若き日の激しき恋や柘榴の実 2019-11-21 | 恋の句 実柘榴に馳せる宇宙のビッグバン 爆ぜ柘榴なぜに火星は滅びたか 無数の火の玉のごとく柘榴生る 青空と熟れし柘榴の寓話かな 実柘榴やワインの貯蔵二千本 柘榴爆ぜ忘れてたこと思ひ出す 実柘榴や激しき恋をまう一度 実柘榴の転がり出たるふどしかな
逍遥の白のいざなふ秋暖簾 2019-10-22 | 恋の句 逍遥の白のいざなふ秋のれん 秋暖簾ひるがへりたる片想ひ 恋心さっと躱され秋のれん 隙間より覗く昭和や秋暖簾 写真の暖簾は麻の生地だと思いますが。「秋暖簾」で詠みたかったんです。 くぐりゆく昭和の町や秋のれん
振り向けば誰もゐなくて金木犀 2019-10-19 | 恋の句 木犀の香りのなかへ帰りゆく 木犀や褪せても恋の懐かしく 遠き日の恋のかをりや金木犀 懐かしき人の気配や金木犀 湯上りの纏ふ香りや金木犀 木犀の香の誘ひたる旅心 木犀やローカル線の停車の間 ドア開けば香り入り来る金木犀 木犀に合はせし色の帽子かな 色合はせ街ゆく帽子金木犀 木犀の香り沁みゆく老いの肌 歯科出れば歯にかをりたる金木犀
火恋し 2019-10-18 | 恋の句 夕暮の駅のホームや火恋し 雑踏に嗅ぐ君の香や火恋し 雑踏の孤独ぽつんと火恋し 火恋し遠く消えゆく電車の音 電車の灯り見送れば火恋し 沈みゆく陽に映ゆ雲や火恋し 「火恋し」は4文字なのに、なぜ5文字として使われるのか、ナゾでわかりませんでしたが、なるほど、そういうことか。と口に出して言ってみて納得しました。 そろそろ火が恋しい頃となって来ました。今朝も明け方はだいぶ冷え込みました。
もみぢ葉や園児の帽子もみぢ色 2019-10-14 | 恋の句 まっかっか紅葉見上ぐる猿の尻 芳しき参道の揚げ紅葉かな 参りつつパリパリ食ぶる紅葉かな 空白の紅葉の隙の紅葉かな 文庫本もみぢ一葉や恋の章 晩年に火のごと燃ゆるこい紅葉