
小野寺史宜 「天使と悪魔のシネマ」
小野寺さんの作品はリアルな世界を舞台とするものばかり読んでいたが、この本は、天使や悪魔や死者の霊などが出てくる。
星新一のショートショートのような、おとぎ話のような作品集だった。
人の死を取り巻く、残された人達の感情、亡くなった人の後悔や、生きている人達への想いなど、胸が締め付けられないはずはない。
だからこういう題材を選ぶのはずるいなあ、と思った。
「死」によって引き起こされる感情はもっとヒリヒリと痛いものだと思う。
おとぎ話のように、音楽のように甘く切なく描かれた「死」は少しアプローチが安易な気がした。
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