《 キャラクター&キャスト 》
川神 神流(かんな)司会 ・・・ 古舘 伊〇郎
氏神 スプリングフィールド・・・ジャン ・ レ〇
湖神 ナセル ・・・・・・・・・ キャサリン ・ゼータ ・ ジョーン〇
川神 ハリ ・・・・・・・・・ ジュリア ・ ロバー〇
閻魔大王 ・・・・・・・・・・ 竜 〇太
山神 早池峰(はやちね)・・・ 壇 れ〇
山神 ブライトホルン ・・・・ ヒュー ・ ジャックマ〇
すると私の乗っている議席の前方に、
突然、少々変った簡素な議席に乗った神様が現れました。
あれっ、それと呼応したかのように、
精霊や野鳥、昆虫達が球庭の草木に羽を休めました。
シーンと鎮まり返った中、その神様は内壁の神々に向かい、
大きな言霊でこうおっしゃいました。
《 皆様、御静粛にお願い致します。
先程、スミレ様の偉大なる神力により、
十和田湖上空にて天の岩戸が開けられ、
大黒天様がお出ましなされました。
今一度盛大なる拍手をお願い致します。》
すると、万雷の拍手と喝采の波動が押し寄せて来ました。
全方向から来るのですから、とてつもない迫力です。
大黒天様は、その場でお立ちになり満面の笑みと、
御手を上げられて大勢の神々に御答えになられました。
しばらくして大黒天様は御着席なされましたが、
まだ拍手は鳴り止みません。
《 皆様、御静粛にお願い致します。
限られた時間ですので、お疲れの所恐縮では御座いますが、
議長を天御光様より、
大黒天様に交代されまして、改めて審議を再開致しますので、
宜しくお願いを申し上げます。
まず、大黒天様を先達として、主神様のお代理の鳳凰に
お参りをさせて頂きます。略式一拝のみでお願い致します。》
と仰せになると同時に、パッと姿が消えました。
なるほど、今の神様は司会のようなみ役なのでしょう。
それに、この会議場の外でお聞きした、
大黒天様のお出ましのアナウンスの御声と同じようでした。
あっ、始まるようです。
大黒天様がまず後ろ向きになられ、合掌し一杯なされました。
《 主神様、これより神議りを再開致します。
私、大黒天、謹んで議長を勤めさせて頂きます。
天上界の神々と共に、ここ2ヶ月間で練りに練り上げた
計画を吟味し、一部の隙も無いものに仕上げる為、
全力を尽くす所存に御座いますので、
何卒宜しく御願いを申し上げ奉りまする。》
そして、ミカエル様が動かれました。
《 皆様、私こと ミカエルが引き続き議事進行役を
勤めさせて頂きますので、宜しくお願いを申し上げます。
まず、私から議長である大黒天様に、
これまでの二ヶ月の間議論した内容を簡潔に
御報告をさせて頂きますので、宜しくお願いを申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ 以上で御報告を終わります。》
ミカエル様の御報告は35分近くありました。
目の前に時計があるので分かります。
私はそれらの内容をお聞きし、
戦慄と共に神々の深い御愛情を感じずにはいられませんでした。
では、私が報告内容を更に簡潔に御説明致しましょう。
まず、各国の状況報告をなされました。
議長席前の巨大なスクリーンを使われ、
日本から始まり、アジア諸国、オーストラリア、
ロシアという具合に東から西へ、最後はアメリカの報告でした。
ただ、主要な国だけ取り上げられたようです。
その詳細は、国の政治経済の状況と国民の想念状態、
霊層状態、魂の善徳悪徳の割合とその分布、
また聖者として相応しい者の名前も挙げられていました。
私が名前をお聞きしても、知らない名前ばかりでしたが、
殆どの場合、当然でしょうが宗教関係者は極僅かでした。
五大宗教から枝分かれし、大元の教えは幹部や信者達が
自分の都合のいい内容に書き換え、金と信者獲得の為に
利用されているようなものになってしまいました。
つまりは神雇い信仰、神利用信仰といっても過言ではないでしょう。
人間、徒党を組むと権力争いはどうしても起きてしまいます。
そこに神の愛と教えが反映されることはないでしょう!
