これは今のこの時期だからこその緊迫感で、60年前の時代の話なんだけど、モノクロでしかも真四角なスクリーンから伝わる時代感や閉塞感がハンパなくて息をひそめるような気持ちで観てしまった。
主人公のリューダは共産党員として優遇されて特殊な立場にいる設定だけど、娘を思う母親の思いは万国共通というか、忠誠を誓った国家への不信感が少しずつ膨らんでいく様子からも目が離せなくて、この作品の制作当時から2年後の今のロシアやウクライナの様子に何かやりきれなさを感じてしまった。
☆あらすじ☆
1962年6月1日、ソ連南部ノボチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが発生した。フルシチョフ政権が目指した豊かな共産主義統治にも陰りが見え始め、生活に困窮した労働者たちが物価高騰や給与カットに抗議の意思を示したのだ。危機感を抱いたフルシチョフ政権は、スト鎮静化と情報遮断のために現地へ高官を派遣。そして翌日、約5000人のデモ隊や市民に対して無差別に銃撃が行われる。広場がすさまじいパニックに陥る中、熱心な共産党員として長らく国家に忠誠を誓ってきたリューダは、18歳の愛娘スヴェッカの行方を捜して奔走する。※映画.comより
キャスト
ユリア・ビソツカヤ
アンドレイ・グセフ
ウラジスラフ・コマロフ
ユリア・ビソツカヤ
セルゲイ・アーリッシュ
監督
アンドレイ・コンチャロフスキー
原題 Dorogie Tovarischi
121分
G
ヒューマントラストシネマ有楽町1 16:35〜観客50人程/161席