プロ家庭教師 俵屋の日記

気になること あれこれ

中学受験理科 中和の考え方3

2021年06月14日 | 理科
*中和の考え方1・2はこちら→


中和の問題にはグラフがよく出て来ます。
例えばこんな感じ。


問:次のグラフは、ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸を混ぜ合わせて
完全に中和したときの体積を表したグラフです。



グラフを見るときは、
 ①何を表しているグラフなのか
 ②縦軸と横軸はそれぞれ何か
 ③縦軸と横軸の単位はそれぞれ何か
 ④縦軸と横軸の目盛りはそれぞれいくつか
を、まず読み取ります。
当たり前のことなんですが、見ていない生徒は実は非常に多いです。

このグラフの場合、
 ①ある濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸が中和するときのそれぞれの体積
 ②縦軸は水酸化ナトリウム水溶液の体積、横軸は塩酸の体積
 ③縦軸、横軸ともに㎤
 ④縦軸、横軸ともに1目盛5㎤
ですね。

そしてグラフを読み取るのですが、目盛りの線とグラフの線が
ちょうどぴったり合っているところを見ます。
このグラフでしたら、


ここか


ここですね。
下のグラフの方が見やすいので、こちらで読み取りますと


水酸化ナトリウム水溶液は40㎤、


塩酸は30㎤
で混ぜ合わせると中和することが分かります。

つまりこの問題文の濃さの水酸化ナトリウム水溶液と塩酸は
40:30=4:3の体積で混ぜ合わせると中和することが
グラフから読み取れました。

読み取れたところで、教え子が間違えてしまった問題がこちらです。


塩酸の濃さはそのままで水酸化ナトリウム水溶液の濃さを2倍にすると、
グラフはどのようになりますか。下のア〜エから選び、記号で答えなさい。



教え子は
 元の水溶液は水酸化ナトリウム:塩酸=4:3で中和していて
 水酸化ナトリウム水溶液を2倍の濃さにしたから、4×2=8で、8:3になるから
 水酸化ナトリウム水溶液と塩酸が8:3になっているのはイだから答えは

としました。

うん、2倍っていうのは濃さが2倍なんだよ、と言ってもピンときていません。
これは中和の意味があんまり頭に入っていないな、ということで
もう一度中和の考え方をやり直しました。

濃さが2倍とは、大雑把に言えば、同じ量の水に溶けている水酸化ナトリウムの量が2倍、
ということですね。
そうすると、中和の相手の塩化水素の量も2倍でないと中和できません。
元の濃さで中和していた4:3の体積ですと、塩酸に溶けている塩化水素の量が
足りないということになります。
ということは、塩酸の量を2倍にしてやれば、溶けている水酸化ナトリウムの量と塩化水素の量は
ちょうどぴったり合いますね。
ですので式は
 3×2=6 となり、4:6=2:3の体積で中和することがわかります。
水酸化ナトリウム水溶液:塩酸=2:3 になっているグラフはウですので
答えは
となります。


問題をたくさんやっていくと、グラフが出てきたらここの部分を使えばいい、
計算はこういう計算式に数字を当てはめてやればいい、というような所謂
「やり方」だけをマスターしてしまいがちですが
やはり基礎をしっかりと理解した方が後々困らなくてすみますね。





中学受験理科 中和の考え方2(確認プリント付き)

2020年11月19日 | 理科
前回の続き、中和の考え方です。

前回は、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液をいい具合に混ぜ合わせると、
中性の水溶液ができることを解説しました。
では、いい具合でなかったら、どうなるのでしょう?

まず酸性の塩酸とアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液をいい具合に混ぜ合わせるおさらいです。

こんな感じの2つの水溶液を混ぜ合わせると


こういう感じに中性の食塩水ができあがるのでしたね。

ちなみにこのできあがった食塩水を加熱して水分を蒸発させますと

こんな風に、固体である塩化ナトリウム(食塩)がビーカーの中に残ります。


では、塩酸の中に、ちょっと少なめに水酸化ナトリウム水溶液を入れてみましょう。


そうすると、やはりあら!あっちの方がいい感じ!とばかりに
溶けている塩化水素やら水酸化ナトリウムやらが相手を変えようとします。


無事お相手を見つけて新たなカップルが誕生したのですが、あら、
あぶれた塩化水素が残ってしまっていますね。


こういう感じで、ちょうどいい具合でない場合は
中和する相手がいなくて余った方はそのまま変化せずに水溶液の中に残ってしまうのです。
できあがった水溶液の中には、中和でできた塩化ナトリウム(食塩)

