ドアノブの危険性指摘「手に触れる物はすべて汚染している」 個人でできる対策は
新型コロナウイルスの感染予防について、厚生労働省や日本感染症学会、日本環境感染学会が、ホームページで情報を公開している。この資料を基に、手洗いやせきエチケットなど、一人一人がすべき行動の指針を改めて確認したい。(井川朋宏)
【写真】イチローさん、新型コロナ語る 感染拡大「当たり前がなくなる」
2月25日に政府が感染症対策の基本方針を発表後、両学会は、水際対策から感染蔓延(まんえん)期に移行するときの注意点を示した。市民に向けて守るべき行動や、チェック項目を挙げる。
■体調悪いときは自宅で安静に
まず、重要なのが自分自身の健康管理。調子が悪いときは体温を測定し、37・5度以上の発熱やせき、倦怠(けんたい)感の症状があれば、無理せず外出を控える。自身の状態を悪化させ、周りの人の感染リスクを高めてしまうため、自宅での安静を求めている。
両学会は無症状でも感染している可能性を指摘。室内で人が密集する立食パーティーや酒席、ロックコンサートなどへの参加を控え、他人との距離を取って手が届くほどの濃厚接触を避けるべきとする。
両学会は「手に触れる物はすべて汚染していると考えることが重要。マスクは万能ではない」と強調。不特定多数の人が触れる物に接した後の手洗いや消毒を勧める。一方、「風邪と同じように、感染2週間後には健康を取り戻し、感染を広げることはほとんどない」として感染者への差別がないよう注意している。
■ドアノブなど介し広がる恐れ
厚労省は、手の甲や指先、手首などを入念に洗う方法を紹介する。せきやくしゃみを手で押さえた場合、触れたドアノブなどを介して感染が広がる危険性を指摘。マスク着用か、ティッシュやハンカチ、袖で口や鼻を覆うエチケットを勧める。
マスクは、隙間がないよう鼻、口を確実に覆う着用を求めており、とりわけ持病がある人や高齢者は、重症化するリスクがあるため、「人混みは避けて」と呼び掛ける
医学界では、肘まで洗うのが当たり前だ。