続・とりあえずの映画鑑賞メモ

「ウィ、シェフ!」(2022仏/アルバトロス・フィルム)

《孤独なシェフと移民の少年たちが料理を通して交流する姿を、実在のシェフであるカトリーヌ・グロージャンをモデルに描いたフランス製コメディドラマ。「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」のオドレイ・ラミーがカティ役で主演を務め、「最強のふたり」のフランソワ・クリュゼが施設長ロレンゾを演じる。監督は「社会の片隅に」のルイ=ジュリアン・プティ。》

これはタイトルからお料理が美味しそうなグルメ映画と思ったら、フランスでの未成年の移民問題などを織り交ぜながらの、腕に自信があるが故に他人と寄り添うこともできず傲慢とも思えるような主人公の心の変化が描かれていて、理解し合うことの尊さ美しさに何度も涙が出てしまった。

そのヒロインがシェフを志すきっかけになった幼い頃の回想シーンも秀逸、料理を教えていたのが、モデルになった実在するシェフのカトリーヌ・グロー=ジャンだったというのはあとでわかったけど、そんなところにも説得力を感じたのかも。

それにしても、パリ郊外に実在したガガーリン団地が舞台の「GAGARINE ガガーリン」や、ディオールのアトリエのあるパリのモンテーニュ通りを舞台にした「オートクチュール」、アジア系の移民が多く暮らすパリ13区を描いてフランスの今が切り取られていた「パリ13区」などでもやはり移民問題が織り込まれていて、フランス映画といえば移民問題と切り離せなくなっていることに改めて考えさせられたというか、フランス映画ではないけど少し前に観た、ヨーロッパに渡って消息を絶った数百人の移民の子どもたちから着想を得たという「トリとロキタ」も思い出されて、施設で受け入れた子どもたちの支援に全身全霊で奔走する施設長の姿にもホロリ。

役名もそのままが多かった子供たちはオーディションで選ばれたのだとかで、その自然な演技にも拍手!

☆あらすじ☆
一流レストランでスーシェフを務める女性カティは、シェフと大ゲンカして店を飛び出してしまう。やっとのことで見つけた新しい職場は移民の少年たちが暮らす自立支援施設で、まともな食材も器材もない。施設長ロレンゾは不満を訴えるカティに、少年たちを調理アシスタントにしようと提案。料理がつないだ絆は少年たちの未来のみならず、天涯孤独で人づきあいが苦手だったカティの人生にも変化をもたらしていく。
※映画.comより

キャスト
オドレイ・ラミー
フランソワ・クリュゼ
シャンタル・ヌービル
ファトゥ・キャバ
ヤニック・カロンボ
アマドゥ・バー
ママドゥ・コイタ
アルファ・バリー
ヤダフ・アウェル
ブバカール・バルデ

監督
ルイ=ジュリアン・プティ

原題  La Brigade

97分

G

ヒューマントラストシネマ有楽町1  18:30〜50人程/161席







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