巨大な団体になればなるほど、と言えるのでは?
話を戻しますが、国の大統領、首相や政治家の名前は
殆ど無く、財閥や芸能人と言われる人の名前も、
極僅かしか挙がりませんでした。なるほど納得です。
一つ言えるのは、貧富や老若男女に係わらず、
どれだけ魂と心が美しいか、神の教え、法則に沿った
生き方をしているか、常にお詫びと感謝の祈りを捧げ、
深く広く大きな愛情で人に接しているかが問われていました。
神心親心になって物事を考える事が大事です。
我々は神の子ですから親を想うという神心になることは可能です。
その辺は、人の親子と変りないのです。
さて大黒天様が、今の報告に対しての見解を述べられるようです。
《 ミカエルよ、報告大義であった。
そして、正神の皆様方。
只今の報告により、皆様方の大変な日々の御努力と
主神様への忠義の心、わたくしの魂に強く響き渡りました。
心より厚く御礼申し上げます。
世界情勢はわたくしの予想を上回る勢いで悪化しているようです。
我らが神の子は、自分の尻拭いも出来なくなったので、
親である我々が代わってミソギハラヒで
綺麗にして上げているものを、未だにそこをサトレず
不平不満・愚痴を溢すとは、主神様の堪忍袋の緒が
切れるのも無理からぬことで御座います。
全ては欲望を制御出来ずに暴走する人間が、
殆どを占めたことによりますが、
それを見逃して来た下級神の皆様も既に、
上級神の説得に応じ隠居をされております。
ただ、この後に及んでも上級神の説得に耳を貸さない
分からず屋というか、石頭というか、邪神に堕ちた輩が、
僅かながらおるとは甚だ遺憾であります。
しかもその者達は、この場に現れず、詫びもせず
何処かに姿を晦ませ、最期の抵抗を企てるとは、
うぬぅぅ ・・・ 全く以って許し難い行為であります。
主神様がこの状況を、どんなに嘆いておられるか、
皆様方も良くお分かりの筈だが、ぐうぅ ・・・
今ひとつ足りない物が ・・・ 最後の詰めが甘いのでは ・・・
特に下級の神々よぉ、我ら上級の神と手を組み、
神十字文明、シリウス文明を築く事が ・・・
そんなに女性性意識が上に成るのが嫌なのか。
うぬぬぅ、気乗りしない者が、ま~だ少々居られる様だな、
よ~く見えるぞぉ、覇気の弱い魂を持つ者ぉ、
ごおうぅ~、はああああぁ ・・・》
あああ ・・・ えっ、えらい事になりました。
だ、大黒天様が、始めは穏やかにお話でしたが、
次第に熱を帯びて、それが更に怒りへと変化して、
ああ、目が恐ろしい光を発して、はっ、吐く息やお体全体に
放電のような稲妻なのか、それとも炎の神気か
怒りの闘気とも言えるもので覆われてきました。
しかも、ビキッ、バキッ、バアリッ!
などと時空が歪む様な音まで響いて来ます。
そうなると場内は大混乱で、どよめきと悲鳴まで聞こえて ・・・
あっ、だっ、大黒天様の両目が真っ赤に光り、
バリバリバリッダッガーーン!!!
轟音と共に深紅の稲妻の様な閃光が幾つも
枝分かれをして、青で埋め尽くされた議席の
数箇所を直撃した模様です。
ああっ、すぐに第二波の稲妻が落ちました ・・・
あああ、物凄い爆音です。
耳を塞いでおけば良かった。
くう~、全身痺れました。
しかし何ということでしょう。
直撃を受けた神様は大丈夫でしょうか?
