東北地方や越後佐渡へ行きますと、立派な資料館は別としても、街は外れや農村部には、多種多様な生活道具類の、民芸館があります
使い古されたもののなかには、朽ち果て始めた箪笥が目に留まり、サビ付いた金具に、錠前や蝶番等が、ポツンと置いてあるのを見ると、
何とも言えず、古い味わいがある箪笥が、なぜか私の方を見て、助けてほしいと、言っているような気がして、こころが 痛みます。
このような時代を経た箪笥を、修理したり、金具を修繕取り換えたりして、もう一度この世に送り出してやれる、仕事が出来ないか考え、
50歳にして小さな工房所を開きました。
みよい見まねで夫婦で、半人前ながら試行錯誤して始めました。もともとは箪笥金具は、各藩の下級武士の内職であったり、野鍛冶屋の
職人が内鏨で、家紋や装飾金具を、箪笥に加工釘打ちしたものが、始まりと言われます。
武家町人衆の装束や着物等納めたり、商家で大福帳や書類を保管したり、千石船に積み込んだ、懸け硯箱や船箪笥で商用したり、
婿嫁入りの都度持たせた衣装箪笥や、火災時に持ち出せる車箪笥もあり、お部屋に置かれた箪笥は保管は良いのですが、
納屋 押し入れ 土間に置かれた箪笥は、取り扱いが悪い為、傷んだものや、金具が欠落したものがあります。
そんな箪笥金具をつくり直すために、卓上グラインダー 小型コンタマシン 蹴とばしプレス ボール盤に、やすりがけ鏨打ち作業台を
揃えて、手造り作業ができるようにして、色んな部品金具に箪笥錠前金具を、コツコツと作り上げて25年、東北大災害地震が起きるまで
仕事をしましたが、今は箪笥金具師としての、仕事の工房所は終了しました。
今回長い間、私物として家庭内に、生活と共に溶け込んできた、時代箪笥が数棹ありましたので、この機会に創作金具時代箪笥を展示して
市民の方々から見て頂き、各地産地別の時代箪笥の説明や、解錠には色んなからくり仕掛け、忍び隠し箱があり、一つ一つの箪笥のお話を
させて頂く機会を持たせた、展示会を吉田公民館のラウンジで行いました。楽しいひと時過ごして頂きました。
今回ブログを再び始めますが、色んな時代箪笥の作品を、ブログに掲載して販売したいと思います、ご期待ください。
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