10月、福祉事務所に、
「10月の年金を借金の返済にあててしまって生活に困ったから、
12月の年金までの生活費を貸して欲しい」と現れた一般のご老人に、
わたしは2万円を貸した。
年金額が結構多い人だったので、生活保護が決定になってもすぐに廃止になる人だったし、
申請にかける労力を考えると、リスキーではあるが、そうした方が自分が楽だと思ったからだ。
「12月に入る年金で返します」という誓約書を取ったが、
返さないことも有りうるとも思った。
住所が嘘の可能性もあるし、電話も持っていない。
当然、こんなことは職場では認められていないし、
2万円も自腹切って貸す奴は馬鹿だ、と自分でも思う。
諦めつつ迎えた12月15日。
年金支給日当日。
あの老人は・・・
やってきた。
「ありがとうございました。おかげで生き延びることができました。」
と、深々と頭を下げられた。
そして、「裸ですいませんが・・・」と2万円を渡された。
「いえ、それくらいしか、こちらもさせてもらえませんでしたので」と、
わたしも、誓約書を老人に返した。
老人は、
「うどん一玉を半分に分けて、食べてたような生活だったんです。
死のうかとも思いました。でも貸してくださって助かりました。
今日、20万ほど入りました。これで十分生活がやっていけます。」
そう言いながら、別に2千円を、わたしに渡そうとテーブルに置いた。
「・・・お礼ですので、受け取ってください」
さすがにわたしも困惑し、
「それは困ります。受け取れません。」と返そうとしたが、
老人は席を立とうとし、全く受け取ってくれない様子。
「こんなことをしてくださる余裕があるのなら、被災地の募金にでもあててください」と
強めに言ってみたが、「それでしたら、そのように使ってください」とニコッと微笑み返された。
「わかりました。そしたらわたしが代わりに募金に使わせていただきますので。」
そう言って、お互い深々とおじぎして、わたしはその老人を見送った。
これが本当にいい方法なのかは分からないが、
今回は、きっとこれでよかったんだと思う。
ただ、どうしても心境は複雑で、
できれば今後は、二度とこういうことはしたくないとも思った。
もっとスキルを積まねば。
「10月の年金を借金の返済にあててしまって生活に困ったから、
12月の年金までの生活費を貸して欲しい」と現れた一般のご老人に、
わたしは2万円を貸した。
年金額が結構多い人だったので、生活保護が決定になってもすぐに廃止になる人だったし、
申請にかける労力を考えると、リスキーではあるが、そうした方が自分が楽だと思ったからだ。
「12月に入る年金で返します」という誓約書を取ったが、
返さないことも有りうるとも思った。
住所が嘘の可能性もあるし、電話も持っていない。
当然、こんなことは職場では認められていないし、
2万円も自腹切って貸す奴は馬鹿だ、と自分でも思う。
諦めつつ迎えた12月15日。
年金支給日当日。
あの老人は・・・
やってきた。
「ありがとうございました。おかげで生き延びることができました。」
と、深々と頭を下げられた。
そして、「裸ですいませんが・・・」と2万円を渡された。
「いえ、それくらいしか、こちらもさせてもらえませんでしたので」と、
わたしも、誓約書を老人に返した。
老人は、
「うどん一玉を半分に分けて、食べてたような生活だったんです。
死のうかとも思いました。でも貸してくださって助かりました。
今日、20万ほど入りました。これで十分生活がやっていけます。」
そう言いながら、別に2千円を、わたしに渡そうとテーブルに置いた。
「・・・お礼ですので、受け取ってください」
さすがにわたしも困惑し、
「それは困ります。受け取れません。」と返そうとしたが、
老人は席を立とうとし、全く受け取ってくれない様子。
「こんなことをしてくださる余裕があるのなら、被災地の募金にでもあててください」と
強めに言ってみたが、「それでしたら、そのように使ってください」とニコッと微笑み返された。
「わかりました。そしたらわたしが代わりに募金に使わせていただきますので。」
そう言って、お互い深々とおじぎして、わたしはその老人を見送った。
これが本当にいい方法なのかは分からないが、
今回は、きっとこれでよかったんだと思う。
ただ、どうしても心境は複雑で、
できれば今後は、二度とこういうことはしたくないとも思った。
もっとスキルを積まねば。