ボードシアター『だんごどっこいしょ』
山のふもとに、
ちょっと忘れんぼの男の子と山で仕事をしているおじいさんが、暮らしていました。
山を一つ超えた村には、おばあさんも暮らしていました。
時々、おじいさんと男の子は山でとれた山菜や薪を持って、山を越え 村に行っていました。
ある日のこと、おじいさんが言いました。
「今日は、手がはなせないから一人でおばあさんのところまで 行ってこれるかい?」
「うん!平気だよ」
「迷わないように、気をつけるんだよ」
「うん、行ってきまーす」
♪つんつく つんつく つくしんぼ たんたた たんたた たーけのこ♪
男の子は元気に歌いながら、歩きました。
だって、何度もおじいさんと行ってる道だから・・
「へっちゃらだよん、迷子になんかならないもん!」
「ん? どっち? そうだ!大きい木の道だよね。 ほら、だいじょうぶだよん」
「あれ? こっちの川は大きいから濡れちゃうよん、困ったな~…
えーとえーと…ここなら小っちゃいから、へっちゃらだぁー」
どっこいしょ!!
川をこえたら、おばあさんちはもうすぐ
「おばあちゃんちは、村のはしっこの… 着いたーー!」
「おお、よく一人でこれたね。ほれほれ、これでもお食べ、たーんと作っておいたからね」
「わー、いっただきまーす パクパクモグモグ
おいしいね パクパク こんなのはじめてだ モグモグ・・・」
「そうかい、あれ、はじめてだったかい?」
「うん、これ なんていうの?」
「だんごだよ」「だんご!? うまかったな~ もっと食べたいな~」
「ハハハ、なあに おじいさんも作れるから頼んでみなね」
「わー、うん、そうする… なんだっけ? そうそう、だんごだ」
「おばあさん、だんごでした! じゃぁ、また だんごぉ」??
男の子は忘れないように「だんごだんご」と言いながら帰りました。
さっきの川にさしかかると
「こんな川、へっちゃらだぁー どっこいしょ!」
あれ? 「そうだそうだ、どっこいしょだった」
男の子は「どっこいしょ、どっこいしょ」と言いながら、また歩きました。
??なんかへんですね・・
「おじいさん、ただいまー」
「ちゃんと、お使いできたね、えらいぞ」
「おばあさんちで、ものすごっく美味しいもん食べた」
「ほーほー、よかったのぉ」
「おじいさんも作れるって。、作っておくれよ どっこしょ」
「どっこいしょ? そんなもの知らんぞ」
「うそだー 作っておくれよ ねーねー作っておくれよー」
男の子はおじいさんにしがみついて、だだをこねました。
「そんなに、ゆさゆさしたら危ないだろう!」
「ねーねー…」
ゴツン!
「あいたたた・・」
「ほぉら、言わんこっちゃない、だんごのような たんこぶができたじゃないか」
「あーーー! それだ!! だんごだーー!」
「なんじゃ、だんごかい。 ああ作ったる たんと食べ」
おじいさんは、すぐにだんごを作ってくれました。
「だんごどっこいしょ、うまいね おじいさん!」
パクパク… おなか一杯たべました。
「ごちそうさま」