ヤモリとイモリ

2006-08-12 | コラム

これから「ヤモリ」と「イモリ」が、世の中をガラリと

変えるかも知れないw。

 

1.まずは「ヤモリテープ 」 


「ヤモリ」はヘビと同じ「ハ虫類」で、陸上で生活している。

足の裏に吸盤が、ついていないのにもかかわらず、

壁や天井にくっつきながら自由に動くことができる。

 

実は、足の裏に細い毛がびっしりと生えていて、その数

なんと1平方センチメートル当たり数億本。

さらに、その毛の先端は枝分かれしており、「ヤモリ」

は無数の毛で壁や天井に接触してるという。


それがどういう事かというと、この「ヤモリ」の足の毛

は非常に細かくて、壁や天井の表面との接点が多く

なる為に、毛を構成している分子と壁や天井を構成

している分子が互いに引き合う、「分子間力」が働く

というわけ。


そう、学生のころに習った「分子間力」。


いわいる物質を構成する分子同士に働く「引力」で、

滑らかに磨いた金属同士を接着剤など何も使わなくとも、

ピタッと合わせると張り付いて離れなくなってしまう現象。


この原理を利用したハイテク接着テープ「ヤモリテープ」を、

イギリスのBAE Systems社が以前から開発中で、そろそろ

実用化、製品化されそうだという。


問題は、材料の表面に微細な突起をびっしりと作り出す

微細加工の技術が必要な所だが、ようやく安価に大面積

の材料を製造できるようになったらしい。

 

この「ヤモリテープ」の素材はポリアミド。

原理的に何度でも再接着できるらしく、また吸盤だと

空気が存在しないと使えないが、分子間力を使えば空気

がない宇宙でも使えるなど、いろいろな分野での活用が

期待されている。

 

で、スパイダーマンも実現可能だということで夢は

広がるが反面、犯罪にも使われそうで心配でもある・・・。

 


2.続いては「イモリ」


一見、「イモリ」と「ヤモリ」はとても似ているが、「イモリ」は

カエルと同じ「両生類」で主に水中に棲んでいる。

 

驚くことに、「イモリ」は体のあらゆる部分を失っても再生

出来るという。


「ハ虫類」の「ヤモリ」や「トカゲ」は敵に襲われたりして、尾が

切れても、1年後には元通り尾が生えてくるが、骨までは

再生出来ない。


ところが「イモリ」は手や足、目、心臓など、あらゆる所を

再生する能力があり、さらに骨まで再生出来るという。


「イモリ」は足を切断されると、切られた断面の細胞が

再生芽という特別な細胞に変化し、その再生芽に

「足になれ」という指令を与えると、およそ半年で、再び

骨も含めて足が再生される。


現在、研究によると実はヒトにおいても「再生芽に変化

する細胞」と「再生芽に指令を出す物質」は判明していて、

あとは「再生芽に変化させる物質」が判明すれば、将来ヒト

でもイモリと同じように再生が可能になり、臓器移植が

不要になるかもしれないと期待されているのだとか。


これも、なかなかスゴイ話。

かなり先のことになりそうだが、そうなれば、身障者や

死亡率は極端に減ることになる。

 

世の中、どんなに進化してもこのように、生物の持つ機能

の方が実はずっとハイテクで、それを見習った技術なり、

製品なりが多いのも事実。


もっと、他の生物にも敬意を払わないといけない。

 

ただし、自然の摂理に反する可能性もあって、

なかなか難しい問題でもある。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 怪談 | トップ | ハンバーガーを待つ3分間の値段 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すごい!! (黒亀⑦)
2006-08-13 01:10:24
イモリとヤモリ、どっちもそんなスーパーな生き物だったのですね。ヤモリと言えば昔東京に住んでいた頃によく見た、夜アパートの壁に張り付いている地味~なヤツ、どちらかと言えば、イヤ明らかに印象の良くない部類の生物でした。



しかしそんなハイテクなヤツだったとは・・・。擬態とか帰巣本能にしてもそうですが、野生生物はとんでもない能力をそなえていますね。



そう考えると人間は特殊な能力を持ち合わせていない分を知能?でカバーしてるだけなのかもしれないですね。おっしゃるとおり、他の生き物にもっと敬意を払わなくては。



幼少の頃に犯した数々の残虐行為を反省するこの頃です(汗)
返信する
ご無沙汰でした (shibatex)
2006-08-13 12:37:33
黒亀⑦さん こんにちは



まさにその通りで、人間は特殊な能力が無い分、

知恵と文明でここまで成り上がれたんでしょうね。



ただ、少し調子に乗りすぎて、その文明にじわじわ

首を絞められつつあるようで・・・w。



もっと他の生き物も大事にしないと、ですね。



そうそう子供の頃って、どうしてあんなことが

出来るんでしょうw。  



・・・反省。
返信する
タモリは? (yass)
2006-08-14 18:08:53
すごいトリビアかもー!

ってか、コレは無駄知識じゃないですよね(笑)。



ヤモリと言えば、我が家・・・玄関にたまにひっついてます(汗

そうか、そんなところにそんな凄い秘密が・・・。

ヘビとかもなんかありましたよね。ネバネバしてそうで

実際触るとサラサラしてるのって、ヤモリと同じ構造だからかしらん??



しかし、イモリはなんだか信じられないッスね(汗)。

その仕組みが人間に活かされたら、素晴らしいんだか。

ちょっと想像すると怖い気もします(笑
返信する
諸刃の剣 (shibatex)
2006-08-14 19:55:51
yassさん こんばんは



ヤモリテープは、ドロボーにとっても朗報の

ような気もしますね。

夜中に建物の壁を見たら人が張り付いている

みたいなw。



イモリは正直こんなに再生能力が高いとは

知りませんでした。

まるでサイボーグ。



仮に人間に実現できたとしても、最低でも50年

くらい先のことになりそうなw。



しかも、倫理的にも問題アリでしょうね。

返信する

コメントを投稿

コラム」カテゴリの最新記事