これは邦題から画家が主人公の映画と思ったら、ちょっと違ったというか、かなり覚悟のいる内容で、まずは精神疾患の患者や障害者の安楽死政策が強化された頃を描いた前半からの、戦後の東ドイツ、壁の向こうの西ドイツなど歴史的背景を織り交ぜながらの、芸術家の半生が描かれていて3時間の長さを感じさせない面白さだった。
モデルになっているのは現代美術界の巨匠であるゲルハルト・リヒターというアーティストで、写真を利用した作品の創作過程も見どころ、実名でないのは映画化の条件が実名を使わないことと、何が事実か事実でないかは明かさないことだったそうで、そこがサスペンス風味にも繋がっているところもよかった。
あらすじ
叔母の教えもあり、芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、第2次世界大戦後、東ドイツの美術学校に進学する。クルトは学校で出会ったエリーと恋に落ち、ふたりは結婚。しかし、エリーの父は元ナチ高官であり、クルトの叔母を死へと追い込んだ張本人だった。
原題 Werk ohne Autor
189分
R15+
監督
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
キャスト
トム・シリング
セバスチャン・コッホ
パウラ・ベーア
サスキア・ローゼンダール
オリヴァー・マスッチ
TOHOシネマズシャンテ1 18:15~満席/224(112)席
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