中和の相手がいなくて余ってしまった酸性の塩化水素

が溶けていることになり、全体として酸性の水溶液になるのです。

そしてこのできあがった酸性の水溶液を加熱して水分を蒸発させると
ビーカーの中には

こんな感じで、中和でできた塩化ナトリウム(食塩)だけが残ります。
反応せずに残っていた塩化水素は気体なので、どこかにいってしまうのです。


では次は、水酸化ナトリウム水溶液の中に、ちょっと少なめに塩酸を加えてみましょう。


先ほどと同じように、溶けているやつらは相手を変えようとして‥


今度は水酸化ナトリウムが余ってしまいました。


できあがった水溶液の中には中和でできた塩化ナトリウム(食塩)
中和の相手がいなくて余ってしまったアルカリ性の水酸化ナトリウムが溶けているので、
全体でアルカリ性の水溶液になります。
この水溶液を加熱して水分を蒸発させると、ビーカーの中には

今度は中和してできた塩化ナトリウム(食塩)
もとから溶けていた固体の水酸化ナトリウムが残ります。


このように、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液をちょうどいい具合でない割合で混ぜ合わせると
中和できなかった物質の方が水溶液の中にそのまま残るので
中性の水溶液にはならないのでした。

以上が中和の考え方です。
この考え方をふまえて、中和の問題を解いていきましょう。

3はこちら→
中和の考え方3





*おまけ*
ワークシート
 
パスワード:work

 確認プリント

 パスワード:tyuuwa

ダウンロードしてお使いください!

中学受験理科 中和の問題の考え方1

2020年11月18日 | 理科
中学受験理科に「中和」があります。
アルカリ性と酸性を混ぜ合わせると中性になる、というアレですね。


こんなようなグラフを覚えなきゃ!と頑張っている人もいるみたいですが
こういったものをただ暗記して使っていてもやっぱりピンとこないままですので
今回は考え方の解説をしていきます。


問題でよく使うのは「塩酸」と「水酸化ナトリウム水溶液」です。
「塩酸」は「塩化水素」という酸性の気体が水に溶けた水溶液、
「水酸化ナトリウム水溶液」は「水酸化ナトリウム」というアルカリ性の固体が水に溶けた水溶液です。
イメージとしてはこう。


もちろん溶けている物質は目に見えませんが、こんな感じで水に入ってるんだな、と考えましょう。
このとかの数で、濃さが変わると考えてください。

では2つの水溶液を混ぜます。
どちらでもいいのですが、今回は塩酸の入っているビーカーに水酸化ナトリウム水溶液を入れてみます。


2つの水溶液が混ざると、溶けているとかが、新たに現れた物質を見てあらやだあっちの方がいいわ!

と反応します。

そしてどちらも相方を捨てて離れてしまい、

それぞれが相方を変えてくっつき合ってしまうのです。


混ぜ合わせた後のビーカーの中の液体には、もともと溶けていた塩化水素と水酸化ナトリウムはなくなってしまって、代わりにが溶けています。
くっつき合って新しくできたは水、は塩化ナトリウム(食塩)です。
水に食塩が溶けているので、これは食塩水ですね。

つまり、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液をちょうどいい具合に混ぜ合わせると


中性の食塩水ができあがるのです。



酸性の塩酸とアルカリ性の水酸化ナトリウム水溶液をちょうどいい具合に混ぜ合わせると
中性の食塩水ができることがわかりました。
ではちょうどいい具合に混ぜ合わせなかったら?という疑問がわきますが、それは次回に解説します!
次回


解説中のとかとかの図は、中和の考え方をわかりやすくするための図です。
 実際の物質とは多少異なっています。


中学受験理科 問題プリント(人体)

2020年05月12日 | 理科
まだまだ休校が続いている教え子のために
普段は作らない理科のプリントをつくりました。
教え子が使っている某受験問題集の内容をそのままプリントにしたので
ちょっと偏りがあるかもしれませんが
内容がきちんとわかっているかの確認になりますので
よろしければダウンロードしてお使いください!
 *問題プリント4枚(4のみ6枚)と答えプリントになっています。


