プロ家庭教師 俵屋の日記

気になること あれこれ

ばねのグラフの問題

2016年12月22日 | 理科
前々回の理科のグラフは、ばねの問題のものでした。

読み取ってみましょう、と載せたグラフがこちらですね。


では例によって
 ① 縦軸と横軸が何を表しているのか。
 ② 縦軸と横軸の単位。
 ③ グラフの1目盛りがいくつなのか(縦軸・横軸それぞれ)。
を押さえて、読み取ってみましょう。

縦軸はばねののびを表していて単位はcm、1目盛りは0.5cm、
横軸はおもりの重さを表していて単位はg、1目盛りは20g
ですね。そして、
ばねXは100gのおもりをつるすと2cmのび、
ばねYは100gのおもりをつるすと2.5cmのび、
ばねZは100gのおもりのところは中途半端なので60gのおもりをつるすと2cmのびる、
ということがわかります。

ここでもう1つのばねのグラフですが、

これ。

先ほどのグラフと縦軸の内容が違いますね。
こちらの縦軸は「ばねの長さ」、先ほどのグラフの縦軸は「ばねののび」です。

ばねの長さ、ばねののび、とは、こういうことです。


ばねは、「つるしたおもりの重さとばねののびが比例する」という特徴があります。
この比例関係を使って問題を解くので
問題文に示されているものがばねの「長さ」なのかばねの「のび」なのかを明確にする必要があるのですね。

例えば下のグラフを与えられて、ばねBに600gのおもりをつるすとばねは何cmになるか、と問われたときに、

おもりが2倍になれば長さも2倍、3倍になれば3倍だ!
ばねBは150gのときに25cmになっている!
600gなら600÷150=4で4倍だから25×4=100cmだ!!

とやってしまってはいけないということです。

ばねBはおもりが0g、つまり何もつるしていないときの長さが20cmですから、
150gのおもりをつるしたときののびは
 25−20=5cm
なので、150gで5cmのびるばねだ、ということが分かります。
よって、600gでは
 600÷150=4
 5×4=20
 20+20=40    40cm 

となります。


ここを適当にしてしまって間違える生徒も多いですので
しっかりと気をつけましょう!

読解力と理科

2016年08月11日 | 理科
先日教え子に出した問題。

  たかしくんは、呼吸について調べました。静かにしているときは1分間に15回、50m走をした直後は
 1分間に25回呼吸をしていました。また、1回の呼吸で吸う息の量とはく息の量も調べてみたところ、
 静かにしているときは吸う息の量とはく息の量はそれぞれ500㎤、50m走をした直後は吸う息とはく息の
 量はそれぞれ600㎤でした。さらに、吸う息とはく息にふくまれる酸素の量を調べたところ、静かにして
 いるときも50m走をした直後も、吸う息で21%、はく息で16%でした。次の問いに答えなさい。
 ⑴ たかしくんは50m走をした直後、酸素を1分間に何㎤体内に取り入れていますか。
 ⑵ 肺ほうのかべを通して、空気と血液の間で酸素の受けわたしが行われます。50m走をした直後には、
  かべ1㎡あたり1分間に6㎤の酸素が体内に取り入れられたとすると、肺の内側の表面積は何㎡ですか。
 ⑶ たかしくんが静かにしているとき、心臓は1分間に60回はく動し、1回のはく動で80㎤の血液を
  全身に送り出します。そのとき、1㎤の酸素を全身に与えるためには、何㎤の血液が必要になりますか。
  小数第1位まで答えなさい。


計算自体は簡単なものなんですが
問題文の意味がとれないと、手も足も出ません。

基本問題は解けるんだけど、応用が‥というときは
読解力を鍛えるのがいいかもしれませんね。

太陽と月の問題 続き

2013年12月27日 | 理科
うかうかしている間に、暮れが押し迫ってきました。

先週から冬休み仕様で動いているのですが
今年はレギュラーの生徒さんに加えて駆け込みの高校受験の生徒さんがいるので
授業がぱつんぱつんに入っています。
ありがたいことですね‥

という訳でパソ子大活躍なわけですが
新しいイラストレーターを購入したので(ドトール仲間の大学生に大変お世話になりました)
問題がすいすいできるようになり、快適です。

