頑張ったと言っても、ただ寝ているだけなんだけど。
午前中はテレビもラジオもYouTubeも、オリンピックでさえ観るのもしんどくて静かに寝ていた。
だんなさんの作るご飯を
体のためと思って頑張って食べたけど
モリモリ食べれないからちょっと寂しそうだった。
最近は自分の料理にレパートリーが少ないことを気にしている。
今のままで十分なのに、あれこれ気を遣ってくれる。
彼は6回の治療経過を全て知っているから
多少のことでは動じない。
いつも落ち着いてるから
私が自分の体さえコントロールできずにモヤモヤしてイライラしてもいつものことだと流してくれる。
もう一人の自分が意思に反して体を勝手に動かしてるような変な感じだ。
午後になり
少し体を動かせるようになって
それでも変な汗はかくし、
耳鳴りはするし
動悸で不安な気持ちになっていた時
日本から荷物が届いた。
娘からの手紙付き荷物には
私がリクエストしたものが入っていた。
何よりの楽しみは手紙。
たまにやり取りする娘との文通は楽しい。
読んでたら会いたくなって泣けてきた。
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もう一つは同期のKちゃんから。
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私が好きそうなものを想像して
あれこれ詰めてくれる。
彼女作のうめぼしをまた食べられる喜び。
体が動かなくて荷物も運べず、開けて整理もできない私の代わりにだんなさんが
「あ、これ便利なやつだ!」とか
「これはきっと高いぞ」とか言いながら
キッチン担当の彼がきちんと片付けてくれた。
娘の荷物の中に
上海時代に出会ったテニスの仲間で
日本画家の小田賢先生作の扇子が入っていた。
先生は娘の家に扇子を送ってくれて、娘がまとめてシンガポールまで届けてくれた。
扇子には
三重県にある赤目四十八滝の風景が描かれていた。
なんとも涼しげで、先生の優しさが伝わってきた。
恥ずかしながら赤目四十八滝のことは知らなかった。
四十八の滝を巡って歩いたら願いが叶うそうだ。
先生の「前を向いて一歩一歩」という声が聞こえてくるようだ。
元気になったら行きたい場所がまた一つ増えた。
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扇子で風をおこすと
日本の夏のにおいがする気がした。
大切にします。
夕飯は久々のお魚。
お味噌汁と白米。ほっこりご飯。
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明日はだんなさんが出勤だから
お互いに一人になって深呼吸できる日でもあるかな。
体がつらくても
みんなと同じように明日は来るのだから
つまらない明日より楽しい明日にできるように心がけよう。
日本の大好きな人たちが
明日も何か楽しいことを見つけて
笑って過ごせますように。