 人体⑴消化 答え パスワード:karada1


 人体⑵呼吸・心臓 答え パスワード:karada2


 人体⑶循環器 答え パスワード:karada3


 人体⑷骨格・誕生 答え パスワード:karada4

湿度の問題4 表を使うさらに続き

2018年11月06日 | 理科
しつこく前回・前々回からの続きの問題です。前回→湿度の問題3表を使う続き

今回は残りの(7)(8)です。まずはもう一度問題文を‥


問題2 飽和水蒸気量の表を使って下の問いに答えなさい。(%と℃は整数で、gは小数第1位で答えなさい)

 (7) 気温25℃、露点16℃の空気1㎥を9℃まで冷やしたら何gの水滴が生じるか。


  もう露点、飽和水蒸気量という言葉に慣れてきたでしょうか?
  空気を冷やすと、空気中に含むことのできる水蒸気の量は減るのでしたね。
  そうして含みきれなくなった水蒸気が水として出てきてしまう温度が露点でしたね!

  というわけでこの問題は、

   今空気中に含まれている水蒸気量 − 9℃の飽和水蒸気量
  で計算できますね!

  では今の水蒸気量は‥設問には書いてありませんが
  露点は16℃だそうです。
  ということで16℃の飽和水蒸気量が今の空気の水蒸気量になるのですね。
  早速表で探しましょう。16℃の飽和水蒸気量は‥
  
  ここですね、13.6gです。
  次に9℃の飽和水蒸気量を探しましょう‥
  
  ありました、8.8gです。
  というわけで
    13.6 − 8.8 =4.8             4. 8g


次、ラスト問題です!


 (8) 気温が29℃の空気1㎥を1℃まで冷やしたら2.0gの水滴が生じた。
 冷やす前の空気の湿度を求めよ。


  久しぶりに湿度を求める問題です!
  湿度は
今の温度の飽和水蒸気量に対して、今の水蒸気量は何倍かということなので
  今の気温29℃の飽和水蒸気量と、今の水蒸気量があれば計算できますね!

  29℃の飽和水蒸気量を表で探すと‥
  
  28.8gですね!

  この空気を1℃まで冷やしたら2.0gの水滴が生じた、とありますが、これは
  1℃の飽和水蒸気量より2.0g多い水蒸気が空気中にあった、ということですね。
  表で1℃の飽和水蒸気量を探しましょう‥
  
  5.2gです。
  ということで、29℃のときに空気中に含まれていた水蒸気量は
     5.2 + 2.0 = 7.2g
  飽和水蒸気量が28.8g、含まれていた水蒸気量が7.2gですので、湿度は
     7.2 ÷ 28.8 = 0.25              25% 



どうでしたか?
表を使った計算問題でしたが、慣れたでしょうか。
たくさん問題をこなして、すらすら解けるように学習しましょう!

湿度の問題3 表を使う続き

2018年11月02日 | 理科
 *11/6 タイトルを修正しました!

前回の問題の続きです。 前回→湿度の問題2 表を使う

今回は(5)からですが、
一応、問題文ももう一度‥

問題2 飽和水蒸気量の表を使って下の問いに答えなさい。(%と℃は整数で、gは小数第1位で答えなさい)

(5) 気温32℃で湿度80%のとき、1㎥の空気を5℃まで下げると何gの水滴ができるか。


 (4)③と同じ問題ですね!
 空気が冷えると空気中に含むことのできる水蒸気量、つまり飽和水蒸気量が減るので、
 いま空気中にある水蒸気量が多いと水滴になって出てきちゃうんですね。
 ということは、「今の水蒸気量」から「冷やしたときの5℃の飽和水蒸気量」を引けばいいわけです。

 まず、今の水蒸気量を計算しましょう。

 湿度が80%ということは、今の温度の飽和水蒸気量の0.8倍が今ある水蒸気量ということなので
 今の温度32℃の飽和水蒸気量を表で調べると‥
 
 ありました!33.8gですね!
 