それまでは調子の悪いイラストレーターに業を煮やし
OpenOfficeに鞍替えしていたのですが
縦書きがなぜかプリントできず
さらに図形をうまく書く事ができないので大変困っていました。

しかし、OpenOfficeは数式を美しく書けるので
縦書きと図形以外は愛用しています。

ということで、新しいイラストレーターを使って、前々回(随分前ですが‥)の理科の「太陽と月」の
「下弦の月が南中するのは何時?」
「二十六日月が見えなくなるのは何時?」
の問題をやってみましょう。


1 下弦の月が南中する時刻

  まず地平線を書きます。


  南中する下弦の月を書き込みます。


  下弦の月は「半月」ですので、半月は太陽との角度は南を中心として90°、
  月が光っている方向に太陽はありますから、下弦の月は左側が光っていますので、太陽は月の
  左側にあることになりますね。
  それをふまえて図に太陽を書き込みます。


  ちょうど東の地平線に太陽がきます。日の出ころですね。
  理科のこの手の問題では、日の出=6:00ですので
  答えは午前6時、となります。


2 二十六日月が見えなくなる時刻

  地平線を書きます。


  月が見えなくなるのは、太陽が出始めたとき、もしくは
  月が地平線の下に隠れたときですね。

  とりあえず日の出のときに二十六日月がどこにいるのかを探してみましょう。
  図に太陽を書き込みます。


  二十六日月は「細い月」なので、太陽との角度は90°よりせまくなり、
  月が光っている方向に太陽はありますから、この場合は向かって月の左側に太陽があります。
  書き込んでみると


  こうなりますね。
  このあと、二十六日月は空を動いて行くのですが
  太陽も出ているので、二十六日月は沈むまで見えないことになります。

  というわけで、二十六日月が見えなくなるのは午前6時、ということがわかりました。


寒い時期が続きますが、受験生の皆さんは栄養のあるものをたくさん食べて
頑張って冬休みを乗り切って下さい!

「太陽と月」の問題の解き方

2013年09月21日 | 理科
今夜も月がきれいです。
今夜は立待月ですね。

では早速(?)、太陽と月の問題の解き方です。

まず、こんな感じで地平線と方角を描きます。

ここに太陽と月の図を描き込むのですが、図の中における時間はこんな感じです。
季節感は無視します。
太陽は6:00に出て18:00に沈むという設定です。
18:00から6:00は太陽も月も地平線の下にあることになります。

次に月の形ですが、
細い月

  左が三日月、右が二十六日月ですが、ちょっと太かったですね‥

半月

  左が上弦の月、右が下弦の月

太い月

あとは満月と新月があります。


これらを太陽と共に先ほどの図に描いていきます。
たとえば夕方南西の空に月が見えた、とするとこんな図になります。

太陽と月が南を中心としてどんな角度になっているか、が月の形を決めます。
・90°より小さい‥‥細い月
・90°‥‥半月
・90°より大きい‥‥太い月
・180°‥‥満月
・0°‥‥新月
となります。
そして、満月と新月以外は、太陽のある方が光ります。

という訳で、上の例の月は
・角度が90°より小さい
・太陽は月の右側なので月は右側が光る
これを図に描き込むとこうなります。

三日月でした。


ではもう一つ、夜10時ころ真南に見える月は?

図にするとこうですね。

角度は90°より大きく、太陽は月の右側、ということからこんな図になります。

例として挙げておいてなんですが、この月の名前は私が使っているテキストには載っていないようですね‥


まあ、こんな感じに図で描いていくと
「下弦の月が南中するのは何時?」
「二十六日月が見えなくなるのは何時?」
などの問題も結構簡単に解けますので、
受験生の方は参考にしてください。

太陽と月

2013年04月24日 | 理科
またとんでもなく間が空いてしまい
更に数日前のことを書こうとしています。

この間のGoogleのトップページはアースデイでしたね。


あちこち仕掛けがあって楽しませてもらえました。

しばらく見ていたら季節が移り変わっていってほーう、としばらく眺めていたのですが
蛍に1回しか出会えなかったのが残念。

太陽が沈むと月が昇り、そして月が沈むとまた太陽が昇り‥とくり返されていて
月も三日月やら満月やら移り変わっていきましたが
しかし太陽と月の関係通りになっていたのは満月のときだけでしたね。
26日月が東から出て西へ沈むのを一晩中眺めるなんていうある意味シュールな動画が楽しめました。