あちこちで煙が上がっていますが ・・・
どなたかお止めにはならないのでしょうか。
大黒天様はまだ怒りを解かれておりません。
議長席を見上げても、
他の大神様は静観されている御様子です。
《 いいかい、こういう時は口出ししてはいけない事に
なっているのだよ。
大黒天様はお考えあっての事なのだ。
それに今の 『 神の雷槍(らいそう) 』 を受けても、少々痺れる位で
大した事はないから心配ないよ。力は抑えておられるのだ。
神の世界は人間の社会より、遥かに厳しい掟があるのだよ。
何しろ、人になるまで間があるという人間達に、神の存在、
掟と教え、更に神の子であるという自覚と聖使命を
認識させるという重要な役目がある。
上級神達は下級神達を育てるため、
地球の統治をしばらく任せることにしたのだが、
人間達に欲望の赴くままに物質開発をさせ、
競争させる事により下級神が望む理想郷を築こうとした。
その為には多少の悪事や、競争や戦も目を瞑ったのだ。
それが、主神様にも認められ
御喜び頂けると想っての事なのだが ・・・
結局は下級神自体が自分の欲望を制御出来なくなり、
我と慢心甚だしいものとなった。
そのことに対しての反省やお詫びも僅かであれば、
大黒天様からお叱りを受けても仕方のないことだよ。》
ミカエル様は、小声で仰せになりました。
*この台詞部分は真光の教えをある程度入れましたが、
読者の皆様には、
この小説内の私の仮説であると思って頂ければ幸いです。
真光の教えでは、下級神とした部分は、副神。
上級神は正神であります。
この物語では、邪神以外の神を正神と致します。
更に、正神を上級神と下級神とに分けます。
※ 現在、私は真光は勿論、宗教には何ら関りを持っておりません。
特に、創価学会、統一教会は、天上界から、悪魔指定されているそうですから、即刻やめることをお勧め致します。
これは、Kさんからの情報ですので間違いありません。
そして、個人で太陽信仰を極める努力をなさってください。そこは、私の小説以外の記事を是非参考にしてください。
勿論、ご自分でも霊的検証は必ず行ってください。
やがて、場内は落ち着きを取り戻しました。
すると一瞬の内に、2、30人の神様が議長席の前に現れました。
皆、正座をして頭を下げ、顔は青ざめ必死の形相と言えます。
先程、雷槍とミカエル様は仰せでしたが、
その雷の槍の衝撃を受けても皆様頑丈なようで、
衣服が少々焦げた位で体は何とも無い様です。
大黒天様は鋭い眼光で、ジイッ と睨んでおられます。
重苦しい雰囲気の中、
意を決した一人の男神が頭を上げて口を開きました。
《 大黒天様ぁ、
わたくしはアメリカの氏神スプリングフィールドで御座います。
も、申し訳御座いません。
わたくしは、まだ以前の悪い癖が抜け切れず、
未練がましいことばかり考え先を憂いておりました。
何卒お許し下さいませぇ。》
間髪を入れず、次の女神が力無くおっしゃいました。
《 わたくしはエジプトの瑚神でナセルと申します。
情けなくも過去の栄光と我を捨て切れずに、
悶々としておりました。心よりお詫び申し上げます。
お許し賜りますよう御願い申し上げます。》
そんな感じで、次々と下級神の神はお詫びをなされました。
その間、大黒天様は厳しい眼差しで御覧になられておりました。
全員のお詫びの言上が終わると、大黒天様は力強く仰せになりました。
《 皆の気持ちはよお~く分かった。
全く世話を焼かせおって・・・
お前達の事は、主神様が大変御心配なされておったのじゃ。
この親不孝者めが ・・・
まあ、少しは気合が入って来たようじゃ。
ただ、明日からの神裁きの三日間で、
どれだけお詫びの証を立てられるかが重要だ。
分かるな。この場は許してやろう。
要らぬ雑念と執着は徹底して捨てることだ。
まずは正しい想念と努力の目標、過程と結果が大事じゃ。
それらを踏まえ、与えられた使命を深く胆に銘じ、
主神様への愛を形に現すのだ。
その為しっかり上級神と連携を取り、
一丸となった拳で悪の野望を打ち砕くのじゃ、良いなぁ! 》
《《《 ははあ~、畏まりましたぁ! 》》》
下級神の皆様は、声を合わせて御返事をなされました。
《 うむ、皆期待しておるぞ。では下手に控えていなさい。》
下級神の皆様は下手の、ミカエル様と私がいる議席より、
更に離れた場所に御移動なされました。
次に大黒天様は、厳しい表情でこうおっしゃいました。
