ほりでぃ・キッチン

たわいもない日常を暮らす中で感じた
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取り残されたお地蔵さん

2006-02-09 10:10:55 | 徒然なるハナシ
久しぶりに、実家へ。

ところが、町の様子が、すっかり変化。
なんでも、新幹線工事に伴う区画整理が始まったらしい。

実家は、区画整理には、かからなかったものの、
ほんの道路一本向こう側は、それまであったはずの家や商店が
次々に姿を消して、更地になっていた。

そこで、ハタと気がつき、母に問う。
「あのお地蔵さん、どうなった?」

「あのお地蔵さん」とは、小学校への通学路にある六地蔵。
毎日、朝晩、登下校の途中で、友達と手を合わせていたのだ。

「試験がうまくいきますように」
「●●君と、おしゃべりできますように」
「ケンカの仲直りができますように」

そのお地蔵さんは、いつも可愛いよだれ掛けをして
綺麗な花が絶えなかった。

あのお地蔵さんは、どうなったのだろう。
実家の自転車を借り、行ってみた。

「あった!」

お地蔵さんは、昔のままに、その場所で地域のうつろいを見守っていた。

しかし、周辺はすっかり更地となり、
行き交う人の姿もなく、お地蔵さんも淋しそう…。
幼い頃には、地蔵堂の屋根越しに見えた青空は、
マンションに遮られて…。

このお地蔵さん、この先どうなるのか。
母も知らなかったが、できれば、どこか地域の見渡せるところに
お引っ越ししてもらいたいなあと切望するのであった。


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