尾野真千子さんが出ているので、どうしても少し前に観た「茜色に焼かれる」を思い出してしまうけど、こちらの方はよりシビアというか、シングルマザーや子育てに悩む母親たちをそっと後押しする応援歌と思ったら、後半どんどん追い詰められて、ホラー風味な展開にゾワゾワ、終わってみれば、追い詰められた母の過激な行為の責任の所在を問うドラマのようにも思えて色々と考えさせられた。
どこまで原作に寄り添っているのかはわからないけど、同じ“石橋ユウ”という名前の子供を持つ母親たちの、環境や接し方の違いなどが交互に描かれていて最後まで画面から目が離せなかったというか、登場する男性たちがなんの助けにならないところも印象的、“ユウ”という名前なら女の子でもよいのに3家族とも全て息子との関わり合いが描かれていたのも興味深いものがあった、菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さんと豪華女優陣の演技の競演も見どころ。
役柄的なこともあるけど、尾野真千子さんの息子を演じた柴崎楓雅くんのサイコパス的な演技にもゾワゾワ！
あらすじ
石橋留美子、石橋加奈、石橋あすみの3人の母親たちは、“石橋ユウ”という10歳になる同姓同名の息子を育てていた。共働き、シングルマザー、専業主婦といった異なる家庭環境ながらも、皆息子を愛していた。しかし、ある日、3人の日常が不意に崩れていき……
124分
監督
瀬々敬久
キャスト
菅野美穂
高畑充希
尾野真千子
柴崎楓雅
外川燎
阿久津慶人
和田聰宏
大東駿介
山口紗弥加
山田真歩
水崎綾女
藤原季節
真行寺君枝
渡辺真紀子
菅田俊
烏丸せつこ
角川シネマ有楽町 18:00～観客30人程/237席