 ということは、この量の0.8倍が今ある水蒸気量ですから
   33.8 × 0.8 =27.04
 今は27.04gの水蒸気があるということですね。

 では次に、冷やした温度5℃の飽和水蒸気量を探しましょう‥
 
 6.8gでした。

 5℃では6.8gまでしか空気中に水蒸気は含むことができないのですね。
 というわけで
   27.04 − 6.8 =20.24
 gは小数第1位で答えろとのことなので             20.2g

ばっちりですね!
続きいきます。




(6)湿度52%で露点が1℃の空気の気温は何℃か。

 気温を出す問題です。
 飽和水蒸気量の表があるので、設問の空気の飽和水蒸気量が計算できれば、表から探せますね!
 飽和水蒸気量の計算は‥
 湿度が52%とあるので、今の水蒸気量が分かれば計算できる‥
 じゃあ、今の水蒸気量は‥
 露点が書いてあるじゃありませんか!

 露点の飽和水蒸気量は今の気温の水蒸気量と同じでしたね!
 これで計算できる!

 早速表から1℃を探しましょう‥
 
 5.2gですね。
 これが設問の空気の水蒸気量になります。

 湿度は52%ですので、飽和水蒸気量の0.52倍が今の水蒸気量の5.2gになります。
 計算すると‥
   5.2 ÷ 0.52 =10
 飽和水蒸気量は10gと出ました!

 10g、10g‥
 
 ありました!11℃ですね!
 というわけで答えは                       11℃



なんだかややこしいですが
露点、水蒸気量、飽和水蒸気量‥という言葉にどんどん慣れるために
たくさん計算してみて下さい!


残り、(7)と(8)は次回に!

湿度の問題2 表を使う

2018年11月01日 | 理科
 *色々抜けていた文章を修正しました!(2/27)

前回はネットの問題を使ってグラフの基本の問題を解きました。→ 湿度の問題1グラフを使う
今回は表を使った計算問題を解きましょう!

問題2 飽和水蒸気量の表を使って下の問いに答えなさい。(%と℃は整数で、gは小数第1位で答えなさい)


 設問を見る前に、しっかり表を確認しましょう!
 飽和水蒸気量は
空気1㎥中に含むことのできる水蒸気の量ですよ!
 なので0℃の空気1㎥中には4.8g、
 12℃の空気1㎥中には10.7gの水蒸気まで含むことができるのが表からわかりますね!


(1) 気温26℃の空気1㎥の中に11.7gの水蒸気が含まれている。
 ① 露点は何度か。


  露点とは、気温が下がったときに水滴が出てきちゃう温度のことでしたね。
  つまり、今の水蒸気量が飽和水蒸気量になっている気温を探せばよいですね!
  表から11.7gを探すと‥
  
  ありました!                         13℃


 ② 湿度は何%か。

  湿度を出すには「今の水蒸気量」と「今の気温の飽和水蒸気量」が必要でしたね。
  今の水蒸気量は11.7g、
  今の気温26℃の飽和水蒸気量を表から探すと‥
  
  ここですね!24.4gです。
  湿度は
飽和水蒸気量に対して今の水蒸気量が何倍にあたるか、なので
   11.7 ÷ 24.4 =0.4795‥→47.95‥%
  %は整数で答えろ、とのことなので                 48% 

  なかなか順調ですね!でもまだまだ問題は続きます!



(2) 気温22℃で1㎥の空気中に含まれている水蒸気量が12.0gのときの湿度を求めよ。

 湿度を求めるのですから、(1)②と同じですね!
 今の気温22℃の飽和水蒸気量を表から探すと‥

 19.4gですね!
   12.0 ÷ 19.4 =0.6185‥→61.85‥%            62% 

次にいきましょう!



(3) 気温24℃で露点が6℃のときの湿度を求めなさい。

 またまた湿度ですね!
 お馴染みとなった、今の水蒸気量と、今の気温の飽和水蒸気量から出しましょう!
 今の気温24℃の飽和水蒸気量は表から探して‥

 21.8gです。
 では今の水蒸気量は?
 露点が6℃なので、6℃の飽和水蒸気量が今の水蒸気量と同じになりますね!
 何gかな‥
 
 7.3gでした。
   7.3 ÷ 21.8 =0.3348‥→33.48‥%              33% 

どんどんいきます!



(4) 気温30℃で湿度24%の空気1㎥がある。
 ① 含まれている水蒸気は何gか。


  飽和水蒸気量に対して今の水蒸気量が何倍にあたるかですので
  湿度が24%ということは、

  この気温の飽和水蒸気量の24%、0.24倍が今の水蒸気量ということですね!
  飽和水蒸気量は‥
  
  30.4gですね!
    30.4 × 0.24 =7.296
  gは小数第1位で答えろとのことなので                    7.3g


 ② 露点は何度か。

  ①で今の水蒸気量が出たので、この量と同じ飽和水蒸気量を表から探せばOKですね!
  どれどれ‥7.3gの気温は‥
  
  ありました!6℃ですな。                            6℃


  ③ この空気を2℃まで冷やすと何gの水滴が生じるか。

  <今の水蒸気量と、2℃のときの飽和水蒸気量との差が、出てきちゃう水滴の量ですね!
  2℃の飽和水蒸気量は‥
  
  5.6gです! 今の水蒸気量は①から7.3gですので
    7.3 − 5.6 =1.7                              1.7g

  
 
 ①ができないと全部できないという恐ろしい問題でしたね!
 しかし、このタイプの問題は、この順番で解けば解けるよ!という親切な問題でもあるのですね。
 それは(5)で出てきますが、続きは次回!



湿度の問題1 グラフを使う

2018年10月31日 | 理科
 *11/6 タイトルを修正しました!

中学生の中間テストが終わったと思ったら今日は大変寒いです。
もう冬なんですかね‥

テスト範囲に湿度があったのですが
湿度が苦手な生徒が多いですね。
なので、ネットで見つけた問題を解説していきます。

その前に、「湿度」とは何か、をおさらいしておきましょう。
まあ、空気の湿り気のことなんですが、単位が「%」なので割合なんですね。

 その温度の空気1㎥中の飽和水蒸気量に対して、何倍の水蒸気が含まれているか
が湿度です。

なので、「湿度20%」は、「目一杯の水蒸気量の0.2倍」
ということになります。



問題1 グラフの曲線は飽和水蒸気量を表している。また、青い棒グラフは気温25℃の空気に含まれている水蒸気を表している。次の問いに答えよ。
 


 はい、ここでまずグラフをきちんと読み取りましょう!
 グラフの縦軸、横軸をきちんと確認しますよ!
 
 横軸は単位が「℃」となっていて、問題文に「気温25℃の‥」とあることから「気温」を表していて、
 1目盛りは1℃ですね。
 縦軸は単位が「g/㎥」となっていて、問題文に「青い棒グラフは‥水蒸気量を表している」とあることから「水蒸気量」を表していて、
 1目盛りは2g/㎥ですね。
 グラフをきちんと読み取れたら、設問を読みます。



(1) この空気25℃での湿度を求めよ。(割り切れない場合小数第1位を四捨五入せよ)

 湿度を求める時にはこの公式を暗記したと思うのですが、

 
 上にも書いた通り湿度は割合ですので、


  含まれている水蒸気量 ÷ 飽和水蒸気量

 で計算して%に直した方が早いです。

 25℃は青いグラフですから、気温25℃のときに含まれている水蒸気量は、グラフから10g/㎥、


 25℃の飽和水蒸気量は、グラフから23g/㎥

 と読み取れますね。

   10 ÷ 23 =0.4347‥ →43.47‥%
  小数第1位を四捨五入なので                         43% 

 グラフをきちんと読み取って、計算すれば、結構簡単ですね!



(2) この空気の露点を求めよ。

 「露点」の意味をしっかり理解していれば楽勝ですね!
 露点とは、含まれている水蒸気が冷やされて水として出てきちゃう温度のことです。
 つまり、このとき含まれている水蒸気量が飽和水蒸気量になる温度が露点なんですね。
 グラフを見ると‥

 11℃とわかりますね!                            11℃

この調子でラスト問題です!


(3) 空気中の水蒸気量を変えずにこの空気の温度を下げる。
 3℃まで下げた時、空気1㎥中にどれだけの水滴ができるか求めよ。


 なんだかややこしそうですが、大丈夫です!
 気温が下がったので、空気中に含むことのできる水蒸気量は減ります。
 3℃ではどのくらいまで含むことができるか、飽和水蒸気量をグラフで見ると‥

 6g/㎥ですね!
 3℃では1㎥中に6gしか水蒸気は含むことができないのです。
 今の水蒸気量は(1)で読み取った通り10g/㎥ですから多い分は水になってしまうわけです。
  10−6=4                                 4g



どうでしょうか?
言葉の意味と計算の仕方、グラフの読み取りが理解できたでしょうか?
露点ってのは目一杯のときの温度か、
湿度は今の水蒸気量を飽和水蒸気量でわればいいんだ、
てな辺りがわかれば、あとは練習をしてくだけです!

次回は表を使った計算をします。



 

発芽の問題2

2017年01月07日 | 理科
前回出した問題の答え合わせをしましょう!

ちなみにこんな問題でした。


インゲンマメをペトリ皿にまいて、発芽について次の実験を行いました。
ペトリ皿はどれも日当りの良い場所に置きました。
ただし、温度はオ以外は20℃です。

インゲンマメの発芽に必要な条件を調べたいと思います。
次のA〜Eについて調べるには、実験のどれとどれを組み合わせたらよいですか。
それぞれア〜カから1組ずつ選び、記号で答えなさい。
調べることができないときは「なし」と答えなさい。
 A 水  B 空気  C 適当な温度  D 光  E 土


これのC・D・Eが残っていましたね。

では早速C「適当な温度」を見てみましょう。

「温度」はオだけ違うので、オとそれ以外を比較します。
条件を記入した図を利用すれば簡単でしたね!


これです。

おや、温度以外の条件が全て同じ物がありませんねえ‥
という訳で、答えは「なし」です。

ではD「光」にいきましょう。
光のあるなしで分けます。

光がある‥ア・イ・ウ・エ
光がない‥オ・カ

この上下のグループで、光以外の条件が全て同じ組み合わせは‥
はい、イとカ ですね。
これが答えです。

最後、E「土」にいきましょう。
これも土のあるなしで分けます。

土がある‥エ
土がない‥ア・イ・ウ・オ・カ

土があるのはエだけでした。
エとそれ以外で条件が全て同じものは‥
イですね。
答えはイとエでした。


比較の実験は、比較するもの以外は全て同じ条件にする!
丁寧に条件を見ていきましょう!



発芽の問題

2017年01月04日 | 理科
比較をするときには比較するもの以外を同じにしないといけません。

これをきちんと使うときれいに解ける問題には、理科の発芽の問題がありますね。

例えばこんな問題。


インゲンマメをペトリ皿にまいて、発芽について次の実験を行いました。
ペトリ皿はどれも日当りの良い場所に置きました。
ただし、温度はオ以外は20℃です。

インゲンマメの発芽に必要な条件を調べたいと思います。
次のA〜Eについて調べるには、実験のどれとどれを組み合わせたらよいですか。
それぞれア〜カから1組ずつ選び、記号で答えなさい。
調べることができないときは「なし」と答えなさい。
 A 水  B 空気  C 適当な温度  D 光  E 土


インゲンマメの発芽にそれが必要かどうかを調べる実験です。
例えばAは「水」ですので、インゲンマメの発芽に水が必要なのかどうかを実験で確かめるわけです。
なので、「水」があるものとないものを比較すればよいですね。
その際に「水」以外の条件を同じにする必要があります。

「水」があるもの‥ア・イ・エ・オ・カ
「水」がないもの‥エ

上のグループと下のグループ(ウだけですが‥)で、「水」以外の条件が同じものを選べばいいですね。

上のグループの「水」以外の条件を調べましょう。
ア‥温度は20℃。光があたっている。インゲンマメは水中にあるので空気がない。土がない。
イ‥温度は20℃。光が当たっている。空気がある。土がない。
エ‥温度は20℃。光が当たっている。空気がある。土がある。
オ‥温度は20℃より下。光が当たっていない。インゲンマメは水中にあるので空気がない。土がない。
カ‥温度は20℃。光が当たっていない。空気がある。土がない。

下のグループ
ウ‥温度は20℃。光が当たっている。空気がある。土がない。

ということで、「水」以外の条件が全て同じ組み合わせはイとウですね。

ここで調べた条件は、図に書いておくと後の問題を解くときに便利ですよ。

こんな感じで。

では、次のB「空気」はどうでしょうか。

同じように「空気」のあるなしで分けてみましょう。

空気あり‥イ・ウ・エ・カ
空気なし‥ア・オ

簡単ですね!

では上のグループと下のグループで「空気」以外の条件が同じものを探しましょう。

見つかりましたか?
アとイですね。
先ほど書き込んだ図で探せば楽勝です!


それではせっかくなので、残りのC・D・Eをやってみましょう!



最後になりましたが、
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

中学受験生は土曜日に最後の模試がありますね。
冬休み中の学習をしっかりと踏まえて
全力で臨みましょう!