経済産業省は4月28日、2030年時点の電源構成(エネルギー・ミックス)を検討している有識者会議に、同省の原案を提示した。その内容は、原発ゼロ、再生可能エネルギーの普及を求める国民世論に真っ向から挑戦するものであり、断じて容認できない。撤回を強く求める。
問題の第一は、2030年時点で原発の比率を20~22%としていることである。20~22%を達成するためには、すでに廃炉が決まっている以外の原発をすべて再稼働させることにくわえ、原則40年の運転期間を超えた老朽原発の維持や新たな原発の新・増設を予定するということである。
福島第一原発事故の収束のめども立たないにもかかわらず、再稼働反対、原発ゼロの世論を無視した原発推進宣言であり、許されるものではない。
第二は、再生可能エネルギーの比率を22~24%に止める一方で、石炭火力を26%も見込んでいることである。再生可能エネルギーについては、送電網整備やコストなどの課題も指摘されているが、環境省の検討会でも33%以上の導入が可能という試算が出されている。地球温暖化が大きな問題となるなかで、世界の流れにも逆行する経済界のための当面のコスト優先策として厳しく批判されねばならない。
以上のとおり、全労連は経済産業省の電源構成原案の撤回を求める。日本経済のためにも、技術力を活かして再生可能エネルギーの普及・開発に、政府あげて大きく舵を切るべきである。また、再生可能エネルギーでこそ、持続可能な循環型地域経済をつくだすことが可能だと考える。重ねて再考を求める。
2015年4月30日
全国労働組合総連合
事務局長 井上 久
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