⑥就寝前の 呼び出し

2021-10-29 12:00:00 | 
思い返すと、学生時代の「前半は」さほど、暮らしが乱れていなかったのだなと思う。
たかが23時なのに、「そろそろ寝よう」と思ったのだから。



俺だけん、会わせたいひとがいるんだ
今飲んでる。出てこいよ



電話の向こうで
いかにも居酒屋チックな歓喜が聴こえる

その日彼が飲んでいた らいふはうすのろ  がある吉祥寺という街は
武蔵境から中央線で二駅。自転車でも行けてしまう。
即ち、終電ないから、は断り文句として成立しない立地なので

例によって、40分後くらいにはもう、店の前で駐輪していた。

会わせたいひと
とは東京経済大学
出身の、世代が五、六こ上の方で
もうその方の顔も名前も忘れてしまったが
全く面識も、つながりもない方で、
会わせたかった、ほら、お前の先輩だろ?と言われても
リアクションに困ったのを覚えている(苦笑。

でもね・・。 彼は、人と人とを引き合わせたがるのだ。
で、実際、人脈がどんどん増えていくのもまた、事実なのよ。
そういう人は、なかなかいないのですよ。

のろ で飲んだのは時間も遅かったので一杯だけ。
僅か一杯だけですよ。 
一杯のウイスキーロック、小ジョッキに擦切りいっぱい 
を「ちょいと」飲んだだけだったが
夜は更けていき
夜霧と共に、記憶は霞んでいくのだった・・。


続く


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