1月6日
■ヒッチコックの「救命艇」では、海水を飲んだら終わりであるかのように描かれている。さらに喉が渇く悪循環に陥るからだろう。
■その昔、アラン・ボンバールというフランスの医学博士が実験漂流と称して、海水とプランクトンだけで数十日間に渡り海上で生活し続けたことがあった(ボンバール「実験漂流記」)。
■そのボンバール博士の公開実験によると、汚染された水と汚染されていない《正常な》水を用意し、それぞれにタコを泳がせれば、《正常な》水のタコの方はすぐに衰弱してやがて死ぬという。
■この実験が示すのは、人間の文化生活はすでに現代人にとって自然同然だということである。今問題になっている環境問題は人類の身勝手な行動が招いたもので、それはそれで反省すべきかもしれないが、自然保護団体みたいなのが言っているきれい事はそれこそ正常な水のごとく人類を死に導くのである。