前回の記事で、静サツは名古屋から新宮まで「(ワイドビュー)南紀」(以下「南紀」)に乗車しました。
乗車距離が距離なので、運賃もさることながら、特急券もそれなりのお値段がします。名古屋から新宮までの指定席特急券は通常期で3210円。今回は9月の水曜日だったので閑散期でしたが、それでも3010円はします。自由席だったとしても2490円です。
しかし、静サツはこれを安く済ませるために、策を講じました。
そして行き着いた案が、「豊橋~名古屋で新幹線に乗る」ことです。
この新幹線は静岡始発ですから、わざわざ豊橋から乗ることに疑問を感じていた方もいたと思います。
新幹線に乗った理由は、名古屋到着がぎりぎりになってしまう(※)のを避けるためでもありましたが、もう一つ理由があります。
(※在来線のみの場合名古屋着が7時58分。「南紀」は8時5分発。)
それは『乗継割引』です。
乗継割引はいくつかタイプがありますが、最もメジャーなものは「新幹線+接続する在来線特急」の割引です。同日中に乗り換えることで、特急料金と指定席料金が半額になります。これは元々、在来線を走っていた長距離特急が新幹線+特急に分割されることで料金が跳ね上がるのを抑えるための制度です。
豊橋~名古屋で新幹線に乗ったことで、名古屋~新宮の「南紀」は乗継割引の適用を受けて半額になります。途中伊勢鉄道を通るため、その分の特急料金(310円)は割引の対象外ですが、残りは指定席料金ともに半額となり、(3010-310)÷2+310=1660円となります。
豊橋から乗ったのにも理由があって、豊橋~名古屋では特定特急料金が設定されているからです。
新幹線の特定特急料金は隣り合う駅で設定されている自由席特急料金ですが、豊橋~名古屋は2駅離れています。これは、開業時に三河安城がなかったため、設定時に隣り合っていた豊橋~名古屋に設定が残っているのです。同じ例として三島~静岡、静岡~浜松、福山~三原、三原~広島などがあります。静岡にいたときはよく三島~静岡の特定特急券を使っていました。
豊橋~名古屋の特定特急料金は980円。これに先ほどの料金を足すと、2640円になります。
そう、なんと新幹線に乗っているにもかかわらず、普通に買うよりも安くなっているのです。これに気付いたときにはびっくりしました。
自由席特急料金と比べても150円しか違いません。「南紀」の自由席が1両しかないことを考えると、150円プラスで指定席になるのは魅力的です。
静サツは当初自由席に乗る予定でしたが、これに気付いて指定席に変更しました。その過程で最前列もゲットできたのです。
これで重要なのは、「新幹線に乗らなくても安い」ということです。つまり、仮に私が名古屋まで在来線で行っていたとしても、特急券は通常よりも安くなります。違いは新幹線特急券を改札に通さないことだけです。
乗車券の計算ルールにおいて、一部特例区間で新幹線と在来線を逆方向で乗り継ぐ場合(静岡→三島→沼津など)を除いて、新幹線は並行在来線と同じとみなされます。今回の例で行けば、「(浜松・豊川方面)~豊橋~名古屋~(亀山方面)」の乗車券があれば使うことができます。
もしも新幹線に静岡から乗っていたとすると、静岡~名古屋の自由席特急券が2480円ですから、最低でも2480+(2490-310)÷2+310=3880円かかってしまいます。1000円の差は大きいです。
静岡側から「南紀」を利用される方は、是非使ってみてください。
まあ、名古屋地区からの往復なら「南紀・熊野古道フリーきっぷ」という恐ろしい割引切符(名古屋~紀伊勝浦が片道7720円(通常期指定席)のところ、往復+JR・バスフリー乗車券がついて9720円)があるので使うことはないでしょうけど。
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