ラの1周年記念のため嵐山まで自転車で行った話の続き。18時頃に私はみなさんとお別れして、予約したホテルがある寄居に向かったのだった。そんとき、自由が丘の子が誰よりも早く私のところに来ては、なんかいろいろ言ってくれて、それでその、なにも話せなかった自分を、なにやってんだと心の中で罵った。
寄居までの道は真っ暗で、自動車が通ると全体的に一瞬明るくなった。自分のライトを頼りに白線を確認しながら、その白線の上をひたすら走った。
田舎の夜が真っ暗なのは知っていた。高校生のときだったか、夜中に修学旅行先のホテルを抜け出して遊びに出かけたら、途中でまったくなにも見えなくなり、迷子になってしまった。遠くの方に窓の明かりらしいものがかすかに見えた。あそこしかない。行ってみると、原宿なんかによくあるアイドルの生写真を売っている類いの店だった。こんな時間のこんなところに生写真を買いに来るのか?謎だったがそれどころじゃなかった。店主にホテルまでの帰り道を教えてもらい、無事戻ることができた。
さて、寄居も死ぬほど真っ暗。走りながら、なんとなく左側がやばそうなのを感じていた。白線より右を走れば、自動車にぶつかる恐れが、左を走れば、我が身が闇に消えるだろうと。そんななか恐ろしい振動がやってきた。なんだなんだ😱後日クルーニーに聞いたら、注意喚起目的で敷かれたブツブツ入りの白線だった。ランブルストリップスとかいうらしいが、名前なんかどうでもいい。得体の知れない振動に恐れおののきながら、私は寄居のホテルまでひたすら走ったのだった。
(続く)