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ひとりごとです

演劇 ■■毛皮のマリー■■

2019年04月10日 | 演劇
最近、演劇や映画の感想を
長く書くの、大変と感じるようになってきた
まとめるのに時間がかかる



演劇 ■■毛皮のマリー■■





なので、箇条書きにしよう







有名人から数え切れないくらいの蘭の花が
ロビーを埋め尽くし
お香のかおりが満ちていた

これから
演劇界のレジェンド美輪明宏の
有り難きお声を拝聴する会が始まるのだ
まるでミサに参加するよう
厳かな緊張感



やはり美輪明宏はすごい
あの迫力は、他の誰にも出せない

初演の頃に観てみたかったと思った
今は作られないタイプのお芝居
アングラという懐かしい言葉を
久しぶりに目にする

だいたい、同性愛者同志の結婚が
認められる国が増えていく現代と違って
初演当時は
同性愛者や性同一性障害への理解なんて
全くなかったのだから
社会から爪弾きにされたり
後ろ指をさされたりする存在だったのだから

そんな時代にこの作品を上演して大評判となったのは
つまり多くの人に支持されたというのは
奇跡的なことだと思った

日本のみならず
海外で上演される程までに話題になり
大好評だったという



久々に、戯曲とは文学だと感じた
シェイクスピアと同じ

ナチュラルな会話ではない
文学的言い回しが散りばめられた
研ぎ澄まされた台本
とても新鮮だった



淫靡な
倒錯した
禁忌の
グロテスクな
眉をしかめるような
毒をもった
人の心の闇の部分

誰からも受け入れられる
ストレートな美しさとは違う

それでも多くの人が惹かれ
繰り返し劇場に足を運んだのだ



しかし
初演の頃から人々は
ディズニーに洗脳されてしまったというか
可愛い、綺麗な、何の曇りもない
差別も暴力も偏見も犯罪も助長しない
安心して観られる作品に
すっかり慣れてしまったと感じた

初演当時は「毛皮のマリー」のようなテイストの作品は
他にもたくさんあったと思うが
最近は、上述したクリーンカットな作品ばかりだから
久々にギョッとした

観ていた人達も
一幕終わった所で、キョトーンという反応で
お芝居が終わった時も、終わったと分からず
「え?もう終わり???」みたいな空気だった



美輪明宏、もう83歳なのか
普通、83と言えばヨボヨボのおじいちゃんだけど
あれだけ体力の要る舞台こなせて
圧倒的な存在感とオーラを放てる
役者としてのエネルギーにはひれ伏してしまう

ご本人には失礼な話だけど
舞台が観られるうちに
一度観ておきたいと思って行ったのだ
観て本当に良かった
他の作品も観てみたい「黒蜥蜴」とか



麗しい男娼に育てられる
美しい18歳の少年、欣也を演じた人は
芸能界に入ったきっかけが
ジュノン・ボーイだそうだが

このお仕事は
彼の役者としてのキャリア上
忘れられない機会になったと思う
(そうだと良いな、いや、そうなるはずと信じる)



「毛皮のマリー」や美輪明宏を
Wikipediaでいろいろ調べてみて
美輪明宏の若き日の美しい写真に
(竹下夢二や中原淳一の描く少女のよう)
見とれてしまったり

美輪明宏は長崎出身で
原爆を体験されたとか

三島由紀夫やコシノジュンコ達と
一緒にお芝居を作っていたとか

もう、人生そのものが
歴史の教科書!



繰り返してしまうが
彼の舞台を観られたのは本当に幸運だった

観終わった後からも
思い出してはジワジワジワジワと
面白さが増してくる舞台でした
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