
実家がミカン農家なので、職場にミカンをあげる。
たかだかそれだけのことだが、いちいち気を遣う。
というか、面倒臭い。
何故か。
それは、目立つから。
旅行のお土産とは違う。
旅行のお土産には「旅行に行った」という理由がある。
しかし、家で取れたものをあげるなどという、
「理由なくあげる」行為は、
お裾分けのご近所文化の中でなら当たり前だが、
そうではないところだと、目立ってしまう。
過去に職場で上司から、作った野菜をもらった。
別の上司から作ったミカンももらった。
その2件のみ。
あげるものがない人が、街にはほとんど。
もちろん私も同じで、あげるのは親が作るミカン。
私が作ったものではない。
若い世代が、家で作物を育てるなんてことはしていない。
だから、人にものをあげるという文化が生まれない。
本来、見返りを求めない「あげる」文化。
これを職場で行うのは、だんだん抵抗が出てきた。
自分でも意外だ。
少し悔しく、残念でもある。
みな、喜んでくれるのは分かっているのに、
自分が目立ちたくないためにブレーキをかけてしまうからだ。
優しさは世の中に必要なものなのに、
こういう形の優しさは、こと職場では発揮しにくい…
新たな気付き。
新たな勉強。
ここからまた自分がどう判断し、どう消化していくか。
他人事のようだが、見ものかな、と思う。