されます。回送ですが先頭には機関車は付かず、最後尾のEF64が推して尾久に向かいます。
階層の様子は車庫に上げておくのでそちらをご覧ください。
無事回送を見届けたので、私は山手線・東海道新幹線経由で静岡まで――
帰るわけがないのでした。
次回、「あけぼの」を見送った静サツはどこに行くのか?(結構漏らしてる気もするけど)
続く!
先週から今週までテストが立て込んでおり、思うように書くことが出来ませんでした。たぶん留年はしていないと思うので、これからハイペースで書いていきたいと思います。
……じゃないと、次の旅行(3月を予定)にかぶってしまいますからね!
前回のあらすじ
選ばれたのは、「あけぼの」でした。
[奥羽本線・羽越本線・上越線・高崎線 2022 寝台特急 あけぼの 青森18:23→上野6:58]
《青森 18:23発》
ハイケンスのセレナーデを耳にしながら、青森駅を後にします。
ものの数分で新青森に到着。新幹線から乗り換える猛者はいませんでした。
ちなみに、「あけぼの」は在来線特急の乗り継ぎ割引の対象外となっています。以前の記述だとできそうな感を出していましたが、JR東日本が公式に否定しました。そんなに嫌なら時刻表に書けばいいのに……
新青森を出ると次は弘前。30分近くあくため、ここで車内探訪に出かけます。
そんなにせかなくても……と思う人もいるでしょうが、「あけぼの」の停車駅は寝台特急とは思えないほどに多く、なかなか車内探訪をできる時間がないのです。
(停車駅(上り))
〈青森〉・新青森・弘前・大鰐温泉・碇ヶ関・大館・鷹ノ巣・二ツ井・東能代・森岳・八郎潟・秋田
・羽後本荘・仁賀保・象潟・遊佐・酒田・余目・鶴岡・あつみ温泉・村上・新発田・新津・高崎・大宮・上野
はい、急ぐ気がさらさらありません。
日付を超えるのはあつみ温泉と村上の間ですが、新青森~弘前(30分)、秋田~羽後本荘(37分)を除くと、ほぼ20分ごとに停車します。参考までに東海道線を走る「サンライズ瀬戸/出雲」は軒並み1時間おきですから、停車駅の多さがわかります。
さて、車内探訪に話を戻しましょう。
まずは先頭の「レディースゴロンとシート」オハネフ24-19ですが、さすがに男の身で入るのは気が引けたため、扉の前で引き返しました。
ちなみに、2号車連結面側にあるトイレは二つとも女性用となっています。女性用に徹底された空間です。
続いては2号車のオハネ24-51。ごく普通の寝台車です。
……とはいいきれない車両です。
というのも、オハネ24形は当初3段式寝台だったのですが、オハネ25形の登場にあわせ2段に改造された経緯があります。また、34人が定員のオハネ25と違いオハネ24は32人なのも特徴といえば特徴です。
3号車・オハネ24-19の説明は省略。
続く4号車の入口で「あけぼの」のマークを発見。
4号車もおおよそ内部は2号車と同じなので説明は割愛。
私の乗っていた5号車と6号車を飛ばして、次はいよいよA寝台車へ。
7号車・「シングルデラックス」オロネ24-552の内部は格が違っていました。
化粧板からしてB寝台と比べるまでもありません。1車両11人という贅沢は伊達ではないのです。
ついでに、全ての部屋に数字式のロックを完備しています。
通路もご覧のように上品さをかもし出しています。無機質なB寝台の通路とは違うのです。
最後尾の「ゴロンとシート」オハネフ24-125までたどり着きました。
中は一見B寝台の2~4号車と同じように見えますが……
リネン類が全くありません。ただソファーがあるだけです。
これこそが「ゴロンとシート」の特徴であり、安さの秘訣でもあります。ベッドとしては使えない代わりに、寝台料金なし(指定席特急券)で利用できるのです。
高速バスに対抗するための策として登場したゴロンとシートは人気を博し、「あけぼの」の人気の一つとなっています――今となっては過去形の方が正しいようですが。
さて、5・6号車「ソロ」を見ていきましょう。
通路に入ると、摩訶不思議な光景が待ち構えています。
な ん だ こ れ は
通路の両側にパズルのように扉が並んでいます。
2段式寝台で32人が定員のところに個室で28人を詰め込むために相当無理が生じています。扉に関していえば、下段の個室の入口は150cmほどしかありません。人が立つとさながらガリバーのような気分を味わえます。
下段個室の様子。右に張り出しているのは上段個室の階段です。通路が平面パズルなら、個室は立体パズルの様相を呈しています。
私が取った個室は上段です。通路から少し上がったところに扉があります。こちらは180cmほどあるためかがまずとも入れます。
「ソロ」の個室にはナンバーロックがついています。番号+#のロックは意外と便利で、乗車中何度もお世話になりました。
