続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「ザ・ホエール」(2022米/キノフィルムズ)

《「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー監督が、「ハムナプトラ」シリーズのブレンダン・フレイザーを主演に迎えた人間ドラマ。劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。272キロの巨体の男チャーリーを演じたフレイザーが第95回アカデミー賞で主演男優賞を受賞。メイクアップ&ヘアスタイリング賞とあわせて2部門を受賞した。共演はドラマ「ストレンジャー・シングス」のセイディー・シンク、「ザ・メニュー」のホン・チャウ。》

自分ではどうすることもできない難病でなく、恋人を失ったことからの過食で健康を損なってしまったので、しかも、妻と娘を置いてだったりとあまり共感できない自分がいたけど、特殊メイクで272kgの主人公を演じたブレンダン・フレイザーの演技には圧倒された。

ダーレン・アロノフスキー監督作品といえば、“そこでしか生きられない”不器用な男のドラマという意味では 2009年の6月に観た「レスラー」が内容的には被るものがあるというか、ひたすらミッキー・ロークの後ろ姿を追い回したカメラに、ミッキー・ローク自身のドキュメンタリーを観ているような切ない思いにかられたのを思い出したりして、代わりにブレンダン・フレイザーのドキュメンタリーを観ているような思いだった。

ミッキー・ロークが自分の身体を作ったのに対して、今回は特殊メイクでの巨体に、撮影の苦労が見えてきて、内容的なものより、演じたブレンダン・フレイザーの役作りの方に比重がかかっているようで、ちょっと居心地が悪いものがあったけど、彼の力になる看護師のリズを演じたホン・チャウや、別れた娘エリーを演じたセイディー・シンクも印象的で、死期の迫った男を巡るドラマとして興味深いものがあった。

スクリーンサイズが正方形に近くて絶えず閉塞感があって、前にもこんな感覚があったと思ってよく考えたら、全然内容は違うけど、アウシュビッツのゾンダーコマンドが主人公の「サウルの息子」を観た時と似た感覚だったのかも。

☆あらすじ☆
40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまう。アランの妹で看護師のリズに助けてもらいながら、オンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続けていた。自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前にアランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリーに会いに行くが、彼女は学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた。
※映画.comより

キャスト
ブレンダン・フレイザー
セイディー・シンク
ホン・チャウ
サマンサ・モートン
タイ・シンプキンス

監督
ダーレン・アロノフスキー


原題 The Whale

117分

PG12

109シネマズ二子玉川4 18:45〜観客7割程/84席






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