取り返しの付かないことっていうのが怖い。
でもそれで何もできなくなってるのはやっぱりおかしい。
そう思ってもやっぱり怖い。
どうしてそんなに怖がるのかって言うと、それが出来るだけの生きる安定感が無いのも大きいけれど、私ならやりそうだという漠然とした不安があるから。
自分で自分のことを制御できなくなって、後から考えてもありえないミスをすることがある。
大学生の頃レポート提出期限が迫っていて、急いで車で出ようとしたことが有った。
その時は本当にギリギリで提出期限まで1時間半。
いつもの電車のルートでは間に合わない。車でも飛ばさなきゃ無理。
そんなところで、車の泥除けを電信柱の保持ワイヤーに引っ掛けてしまった。
位置関係はこうなっていた。
んで、当時事故のことを忘れずに戒めにするために描いた図。ワイヤーが引っかかった状態。
焦った私はあろうことかそのままアクセルを踏み込んで脱出を試みた。
大きな音がした。その時点でようやく自分が何をしたのか気づいて青ざめた。
とりあえず壊れた泥除けはそのままに大学まで向かい、レポートを提出して家に帰った。
父には正直に言い、軽く叱られた。「なぜ家にいた母を呼ばなかったのか?」と。
そこに至るまでそのような選択肢が有ったことすら気づかなかった。
あんなにも動転してパニック起こして自分が何やってるか分からないなんてことは、後にも先にもこれだけだ。
ある意味そんな事態を経験出来たことは、私にとって良かったのかもしれない。
でも、こうも思うのだ。またタイムリミットが数時間後に迫ったらまたミスをしてパニック起こして今度こそ取り返しの付かないことをしてしまうのではないかと。
実家に戻った時はたまに運転するが、あれから同じような事故は起こしていない。
昨年辺り通勤で毎日運転していたのが功を奏したのか、車の運転に慣れたようだ。
それでも、ミスを恐れている根拠の無い不安は解消されていない。