Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

列島縦断帰省記 ~めくるめく国鉄特急物語 第3回 ハイブリッドライン五能線(前編) 青森→鰺ヶ沢

2015年10月20日 | 鉄道 ‐ 旅行(2015年)


 帰省1日目(9月11日)。北斗・白鳥と国鉄型特急に連続で乗ってきました。



 485系3000番台の白鳥の隣に、もう1本485系3000番台がいました。白鳥の後を追う、「つがる6号」です。あれ? 所定ではE751系になったはずでは……?
 詳細のわからぬまま、昼飯調達のために一度駅を出ました。



 こんなところで出会うとは思っていなかった、北斗星引退記念のブックレット。ここで買った所で、入場券は揃わないんですがね。



 昼飯やら何やらを買いに良き青森駅に戻ってきました。
 次に乗るのは上に出ている「リゾートしらかみ4号」です。



 着いたばかりのキハ100系の快速「しもきた」の隣に、「リゾートしらかみ」はいます。



 「リゾートしらかみ」は編成が3種類ありますが、今回の4号は「青池」編成です。



 側面には「RESORT HYBRID」の文字がでかくプリントされています。
 そう。青池編成はハイブリッド気動車なのです。形式はHB-300系となっています。

 ハイブリッド気動車とは、JR東日本の開発する、一言で言えば電車と気動車の間のような車両です。
 通常の気動車では、エンジンで得た回転力を変速機を通してそのまま車輪を回すのに使います。しかし、ハイブリッド気動車では一度電気にして、その電気で車輪のモーターを回します。
 これの何がいいかと言うと、一つはエネルギーの無駄が少なくなる点です。使用していない電気は蓄電池にため、蓄電池に電気があるうちはエンジンで燃料を燃やすことなく走ることができます。これまででは駅での停車時間の間捨てていたエネルギーも、有効に使えるのです。
 もう一つは整備の面。モーター回りは電車のものと共通なので、電車と同じように整備でき、部品共通化によるコスト減になっています。



 この青池編成は2代目。初代青池編成は「リゾートしらかみ」創始時から使われており、現在は2両の「クルージングトレイン」として運転されています。



 車内に入ると、天井の高さに驚かされます。通路より一段高いハイデッカー構造で、

 この日は金曜日と言うこともあって乗車はまばらでした。



[奥羽本線・五能線 8634D~8524D~8624D 快速 リゾートしらかみ4号 青森13:54→秋田19:00]

 13時54分。「リゾートしらかみ4号」は、定刻で青森を発車しました。




 青森を出た列車は、津軽新城での運転停車をはさみつつ、奥羽本線を南下します。



 五能線の分岐する川部駅には、バラスト輸送の貨車が停まっていました。


《弘前 14:31着》

 およそ30分ほどで弘前に到着。



 弘前で進行方向を入れ替えます。



 HB-300系には前面展望ラウンジがあり、指定券をもっている人は誰でも入ることができます。このあたりは一昨年乗った「きらきらうえつ」とも共通するところです。



 乗車記念のスタンプが置かれています。



 乗車記念証は取り放題です。スタンプ台紙もかねています。


《弘前 14:35発》

 弘前からは展望ラウンジに居座ります。



 運転台のメーター。



 列車は来た道を引き返します。



 川部駅で一番左の線路に入ります。


《川部 14:42着》

 この駅から「リゾートしらかみ」は五能線へと入ります。



 東能代から川部まで全長147.2kmの五能線。この駅から、奥羽本線に比べて約80km、時間にして3時間近くもの大回りが始まります。



 早くも2回目の方向転換です。

 五能線は青森方向に繋がっています。わざわざ弘前まで延長運転するのは、「リゾートしらかみ」は元々弘前止まりで、それを青森まで延長したことに由来します。現在でも3往復のうち1往復は弘前止まりとなっています。


《川部 14:49発》

 再び展望ラウンジで発車を迎えます。ちなみに私の座席は3号車にあります。



 奥羽本線と分かれて、いよいよ「リゾートしらかみ」の本番が始まります。



 川部から五所川原までは弘前のベッドタウンとなっています。写真は島式ホームの片側を撤去された藤崎。



 見渡す限りの田んぼを横切り、五能線は一路五所川原へと真っ直ぐ進みます。川部から五所川原までは陸奥鉄道によって1918年に開通した区間です。
 五能線の最高速度は全線で85km/h。丙線規格のためか路線状態は良いとは言えず、直線が続くこの区間でもかなり揺れます。



 観光用に新造しただけあって、前面は展望に最大限配慮した作りとなっています。
 このあたりは左手磐木山が見えるはずなのですが、天気が芳しくない今日は山裾だけをさらしています。



 板柳、陸奥鶴田と停車して、列車は五所川原市内に。弘前以来の市街地です。



 向かいでは「リゾートしらかみ3号」が発車待ちをしています。
 緑色の橅(ブナ)編成は、2003年に登場した第2編成。2代目青池編成ことHB-300系の登場に伴って、中間車を1両貰い受けています。



《五所川原 15:12着》

 五所川原では3分間の停車。このエリアでは大きな町で、ストーブ列車で知られる津軽鉄道が分岐する駅でもあります。



《五所川原 15:15発》



 津軽鉄道の線路には雑多な車両たちが留置されていますが、中でも目を引くのがこのキ101。機関車の先頭に付いて雪かきをするラッセル車で、元は国鉄キ100形キ120でした。なんと戦前生まれです。現在は使われてないそうですが、その割にはしっかりとしています。



 しばらくは五所川原の市街地を走ります。ここで線路は大きく西へカーブします。



 岩木川を渡る「しらかみ」。



 お隣の木造は、土偶型の駅舎で知られる駅です。駅正面を向いているので、ホームからは見ることができませんが。



 越水を通過する「しらかみ」。頭上の立派な跨線橋が明らかに風景とミスマッチ。



 りんご園とたんぼが続くだけだった車窓が、山の色を帯びていくようになります。



 このまま山の景色になるかと思われた矢先、風景の切れ目はやってきました。
 国道のアーチ橋の先に広がるのは――



 海!

 川部から48km。五能線はここでようやく海との出会いを果たしました。



 キハ40五能線色の待つ鯵ヶ沢に到着です。



《鰺ヶ沢 15:40着》

 ここでダイヤ調整のため12分間停車します。

 といったところで、続きは次回へ。



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