140字小説
ポエム
「はんぺんのペン」
おでんのだしに
しみ込んだ
はんぺんは格別うまい
気になるか
気にならないか
わかりませんが
ひそひそ話
入手したので
興味あればどうぞ
普段は人気がないくせに
冬のこの時期だけの
人気取りは頭にくるよな
こんな
うわさ話がひろがって
いるとか
いないとか
作家 中谷美咲
140字小説
ポエム
「扇風機の1枚の羽」
扇風機の羽もケンカ
することが
あるのでしょうか
お前さもっと
回転のリズムが
あってないぞ
しっかりと
回ってくれないと
羽の中から
はずされるよ
まあ扇風機の羽も
人間界と同じようです
練習に励む
扇風機の1枚の羽を
応援したくなるのは
義理人情でしょう
作家 中谷美咲
140字小説
ポエム
「妄想文学」
・言葉を見れば
その人間の本性が
まるわかり
勝手に文字にする
だれだれのこと
そんなややこしいこと
書かないし
どうでもよい
名称などまったく書く
必要はない
すべての物は詩にできる
詩人は妄想の世界へ
一直線
こいつはこんな考えで
今いるんだな
妄想こそ
誰もがほしがる文学
作家 中谷美咲
面白講釈
「落馬」
・・時は元録
今は令和六年
今日は落馬のお話
一言で
簡単なようですが
落ちると
痛いことになる
体だけではない
すべて痛いことに
レースもおわり
これで
おわかりでしょうか
すべってしまって
これで落馬
おもしろ講釈師
中谷美咲
140字小説
創作落語
「そんとき」
・こんな言葉を
耳にしたことが
ございます
そんとき
これはなんでしょうか
徳はしないようですが
損もしたくはない
どうしたらいいものか
時が解決してくれれば
いいのですが
そんとき
わかると思うのです
答えはでました
お後がよろしいようで
創作落語しらん亭咲