こちらが上段の様子。天井の丸みからも分かるとおりかなり圧迫されています。一応腰掛けることはできるとはいえ狭いです。
枕元にあるのはオーディオです。飛行機のように、チャンネルをあわせると音楽を聞くことが出来ます。
上段の窓。ベッドに腰掛けると低い位置にあるため外は思ったより見えづらいです。
足元の様子。上段「ソロ」のベッドは、初めはこのように折り畳まれています。B寝台のようにセットされていない理由は簡単で、セットするとドアをふさいでしまうからです(※ドアの開閉だけはできる)。ここにも立体パズルの弊害が現れています。
こちらがセットしたときの写真。左下が階段部分となっていて、ベッドがふさいでいることが分かります。
一番困ったのは荷物の置き場所です。ソファーの部分は全てベッドになってしまいますし、かといって階段部分には置けないので、スーツケースの場所に困ってしまいました。これならまだB寝台上段(枕元に荷物を置くスペースがある)の方がましです。折角寝台券の発売日(11/26)に買ったというのに……
結局、本来靴を置くスペースが荷物置き場になり、靴は階段に置く羽目になりました。
車内探訪を終えた頃、街の明かりが見えてきました。
《弘前 19:01着》
青森第2の都市、弘前に到着しました。
津軽じょんがらを発車合図に、「あけぼの」は再び進みます。
《弘前 19:02発》
弘前を出たあたりで本日の夕ご飯。青森駅の中にあった「新宿さぼてん」のロースカツ弁当です。
《大鰐温泉 19:13発》
人のいない弘南鉄道のホーム。
《鷹ノ巣 20:02発》
秋田内陸縦貫鉄道と接する鷹ノ巣駅では、比立内行きの最終列車に接続します。
《秋田 21:26着(約5分遅れ)》
青森から3時間、秋田に到着しました。遅れたのは単線区間を通ってきたのと、車内からも分かるほど雨が降っていたからでしょうか。
青森を出て久々のターミナル駅で2分停車。
《秋田 21:28発(約5分遅れ)》
「あけぼの」は次の羽後本荘まで指定席特急券で利用することが出来ます。「あけぼの」が奥羽本線上り最後の特急になるためで、この日も少なからず利用者がいました。言い換えれば、羽後本荘までが区間利用の南限ということです。
そして、ここからが寝台特急のハイライト。
明かりを消した車内から窓の外を眺めます。さんざんこき下ろしてきましたが、「ソロ」は寝る分には申し分ない部屋です。湾曲したガラスは、寝ている場所から星空を眺めるには丁度いい位置にあります。
窓の外の暗闇を眺めながら、私はもう幾ばくとない「あけぼの」の行く末を思いました。
「2014春ダイヤ改正雑感」(2013/12/21公開)でも書いたように、「あけぼの」は3月限りでの廃止が決定しています。最大の理由は車両の老朽化としています。
歴史で表立った活躍をしなかった「あけぼの」ですが、東北の日本海側の都市と東京を結ぶ役目を40年近くに渡って粛々と果たしていました。ここまで生き残っていたことが奇跡であり、賞賛されるべきことだと思います。
廃止まであと1ヶ月。「あけぼの」の最後の輝きを見届けるとしましょう。
2013/12/27 6:10 鴻巣駅付近
ハイケンスのセレナーデで起きました。
といっても、まだ外は陽が昇っていません。窓も雨でぬれていて、駅名版を読めませんでした。
《大宮 6:29着》
東武野田線の8000系で大宮に着いたことを確認しました。
6時台なのでまだ人は多くありません。
浦和を通過したあたりから空が白みてきました。列車名の「あけぼの」は、この時間帯(正確にはこれより少し前)をさす言葉です。
ビル群が見えてくると、終点の上野はもうすぐです。
《上野 6:58着》
上野には定刻で到着しました。
青森から13時間の旅は、ここで終了となります。
長岡で交代したEF64には、撮影をする人がアリのごとくたかっています。最終日に近くなったらさらに増えることでしょう。
可能な限り人間をフレーム外にしてから撮影。
牽引機はEF64-1031でした。
ブルーの機関車がブルーの客車を従えています。
上野に到着した「あけぼの」は尾久にある尾久車両センターに向けて回送されます。回送ですが先頭には機関車は付かず、最後尾のEF64が推して尾久に向かいます。
階層の様子は車庫に上げておくのでそちらをご覧ください。
無事回送を見届けたので、私は山手線・東海道新幹線経由で静岡まで――
帰るわけがないのでした。
次回、「あけぼの」を見送った静サツはどこに行くのか?(結構漏らしてる気もするけど)
続く!
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