美学

2006-07-04 | コラム
スポーツ選手が、避けては通れない引退。


その時期を決めるのは、やっぱり本人でしかないし

本人にしかわからない。


まわりの人はまだまだ大丈夫と思っていても、自分自身の中

では確実に何か変化が起きているということ。


この変化から目をそらすか、ちゃんと向き合えるかどうか。




7月3日、サッカーの中田英寿が29歳という若さで引退を表明した。

彼自身のホームページに表明文が載せられた。


いろんな意味で好き嫌いの別れるプレーヤーだが、この電撃的な

引退を惜しむ人もたくさんいるだろう。


が、これは彼にとって20年もの長きにわたる「サッカー」という一つの

旅が終わったことなのだという。


全て人生設計の一部であり、これから次の新しい旅が始まるという。




引退は残念なことだが、同時に潔くて何かとてもカッコイイ

引き際ではないだろうか。


未練や悲壮感など微塵もない。


サッカーのことはあまり詳しくないのだが、そこには間違いなく

「美学」が感じられる。


これは切腹の歴史と関係があるらしいが、日本という国には

古くからの伝統として「引き際の美学」があり、いつまでも地位に

しがみついて恋々とするよりも、潔く退任することが「美しい」

とされてきた。


最近、政治家その他、引き際のカッコ悪い人が多い中で、

とても美しく輝いて見える。




いずれにしても彼はまた新しい旅に出ても、きっと人々を楽しませて

くれるに違いない。




それにしても、こういう姿勢は是非見習いたいものである。




・・・・・・と言っても、引き際が問題になるような人は、いわゆる

「功成り名遂げた」人で、しかも現在もそのレベルを維持している

というのが条件であるから、残念ながら実はあまり「引き際の美学」

とは縁がなかったりするw。
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