読む会だより22年7月用への追加文責IZ
(5.)に、以下を追加願います。
マルクスがここで指摘していることは、およそ次のような事柄と思われます。
①原材料や労働手段など、新たな生産物の生産のために消費される不変資本価値部分の補填は、剰余価値の創出(必要労働時間部分を越える労働力の支出)とは無縁である。
②いわゆる純益の比率の計算は、剰余価値部分と前貸可変資本(労賃)部分との比率でなされるべきである。
③労働力の支出による価値創造とともに、生産手段の価値はおのずから生産物の価値へ移転・保存されるのであって、そのための新たな労働力の支出は必要ない。
④労働力の搾取度を表現する剰余価値率 m/v は、m(不払い労働)の大きさに比例して増減するが、しかし前貸可変資本 v を分母としてである。
シーニアの「最後の1時間」への批判の根底は②にあるように思われます。
なお、7月用たよりの3ページ第2パラの中ほどの補足、<工場や機械類の損耗の補填分を生産する>は、<労賃の生産または補填のための>の誤りでした。訂正願います。