
小野寺史宜 「カニザノビー」
面白くて一気に読んだ。小野寺史宜の作品の好きな所は、登場人物がみんな不器用だけど誠実で真摯でいい人な所。「ライ麦畑でつかまえて」の主人公が「好きな本は、登場人物に電話して話をしたくなるような本」と言っていたけど、そんな感覚。主人公の上の階の部屋に住みたいと思う。
明治時代の文豪の作品のように重厚ではないけれど、引っ掛かりを残す。「本流ではないところに位置するような話」という一文が出てきたけれど、そんな感じ。気付かずに通り過ぎる人も多いだろう。でも、私は気付いてよかった。
2019年に「ナオタの星」に改題。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます