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新譜から。新譜もまめにチェックしている人には先日出されたアルバムが話題になったので知られているとは思うが、北欧からニコール・ウィリスという女性シンガーのアルバム・カットのシングルを紹介したい。北欧からとはいえ、英国系黒人シンガーで、キャリアは長く、アシッド・ジャズのバンド「リパーカッションズ」のリード・シンガーとして92年にレコード・デビューしている。その後エレクトロ・アシッド・ジャズの奇才ミュージシャンであるジミ・テナーと結婚。ポスト・アシッド・ジャズ的ともUKソウル的とも言える作品を次々と発表。そして活動を夫の地元であるフィンランドに移し、03年に北欧ファンク・バンドSoul Investigatorsのシンガーとして迎えられ、ファンク・ナンバーを発売し注目される存在となる。そしてソロとして三作目の先に触れたアルバムを出し、さらに話題になっているシンガーだ。60年代に回帰したようなサウンドのソウル・ナンバーやファンクを、タイトな演奏力で聴かせるアルバムだからそれも肯けるだろう。そしてそんなアルバムから、出色のファンキーな曲がシングル・カットされたから取り上げないわけがない。バンドの圧倒的グルーヴ、それに尽きるナンバーだろう。新譜もまだまだ捨てたもんではないなあ。