《 さて、先程の話の続きですが、
我等が神の子の魂は平均的に霊層が限界まで落ち、
当然、霊・心・体、共に美しい者は少なくなりました。
その中で、神の声を聞き分けられる聖者として相応しい魂は
極僅かであります。聖者の数が少なければ、
自ずと補佐する者の数を増やさねばならなくなります。
そこで、当初から予定していたミカエルに加え、
ガブリエル、ウリエル、ラファエルも 「神の光輪」 に入る事で、
補えると想うのであります。
そこでミカエルに了解を得たいと想いますが、
どうかなミカエルよ。》
ミカエル様は、議長席にお向きになり即答なされました。
《 大黒天様、お気遣い真にありがとうございます。
わたくしには何の異存も御座いません。
むしろ彼等と共に奉仕させて頂けることに、
無上の喜びを禁じ得ません。
これで我等が作戦も磐石になるものと存知ます。
どうか、彼等に任命のお言葉を ・・・》
《 ミカエルよ、汝の真摯なる愛、感じいったぞ。
では、皆様の賛同を得たいと思いますが、
この一件、如何で御座いましょう。》
大黒天様が仰せになると、
場内は拍手と歓声が巻き起こりました。
《 皆様、御賛同を頂きまして有難う御座います。
では任命を致します。
ガブリエル、ウリエル、ラファエル、前へ出でよ。》
大黒天様の力強い言霊が響きました。
すると、瞬時に三人の神が現れ、横一列に控えられました。
《 面を上げなさい ・・・
ガブリエル、ウリエル、ラファエルに対し、
ミカエルと共に 「神の光輪」 に入り我を補佐するみ役を与える。
皆、承知の事と思うが、ミカエル同様、
各地の 「神の光玉」 に対し天意の波動を送り続けなければならない。
その際、一瞬でも隙が生じれば、その隙を狙い、
邪神軍団が進軍してくる。それを決して許してはならぬ。
三人共にミカエルと一体と成り、聖使命を全うするのだ。
しかと命じたぞ!》
大黒天様から任命された三人の神は、言霊を揃え、
《《《 ははぁ。有り難き幸せに存知ます。必ず遂行致します!!! 》》》
とお答えになりました。
場内は暖かい拍手と愛の波動に包まれました。
そこに、ミカエル様が歩み寄られ、
他の三人の大天使と円陣を作り、
共に手を取り見つめ合われました。
万感の想いがおありなのでしょう、
皆様込み上げる感情を抑えようとしても、
御目からは涙が溢れ出ている御様子です。
少し間を置き、ミカエル様がおっしゃいました。
《 我等が四大天使、気の合う同志だ。
お互い一心同体となり、み役を遂行致しましょう。》
ガブリエル様
《 ミカエル殿、御一緒の奉仕をさせて頂けるとは、
身に余る光栄です。血が滾りますよ。》
ウリエル様
《 私も血が沸き立っております。全力で遂行致しましょう。》
ラファエル様
《 この喜び、例えようが御座いません。
わたくし不屈の闘志を持って望ませて頂きます・・・
ところでミカエル様。いつものシュプレヒコールで
締めるというのはいかがでしょう。》
ミカエル様 《 それはいい考えですね。》
すると、皆様は円陣のまま、右手を重ね合わせられました。
《 では皆さん、行きますよ。
主神様の祈り願いを地に成らしめる為に、
やるぞ、おお~う! 》
《《《 おお~う!!! 》》》
これは、何と素晴らしい神々の力強い結束であることか。
大黒天様は誇らしげに御覧になられ、
《 うむ、見事、見事じゃ。
お集まりの正神の皆々様 ぁ~。
盛大なる拍手をお願い致しまするぅ。》
そうおっしゃるや否や場内の神々から拍手喝采雨霰。
もう至る所で波紋ウエーブが巻き起こりました。
こうなると興奮なされた大黒天様は、
例の扇子を両手に持たれて・・・
《 あっぱれ、あっぱれ ・・・ 》
とその場で飛び跳ねられ、
つられた他の大神様の皆様も御一緒に
両手に扇子を広げて、愉快な舞を踊られました。
ついでに私は机の上で、立ち上がって皆様の真似をして、
ぴょんぴょん飛び跳ね、耳をふりふり踊りました。
ああ、愉快じゃ、愉快じゃ。
このうさぎの体は、結構自由に動きます。
ありがたやあ~。
《 いやあ~愉快愉快。皆様方、ありがとうございました。
御静粛にお願い致します。
では、3人の大天使よ、大義であった。下がって良いぞ。》
大黒天様がそうおっしゃると、三人の神は深々と礼をされ、
フワンという感じでお姿が見えなくなりました。
ミカエル様も御戻りです。
この神が出現したり消えたりというのは、
それぞれ特徴があり個性なのか?
