瀬戸内海に浮かぶ離島「長島」にある
(今は橋がかかって陸続き)
国立ハンセン病療養所に
10歳の時入所して以来
80年間ずっと長島に暮らしてきた
宮﨑かづゑさん
78歳で初めてパソコンに触れ
84歳で本を出版
すごすぎる…
映画 ◾️◾️かづゑ的◾️◾️
ハンセン病というものが
どういう病気か無知だった時代
患者を離島の療養所に隔離したり
患者が結婚したら子どもが出来ないように
手術させたりという
人道に反する政策に
人生を狂わされたかづゑさん
政府に不当に扱われただけでなく
近所の人たちから避けられ
家族からも切り離されてしまいます
(亡くなられても自宅に引き取って
お葬式をしたり
先祖代々のお墓に入れることはなく
島でお葬式を上げ
島の納骨堂に納骨する家族が
ほとんどだったようです)
それどころではなく
症状が軽度なハンセン病患者の中には
重症な患者につらく当たる人もいます
今まで受けてきた差別の鬱憤を
自分より立場の弱い人をいじめることで
晴らすのです
(よくあるいじめの構造)
ほとんどの患者さんが
自分の不当さを憂えて絶望したでしょう
かづゑさんを救ったのは読書
そして文集に詩や文章を寄せたこと
島から一歩も出られないけど
本はかづゑさんを
島の外へ、国の外へ
空想の世界へと連れて行ってくれました
文章を紡ぐ中で自分の考えを整頓し
作品を創造するという過程で
かづゑさんの満たされない思いは
昇華されて行ったのだと思います
これだもの
読み書き大切
ただの生活に必要な技能じゃない
心を空に舞わせ
生きていくための
精神的なエネルギーをくれます
それから、夫・孝行さんとの出会いも
大きかった
かけがえのないパートナーとの出会い
夫だけでなく
友達や、サポートするスタッフさん達
たくさんの差し伸べられる手と手に
恵まれていたと思います
何よりも運命を大きく変えるのは
自分の境遇の受け止め方
<パターン1>
過酷な状況の中
「もうだめだ」と諦めたり
自暴自棄になって
ますます落ちて状況を悪化させる
<パターン2>
どん底から抜け出せないような状況でも
どこかに光を見つけて
少しずつでも光の方へ進んでいく
このどちらのパターンで
自分の境遇を受け止めるかで
事態は悪くなったり良くなったり
変わっていくのだと
自分に言い聞かせながら観てました
でも、きっと私は
早々に諦めてヤケになって
ますます悲惨になっていくな
長島の風景は本当に美しくて
行ってみたくなりました
それにしても
うさぎ島で有名な
大久野島の毒ガス研究所とか
回天訓練基地のある大津島とか
瀬戸内海には負の遺産が残されてるなあ
本当にのどかで美しい
天国のような風景と
ネガティブな歴史とのコントラストが
何とも言えないのです
かづゑさんは
ハンセン病患者として
人生を狂わされたのですが
今は多くのスタッフのサポートを受けて
見守られているのが
ちょっと羨ましくなりました
(誕生日のお祝いをしてもらったり
故郷を訪れる時
手配やアテンドしてもらったり)
少子化の加速する今後
私たちはあんなふうに
たくさんのスタッフに見守られる老後は
望めないだろうな、とも思いました
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