【広島への原爆投下を伝えるトルーマン大統領の声明(全文和訳付き)】
1945年８月６日、広島に原爆が投下されたことが、ポツダムから帰国中の米軍艦上のトルーマン大統領に伝わり、声明が艦内で撮影された。
声明文は７日午前１時ごろ（日本時間）、ワシントンからラジオで報道され、日本の陸軍も受信した。
和訳： 先ほど米軍機が広島に爆弾１個を投下し、日本軍の拠点を無力化した。この爆弾はTNT火薬2万トンを超える爆発力を有するものである。日本は真珠湾への空襲によって戦争を始めた。これまで日本はその何倍もの報復攻撃を受けているが、まだ終戦には至っていない。この爆弾によって、強化されてきた我が軍の破壊力が革命的に増大した。現在、同型の爆弾を製造中であり、さらに強力な爆弾の開発も進めている。これは原子爆弾だ。宇宙の根源的なエネルギーを利用している。太陽エネルギーの源である力が、解き放たれたのだ。極東に戦火をもたらした者たちに向けて。我々は今や、日本のどこにある生産施設でも直ちにかつ完全に破壊できるようになった。港湾施設も向上も通信網も破壊する。確実に我々は日本の戦闘能力を壊滅させるのだ。完全な破滅から日本国民を救うための最後通告だった、7月26日にポツダムで発表された宣言は、日本の指導部はそれを直ちに拒否した。今、日本がポツダム宣言を受諾しなければ、激しい破壊の雨が降ることになるだろう。歴史上類を見ないほどの。空襲の後には、日本が見たこともないような兵力と火力による海軍と陸軍の攻撃が続くのだ。我が軍の戦闘能力の高さは既に日本に知れ渡っているのだ。我々は史上最大の科学の賭けに20億ドル以上を投じてきた。そしてその賭けに勝ったのである。
しかし、最も驚くべきことは、この計画の壮大さでも、秘匿性でも、費用でもない。原子爆弾を生み出した科学者の英知による成果なのだ。また、それと同様の称賛に値するのが、機械類を設計した産業界の能力と機械を操作した現場の能力、そして過去に経験がないことを実行した手法なのだ。アメリカ陸軍の指示のもとで科学者と産業界が力を合わせ、驚くべき短期間で他に類を見ない成功を収めた。今後このような連携がほかの国で実現することはないだろう。アメリカは科学史上最大の偉業を達成したのである。
*和訳はNHK戦争証言アーカイブスの内容をもとにしています。
参考： NHK戦争証言アーカイブス 広島への原爆投下を伝える米大統領の声明 https://www2.nhk.or.jp/archives/shoge...