夏目漱石 「草枕」
今回の感想もネタバレ含みます
主人公の画家は、個々の人格が埋没する閉塞した俗世間から離れ「非人情」の美を追求する。
東京から離れた山奥で美しい那美と出会う。
彼女は「気狂い」だと噂されているが、今だったら「メンヘラ」だな。
画家も那美も僧侶も「俗」を遠く斜めから見て批評し、俗人とは違う個性的な自分にプライドを持っている。
でもどこか、世捨ての生活に足らないものを感じている。
画家が那美の表情に「憐れ」を見出し「それが出れば画になりますよ」と那美の美に足らなかったものは「憐れ」だと言ったが、それは画家が追求していた「非人情」とは真逆のものではないか。
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