もしくはその場に合わせての演出か?
急発進・急ブレーキする事で見え方が違うのか?
何かしらの意味があるものと思われます。
《 では続けます ・・・
「 神の光玉 」 の障壁に、 幽界の軽労働界以上の魂を使うのは、
先程の報告の通りで結構ですが、
わたくしの案として地獄の重労働界からも最低1000万の
魂を使いたいと想っております。
何をさせるかと申せば、
「 神の光玉 」 の 一 番外側の障壁のみ役を与えるのです。
それで三日間精進し、魂のレベルが上がれば、
地獄の星への転生が、楽な地域に変わってまいります。
うまくいけば故郷の星への帰還が可能になる者もいるでしょう。
そうなれば重い腰も上がるのではないかと思います。
如何でしょう、神々の皆様。
私の案に対して賛同される方は拍手を頂きたいのですが。》
大黒天様がそう仰せになると、
場内は割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。
はて?
先程から 「神の光輪」 とか、
「神の光玉」 とか、あたくしにはさっぱり分かりませんザマス!
《 皆様、御賛同頂き真にありがとうございます。
では、その事を踏まえた上で検討したいと思います。
ミカエルよ、重労働界で使えそうな人数はどれ程と見る?》
《 はっ、少々お待ち下さいませ。》
するとミカエル様は、
机の上の資料を暫し覗き込み、こうおっしゃいました。
《 大黒天様、残念で御座いますが、
該当する者は精々100万から200万と思います。》
《 それで構わん。
不完全な作戦になる事は百も承知である。わしに策がある。》
そう仰せになると、
下手に控えていた下級神の皆様に視線を移されました。
《 皆の者、前へ。》
フッ、と議長席の前に御移動された下級神の皆様は、
正座をされ一揖の姿勢で控えられました。皆一様に神妙な面持ちです。
大黒天様は、その様子を悪戯な目で御覧になられ、
ニヤリと仰せになりました。
《 皆、面を上げなさい。皆もわしが申す事を
多少は見当が付いたようじゃな。
あ~、そこのおぬし、当りぃ~!
だあっはっはっはあ~。
よいかな、今日中に地獄の重労働界から、
1000万の魂を集めるのじゃ。
だが、あまり強引なのはいかん。
うまく持ち上げて、やる気を出させねばなっ ・・・
ん、どうじゃ、そこのおぬし。出来るかな。》
《 も、勿論に御座います。
これだけの数が居れば、出来るものと、お、思いまする。》
《 何じゃあ思うとは、それに歯切れも悪い。
必ずやりますとは言えんのか?