中学受験の理科のカテゴリーに「太陽と月」があります。
真夜中に南中する月は何かとか
明け方西の空に見える月は何かとか
そんな問題が出されます。

太陽と月との位置関係をちょっと覚えて後は図にしてみればあっと言う間に解けるのですが
このやり方をしている塾は少ないのでしょうかね‥

言葉の定義

2012年06月14日 | 理科
高校生・中学生の中間テストが全て返ってきました。

毎年思うのが
一学期の中間テストは気を抜く生徒が多い、ということです。
まあ、私が過去見てきた中高一貫の私学の生徒がサンプルですので一般化はできませんが
今回もあ~あ、という結果をもらってきた生徒が続出。

なかでも高校生はクラス分けがかかった中3が終わった開放感からか
一年ぶりに始めた運動部と勉強のバランスが取れなかったか
得意のはずの理科でありえない成績を取ってしまい、本人もかなりの落ち込み具合です。

落ち込むのはまあいいのですが
なぜそんなに問題が解けなかったか、その解明が大事ですね。


新単元に移ったときには、その単元で新たに使う単語について
必ず定義を理解し言えるようにすること、と
教え子に言い聞かせています。
これは中学受験の小学生からずっと言い聞かせているのですが
なかなかやらないのですね。

今回の高校生は、物理のこの「定義」が驚くほどあいまいで
つまりよくわからないけどとりあえずこういう計算式をつかえばいいんだな程度で
中間テストに臨んでしまったわけです。
その日の復習で必ずやるべき内容だと指示しているのですが
まあ、面倒くさいのでしょうね。
「教科書とノートをその日のうちに読み直して理解し、暗記するものは暗記する」
が私が指示する復習の基本的な内容なんですが
このわずかな労力を惜しんだためにえらいことになったというわけです。

ちなみにこの生徒が理解しておくべきだった単語は
「速さ」「速度」「ベクトル」「スカラー」「変位」「相対速度」などです。
全部黒太字になってるのにねえ‥
物理におけるこれらの定義は
「物体が一直線上を単位時間あたりに進む距離」
「速さに向きを加えて考えたもの」
「大きさと向きをもつ量」
「大きさだけで表される量」
「位置の変化をベクトルで表したもの」
「運動する2物体のうち基準となる物体Aから見た物体Bの速度」
ですが、特に「速さ」と「速度」がわかってなかったようで
「速さ」の定義は小学校の算数とほぼ同じで学校で習うんですが
少なくとも中学受験のテキストには書いてあるよ‥


基礎はほんとうに大事なんですよ。

星空のディスタンス

2011年11月11日 | 理科
小6生の理科の授業が天体に入りました。

使っている問題集では星座は4年生でやってしまっているのですが
もちろんそんな前の内容は覚えているはずはありません。

今回の内容は星の年周運動やらのところだったのですが
その前に‥

「ベテルギウスは4つのうちどこ?」
「えーと、左下?」
「(‥左下の星の名前は私も知らないなあ‥)じゃ、何色?」
「白!」
「(‥全部はずれだがね‥)夏と冬の大三角と北の空の星、星座と星の名前暗記し直しね♪」

などと指示を飛ばし、
緯度による天体の動き方の違い(赤道直下と極地は一度体感してみたいですねえ)、
季節ごとの地球の位置と見える星座(星占いとは少しずれているからね)など
本来の授業に入りました。



そんな時に深夜のNHK教育の高校講座理科総合を見ていたら
ちょうど天体の回でした。

国立天文台のHPでダウンロードできるという何かを使い
地球から太陽系、銀河系と宇宙空間をリアルな映像で見せてくれていました。
これはすごい!名古屋市科学館のプラネタリウムばりだがね!と早速パソ子で調べたら
おお、面白いものがたくさんあるー!!
今まで知らなかったです‥

NHKで見せてくれていたのはMitakaというヤツです。
まだ試していませんが、今度授業で使えるかな‥

右のお気に入りHPに加えましたので興味のある方はぜひどうぞ!