働かざる者は食うべからず、という言葉があります。トルストイの言葉じゃなかったでしたっけ。これって、働けという意味で持ち出されることが多いですが、本来の意味はどうなんでしょうか。
だって、そもそも働かないとは食べていけません。だから、当時のロシアには、働かなくても食べていけるひとたちがいて、このひとたちにトルストイは食うべからずと言っていたのかもしれません。つまり、もともとこの言葉は啓蒙的なそれであるよりも、社会批判的なものだったのかもしれないということです。
しかし、もっとよく考えないといけませんね。働かざる者とは誰のことなのか、と。金があって働かないひともいれば、働きたくても働けないひともいるでしょう。だから、もしあなたが、働かざる者は・・・と言うなら、働きたくても働けないひとに食べさせてやろうという気持ちがそこにないなら嘘じゃないかと私は思うんですね。でなきゃそこにあるのはただ、私は日々の労働に拘束されているのにあなたがそうでないのはずるい、という奴隷根性だけです。
すべてのひとはまずは自分自身のことを考えるべきだと私は思いますね。自分がやっていること置かれている状況が自分にとって良いものであるかどうか、と。ろくでもない商品とわかっていながら売りつけるセールスマンのようなことをしてはいけません。世間や常識を楯にするわけにもいかないのです。
結局のところ、自分は自分、他人は他人。まずはここからですね。そこから先は流れに身を任せるしかないんですね。
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