そんな風だから最後の最後まで引退もせずだらだらしおって、
邪神に堕ちるのではないかと主神様に御心配をお掛けしたのじゃ。
又わしの雷槍を喰らいたいのか馬鹿者めが。
汝はインドネシアの川神ハリだったな。やり直しせい。》
血相を変えた女神のハリ様は、すぐに御返答なされました。
《 は、はい、申し訳御座いません。
必ず、必ず仰せの通り、他の者達と力を合わせ成し遂げまする。》
《 それで良し。皆の者、聞いたな。ただ監督が必要だな、誰ぞ居らぬか?》
間髪を入れず、数百ぅ~か千人近くの神様が現れました。
全く凄い。
《 流石じゃのう ・・・ ああ、では、そこの美しい女神と、
えー、そこのガッシリした男神。汝等に頼もう。
あ~他の皆様には申し訳ない。下がって宜しいですぞ ・・・
それで名は何と申す? 》
そこで二人の神様は、
ガッカリ落胆の表情で消えかかる神々の前に出て名乗られました。
《 御指名を賜り恐縮に存じます。
わたくしは日本の山神 早池峰に御座います。》
《 同じく御指名、光栄至極に存じます。
私はヨーロッパアルプスの山神ブライトホルンに御座います。》
《 ん~、なかなか両名共、頼もしくも美しい神気が溢れ出ておるのう。
良い事じゃあ。では、この下級神らの監督のみ役、
しかと申し渡しましたぞ。》
《《 はは、畏まりました!! 》》
二人の神様は、声を合わせておっしゃいました。
《 ただ、余計な奉仕が増えてしまって申し訳ないのお。
だが、これも主神様の御為じゃあ。
よいかな、今日中、午前零時までに1000万の魂を集めさせるのじゃぞ。
その後も、どの地区に配置させるかなどの作業がある。
それはわしが考えておくとして ・・・
ふふふふ、閻魔殿ぉ、用意がいいことですなぁ。
これぞ阿吽の呼吸じゃ。神とはこうあるべきもの。
他の皆も見習うがいい!》
いつの間にか威風堂々たる御姿の、
一目で閻魔大王様と分かる神様はお出でになり、
照れ笑いをなされました。
《 大黒天様 ぁ、お褒めの御言葉を賜り恐縮では御座いますが、
造作も無い事に存じます。
わたくし、地獄での奉仕がし易いよう協力させて頂きたいと想い、
控えておりました次第に御座います。》
《 そうかそうか、殊勝な心掛けじゃ。
では、遠慮なく閻魔殿の助力を頂こう。
方法としては、おぬしの閻魔帳の重労働界最上層から、
適任者を順に名前を挙げて、
一箇所に集めて皆で説得するのがよかろう。
まあ、やり方はこちらの下級神の皆様になるべく任せ、
よほどの事がなければ手は出さんでくれ、修行にならんでのお。》
《 はは、しかと承りました! 》
閻魔大王様は、力強く御返答なされました。
《 うむ! では選ばれし下級神の神よ、
これも試練と想い、お詫びと感謝で励むことだ。
この神議り終了後、閻魔殿と監督役の二人と共に地獄に赴き、
直ちに任務に当たるのじゃ。よいな! 》
《《《 はは~!!! 》》》
気が進まなかった下級神の神様も、決死の覚悟の御様子です。
《 閻魔殿、早池峰殿にブライトホルン殿、宜しくお頼み申しましたぞ。》
《《 ははあ~!! 》》
《 では、お下がり下さい。》
大黒天様が仰せになると、皆様はフッ、と一瞬で消えました。
しかし、何度も見ていますが、これは瞬間移動?
それとも、単に移動速度が速いのか?
大黒天様が青森の十和田湖から出雲へ御移動された時も驚きましたが。
まあ、肉体の無い霊体のみの神ですから、空気抵抗など関係無いでしょう。
全く凄いです。
質量があるというニュートリノですら、
殆ど抵抗無く地球や人の体を貫くそうですから、
驚く事もないのでしょうが・・・
その後会議は、邪神軍団の世界の分布とその動向。
「神の光玉」の配置場所や、
神々の持ち場の確認と微調整など多岐に亘りました。
詳細は明かせませんが、
驚愕・戦慄・感動せざるを得ない事柄で御座いました。
ただ一点だけ、お教え致しましょう。
その内容は、明日からの 「神裁きの三日間」 が如何なるものかを、
世界中から選ばれし聖者を通して、
全人類に知らしめるという、恐るべき事柄です。
心して御覧下さい。
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